
墓じまいの戸籍謄本は郵送で取れる
平日休めない人の取得手順
【2026年5月更新】
「平日に役所へ行く時間なんて、どこにもない」「誰の戸籍を何通取ればいいのか、調べるほど分からなくなる」。
実家の墓じまいを一人で背負うことになったあなたは今、そんな行き詰まりの中にいませんか。
ご両親を見送り、ご兄弟も頼れない中で、遠方の本籍地まで何度も足を運ぶのかと、夜になるとふと不安が押し寄せる。
その気持ち、痛いほど分かります。
結論からお伝えします。
墓じまいに必要な戸籍謄本は、ケース別の早見表で「誰の分・何通・どこから」を判別すれば、郵送請求と2024年3月1日に始まった戸籍広域交付制度を組み合わせ、休日のうちに準備を完結できます。
遠方の役所に何度も通う必要はありません。
ただし、広域交付制度は本人来庁が必須で、対象範囲を勘違いすると貴重な休日が無駄になります。
早見表で自分のケースを正しく判別しないと、せっかく郵送請求しても「足りない戸籍」が後から発覚し、振り出しに戻ってしまうのです。
実際、過去のご相談でも「本籍地の役所が遠方でなかなか通えず、戸籍謄本や除籍謄本の取付けを代行してほしい」というお声をいただいてきました。
あなただけが立ち止まっているわけではありません。
同じ立場で悩み、一歩ずつ進めてきた方が数多くいらっしゃいます。
読み終えていただければ、今日のうちに次の一歩を踏み出せます。
この記事を読んで分かること
- 必要な戸籍を早見表で判別する方法
- 郵送請求4点セットの揃え方
- 戸籍広域交付制度の正しい使い方
- 戸籍取得が墓じまい全体のどこに位置するか
ぜひ最後までお読みください!
戸籍謄本は数分で必要書類が確定する
「誰の戸籍を、何通、どこから取り寄せればいいのか」。
墓じまいの手続きで最初につまずくのが、この一点です。
けれども安心していただいて大丈夫です。
必要な戸籍謄本は、自分のケースをいくつかの質問に当てはめるだけで、数分で確定します。
複雑に見える書類の山も、全体像さえ掴めれば一気に整理できます。
戸籍謄本は故人の身分関係を証明するために必要
そもそも、なぜ墓じまいに戸籍謄本が必要なのでしょうか。
理由は明確で、改葬許可申請という手続きで「故人と申請者がどのような身分関係にあるか」を役所に客観的に証明する必要があるからです。
墓じまいは、故人のお骨を別の場所へ移す手続きにあたり、現在お墓がある市区町村の役所で改葬許可証を発行してもらわなければなりません。
このとき役所は、「申請しているあなたが本当にその故人の親族なのか」「お骨を勝手に動かす権利があるのか」を、戸籍という公的な記録で確認します。
たとえば遠方の実家のお墓に眠るご両親や祖父母の場合、申請者であるあなたとご両親、祖父母が同じ家系であることを戸籍で示します。
これは「お墓の管理を引き継ぐ立場にある人」を役所が認定するための、避けて通れない段階です。
改葬許可申請の全体像についてはお墓の改葬手続きは難しくない!市役所での申請と書類の書き方ガイドで詳しく解説していますので、あわせて確認しておくと流れが見えやすくなります。
戸籍の種類・通数・取得先は早見表で一発判別
戸籍謄本が必要な理由が分かったところで、次の疑問は「で、自分は何を何通取ればいいの?」という具体論ですよね。
ここは早見表で一気に判別します。
| 戸籍の種類 | 取得対象 | 取得先 |
|---|---|---|
| 申請者本人の戸籍謄本 | 現在の戸籍 | 申請者の現在の本籍地 |
| 故人の戸籍謄本 | 除籍謄本または改製原戸籍 | 故人の本籍地 |
| 中間の戸籍 | 申請者と故人をつなぐ | 該当する本籍地(必要に応じて) |
たとえば「申請者=故人の子(または孫)」のケースでは、申請者の現在の戸籍と、故人の除籍謄本があれば身分関係が証明できます。
ご両親の場合は、ご自身の戸籍とご両親の除籍謄本でほぼ完結します。
一方、祖父母や曽祖父母の場合は、間に入るご両親の戸籍も必要になることがあります。
取得先は、それぞれの本籍地の市区町村役所です。
ご両親が遠方の本籍地のままで他界された場合は、その役所に請求します。
自分の現在の戸籍は、現住所地ではなく現在の本籍地の役所で取得する点に注意が必要です。
本籍地が分からないときは、ご自身の住民票(本籍地記載あり)を取り寄せれば確認できます。
郵送請求と広域交付で戸籍は揃う
必要な戸籍の種類と通数が分かったら、次は「どうやって手元に揃えるか」です。
平日に役所へ行く時間がなくても、本籍地が遠方でも、心配いりません。
郵送請求と戸籍広域交付制度という2つの仕組みを使い分ければ、休日や夜の時間だけで戸籍は揃います。
郵送請求4点セットで休日に準備完了
本籍地が遠方にある戸籍を取得する一番確実な方法が郵送請求です。
揃えるのは次の4点だけ。
これを封筒に入れて本籍地の役所宛に送れば、約1〜2週間で自宅に戸籍が届きます。
| 必要書類 | 内容 |
|---|---|
| 戸籍謄本等の請求書(申請書) | 市区町村の公式サイトからPDFでダウンロード |
| 本人確認書類のコピー | 運転免許証(表裏)またはマイナンバーカード(表面) |
