
墓じまいにかかる費用は40万円
家族に上手に説明する方法
【2025年11月更新】
「遠方のお墓、年に2回は行っている…でも、往復3万円もかかるし、体力的にもきつくなってきた」
神奈川県にお住まいのAさんは、実家のお墓参りのたびにこう感じていました。
30年前に上京してから、ご両親が他界された後も、遠方のお墓を守り続けてきたAさん。でも最近、こんな不安が頭をよぎります。
「このまま私たちが高齢になったら、お墓参りに行けなくなるかも…」
「墓じまいも考えてるけど、費用が高そうで踏み出せない」
もしあなたも同じような悩みを抱えているなら、この記事はきっとお役に立てるはずです。
墓じまいの費用相場は、実は約40万円で実現できます。
「えっ、思ったより高い?」と感じた方もいるかもしれません。
でも実は、年間の墓参り費用(交通費+管理費)と比較すると、5〜10年で元が取れる現実的な投資です。
この記事では、墓じまいの費用の内訳を詳しく解説し、「今のお墓参りの状況で、墓じまいすべきかどうか」を判断できる具体的な情報をお伝えします。
さらに、家族・親戚への説明の仕方まで、段階的に理解できる内容になっています。
ぜひ最後までお読みください
Check
この記事を読んで理解できること
- 墓じまいにかかる費用相場とその内訳
- 墓じまいの長期的に見る経済的メリット
- 家族や親戚への説明の仕方
お墓じまいの事
なんでも相談ください
・お墓じまいの流れご説明
・費用相場のご案内
・お墓の撤去施工
年中無休・24時間受付中
タップしてお電話ください
目次
墓じまいの費用相場は40万円程度
墓じまいの費用は、40万円が一般的な相場です。
ただし、お墓によっては100万円以上するケースもあります。
「幅が広すぎて、結局いくらなの?」と思われるかもしれませんね。実は、お墓の状況によって費用が大きく変わるため、このような幅が生まれます。
標準的なケース(地方墓地・一般的なサイズの墓石)では、40万円が現実的な目安です。
では、何が費用を左右するのでしょうか?主に以下の3つの要素があります。
費用を左右する3つの要素
- 墓石の大きさ・種類
- 大きな墓石や複雑なデザインほど、撤去に時間と手間がかかります
- 一般的な和型墓石(高さ1.5m程度)なら標準的な費用で済みます
- 墓地の立地条件
- 急斜面や狭い場所にあるお墓は、作業が難しくなります
- 重機が入れない場所では、手作業が必要になり費用が上がります
- 手作業の有無
- 重機が使える場合:費用を抑えられる
- 手作業が必要な場合:人件費がかかり、費用が高くなる
「うちのお墓はどれくらいかかるんだろう?」と気になる方は、まず写真を撮って業者に相談してみましょう。おおよその見積もりを出してもらえます。
費用の内訳を詳しく解説
墓じまいの費用は、大きく分けて4つの項目に分かれます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①墓石撤去・整地費用:20万円〜70万円
これが墓じまい費用の中で最も大きな割合を占めます。
具体的な作業内容
- 墓石の解体・撤去作業
- 基礎部分(コンクリート)の撤去
- 墓地の整地・原状回復
費用が変わるポイント
- 墓石の大きさ:小さいお墓なら20万円〜、大きいお墓なら50万円〜
- 立地条件:重機が入れる平地なら安く、急斜面や狭い場所なら高くなる
- 基礎の深さ:地中深くまで基礎がある場合、撤去に手間がかかる
「うちのお墓は山の中腹にあって、道が狭いんだけど…」という方は、現地調査を依頼して正確な見積もりを取ることをおすすめします。
②遺骨の改葬費用:10万円〜50万円
ご遺骨を取り出し、新しい場所に納骨するための費用です。
新しい納骨先の選択肢と費用
- 合祀型の永代供養:10万円〜50万円
- 他の方と一緒に供養される形式
- 管理不要で費用を抑えられる
- 最も人気の選択肢
- 樹木葬:20万円〜80万円
- 自然に還る形の供養
- 個別区画があり、お参りできる墓苑もある
- 納骨堂:30万円〜100万円
- 屋内の納骨施設
- お参りしやすい都市部に多い
- 散骨:3万円〜10万円
- 海や山に散骨する
- 最も費用を抑えられる
「どれを選べばいいの?」と迷う方には、合祀型の永代供養をおすすめします。
管理不要で、お寺や霊園がずっと供養してくれるため、将来的な負担がありません。
③行政手続き費用:数百円〜5万円
墓じまいには、行政への届け出が必要です。
必要な手続きと費用
- 改葬許可証の取得:300円〜500円(自治体による)
- 埋葬証明書・受入証明書の取得:無料〜数千円
「自分でできるの?」と不安な方もいるかもしれませんが、実は手続き自体はそれほど難しくありません。
役所の窓口で丁寧に教えてもらえます。
ただし、遠方にお住まいで何度も役所に行けない場合は、行政書士に代行を依頼する方が効率的です。
(参考)行政書士への代行依頼:3万円〜5万円
④離檀料:0円〜30万円
寺院墓地にお墓がある場合、お寺を離れる際に「離檀料」を支払うケースがあります。
離檀料の基本知識
- 法的義務はありませんが、慣習として支払うことが多い
- 相場は3万円〜20万円(地域・お寺の格式による)
- 事前に住職と相談し、金額を明確にしておくことが大切
「離檀料って払わなきゃいけないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。法律上の義務はありませんが、これまでお世話になったお寺への感謝の気持ちとして、お布施の形で支払うのが一般的です。
高額な離檀料を請求されて困った場合は、弁護士や消費生活センターに相談することもできます。
墓じまいは「長期的に見れば経済的」
「総額40万円も払うなんて、高すぎる…」と感じた方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。今、お墓の管理にどれくらいの費用がかかっているか、計算したことはありますか?
実は、長期的に見ると、墓じまいは経済的に合理的な選択なんです。
現状の墓管理にかかる年間コストを計算する
①交通費
遠方のお墓参りには、意外と大きな費用がかかっています。
年間の交通費の例
- 往復3万円 × 年2回 = 年間6万円
- 往復4万円 × 年3回 = 年間12万円
例えば、東京⇔富山の場合、新幹線と在来線を使うと往復約3万円です。
年2回お参りすれば、年間約6万円かかります。
「そんなにかかってたんだ…」と驚く方も多いのではないでしょうか。
②墓地管理費
お墓を持っている限り、毎年管理費を支払う必要があります。
墓地の種類別の管理費
- 公営霊園:年間数千円
- 民営霊園:年間5,000円〜15,000円
- 寺院墓地:年間5,000円〜20,000円(平均約8,500円)
「うちは年間1万円くらいかな」という方が多いでしょう。
③時間的コスト
お金だけでなく、時間も大きなコストです。
- 往復移動時間:6〜10時間 × 年2〜3回
- 準備や片付けの時間も含めると、1回のお墓参りで丸1日かかることも
高齢になるほど、長時間の移動は体力的に厳しくなります。
④心理的コスト
数字には表れませんが、こんな負担も感じていませんか?
- 「行かなければ」というプレッシャー
- 天候や体調で延期したときの罪悪感
- 遠方のため、こまめにお参りできないもどかしさ
「お盆とお彼岸は行かなきゃ…」と義務感を感じている方も多いはずです。
墓じまい費用は5年〜10年で回収できる
では、具体的に計算してみましょう。
例:墓じまい費用40万円の場合
- 年間墓参り費用:7万円(交通費6万円+管理費1万円)
- 投資回収期間:5~6年
- 6年目以降は毎年10万円の節約
つまり、5年間お墓参りを続けるのと、今墓じまいをするのとでは、費用はほぼ同じ。5年目以降は、毎年7万円ずつ節約できる計算です。
「5年後、自分は何歳だろう?」と考えてみてください。
58歳の方なら63歳。まだまだ元気かもしれませんが、70歳、80歳になったときのことを考えると、今のうちに決断しておく方が安心ではないでしょうか。
検討は早いうちにしておくと安心
①体力・判断力があるうちにする
墓じまいには、業者との打ち合わせ、現地での立ち会い、行政手続きなど、ある程度の体力と判断力が必要です。
「もう少し先でいいかな」と先延ばしにすると、いざ必要になったときに対処できなくなる可能性があります。
②子供世代への負担を避ける
お子さんが結婚して遠方に住んだり、仕事で忙しくなったりすると、お墓の管理はさらに困難になります。
「子供たちに『遠方のお墓を管理して』なんて言えない」と感じているなら、今のうちに整理しておくのが親の責任かもしれません。
③老後資金への影響を最小限にする
退職後は収入が減り、年金生活になります。そのときに「墓じまいしたいけど、お金が…」と悩むより、今のうちに対処しておく方が、老後資金への影響を抑えられます。
家族・親戚への説明の仕方
とは言っても、墓じまいは1人で進める話ではありません。
「墓じまいしたいけど、家族や親戚に何て言えばいいんだろう…」
こんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、家族や親戚に納得してもらうための説明のポイントをお伝えします。
ポイント1.具体的な数字で説明する
感情論ではなく、数字で説明すると納得してもらいやすくなります。
説明の例
「今、年間○○万円かかってるんだけど、墓じまいすれば○年で元が取れるんだって」
「このまま続けると、10年で○○万円。墓じまいなら○○万円で済むよ」
夫婦で家計を共有している場合、こうした具体的な数字は説得力があります。
ポイント2.将来的な不安を確認する
「今は大丈夫」でも、将来はどうでしょうか?
確認の例
「私たちが70歳、80歳になったとき、お墓参りに行けるかな?」
「子供たちに『遠方のお墓を管理して』って言える?」
「もし私に何かあったら、あなた一人で対処できる?」
こうした将来の不安を共有することで、「今のうちに対処しておこう」という気持ちになりやすくなります。
ポイント3.感情面にも寄り添う
数字だけでなく、気持ちの面でも寄り添いましょう。
感情に寄り添う例
「両親を粗末にするわけじゃないよ。新しい形で供養を続けるんだ」
「永代供養なら、お寺がずっと供養してくれるから安心だよ」
「形は変わるけど、大切にする気持ちは変わらないよ」
「墓じまい=先祖を見捨てる」と感じている方もいるかもしれません。そうではないことを、丁寧に説明しましょう。
家族に墓じまいを反対されたらどうすればいい?
感情に寄り添い、理由を聞いた上で、具体的な数字と理由を伝えて理解を求めましょう。
感情論ではなく、「年間○○万円かかっている」「将来的に管理できなくなる」といった客観的な理由を説明することが大切です。
また、「供養の形が変わるだけで、先祖を大切にする気持ちは変わらない」ことを強調しましょう。
それでも理解が得られない場合は、時間をかけて何度も話し合うことが必要です。
まとめ|墓じまいは「今の費用」と「これからの節約」で判断しよう
墓じまい費用はおおよそ40万〜60万円です。
高いと思われた方もいるかもしれませんが、墓参りにかかる費用と比較すると、5〜10年で回収できる選択肢になります。
大切なのは、いまの出費と将来の体力・負担を考えながら、家族にとって”良い選択”となるか比較することです。
この記事の手順を参考に、まずは費用を計算し、家族と話し合ってみてください。
数字で説明し、気持ちに寄り添って話せば、トラブルを避けながら話合うことができるはずです。
あなたとご家族にとって、最善の選択ができることを願っています。