| 定額小為替 | 郵便局の貯金窓口で購入・手数料分を同封 |
| 返信用封筒 | 切手貼付・自宅住所と氏名を記入済み |
請求書は各市区町村の公式サイトからPDFでダウンロードできます。
「(本籍地の市区町村名)戸籍謄本 郵送請求」で検索すれば、たいてい申請書のページにたどり着けます。
記入項目は申請者の住所・氏名・連絡先、必要な戸籍の本籍地・筆頭者、故人との続柄、使用目的(「改葬手続きのため」と記入)など。
記入例も役所のサイトに掲載されているので、スマホ画面で見比べながら書けば迷うことはありません。
定額小為替は郵便局の貯金窓口で購入します。
450円・750円といった額面で販売されており、必要な戸籍の手数料分を購入して同封します。
注意したいのは、郵便局の貯金窓口は平日のみの営業(一部の大規模郵便局では土曜午前も対応)という点です。
お仕事帰りに最寄りの郵便局へ立ち寄るか、土曜日の午前中に大きな郵便局を訪ねるかのどちらかになります。
本人確認書類のコピーは、運転免許証なら表裏両面、マイナンバーカードなら表面(顔写真側)のみで構いません。
返信用封筒には自宅住所と氏名を記入し、84円切手(戸籍が複数枚になる場合は94円〜120円程度)を貼っておきます。
重さが読めない場合は、念のため少し多めの切手を貼っておけば返送遅延を防げます。
広域交付制度なら最寄り窓口でまとめて取得
郵送請求と並んで強力な武器となるのが、2024年3月1日に始まった戸籍広域交付制度です。
これは法務省が運用する戸籍情報連携システムを使い、本籍地が全国どこにあっても、最寄りの市区町村窓口で戸籍をまとめて取得できる仕組みです。
たとえば都市部にお住まいの方が、遠方にあるご実家のご両親の戸籍を取得したいケース。
これまでは本籍地の役所へ郵送請求するか、現地まで足を運ぶ必要がありました。
広域交付制度を使えば、ご自宅の最寄り窓口で、その場で取得できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得できる対象 | 本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母)・直系卑属(子・孫) |
| 取得できない対象 | 兄弟姉妹・コンピュータ化されていない古い戸籍 |
| 必要なもの | 顔写真付き本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)1点 |
| 注意点 | 本人来庁が必須・郵送や代理人不可 |
便利な制度ですが、注意点もあります。
第一に、本人来庁が必須です。
郵送や代理人による請求は不可で、必ずご本人が窓口に出向いて本人確認書類を提示する必要があります。
第二に、兄弟姉妹の戸籍は対象外です。
たとえば早世した兄の戸籍を改葬手続きで必要とする場合、広域交付では取得できず、本籍地への郵送請求になります。
第三に、コンピュータ化されていない古い戸籍(昭和の手書き戸籍など)も対象外です。
曽祖父母世代の改製原戸籍を遡る場合は別途郵送請求が必要になります。
過去の事実は手続きに影響しない
戸籍をさかのぼる作業には、書類を集める手間とは別の、もうひとつのハードルがあります。
それは「知らない祖先の名前や、両親の知らなかった過去が出てきたらどうしよう」という心理的な不安です。
実際、ご相談の現場でもこの悩みを口にされる方は少なくありません。
けれども結論からお伝えすると、戸籍に記載される過去の事実は、墓じまいの手続きには一切影響しません。
安心して一歩を踏み出していただけます。
戸籍の過去の記載は手続きに影響しない
戸籍謄本、特に除籍謄本や改製原戸籍を取り寄せると、これまで聞いたことのない祖先の名前、両親の離婚や再婚の記録、養子縁組の事実、認知された子の存在など、ご家族の歴史が記載されているのを目にすることがあります。
「家族の知らなかった一面を見てしまった」と動揺される方もいらっしゃいますが、ここで立ち止まる必要はありません。
役所が戸籍を求める理由は、ただひとつ。
「申請者と故人の身分関係を客観的に証明するため」です。
役所の窓口担当者は、戸籍に記載された過去の事実を評価したり、申請者の家族関係に何らかの判断を下したりすることはありません。
戸籍は単に「申請者がその故人の親族である」という事実を確認するための書類であり、それ以上でもそれ以下でもないのです。
たとえば戸籍上にご両親の離婚歴や、知らなかった異母兄弟・異父兄弟の存在が記載されていたとしても、それが原因で改葬許可が下りなくなることはありません。
役所が見ているのは「申請者が直系の親族として手続きを進める権限があるか」という一点だけ。
過去の事実は、その権限を確認するための背景情報に過ぎません。
また、戸籍に記載されている情報は申請者であるあなた一人が確認するもので、外部に公開されることもありません。
万が一、知らなかった事実を目にして心が揺れたとしても、それを誰かに話す必要も、墓じまいの手続き上で説明する必要も一切ないのです。
「自分の代で片付ける」目的に立ち返る
それでも、戸籍を取り寄せること自体に気が重くなる気持ちは自然なものです。
ご両親を見送り、ご兄弟も頼れない中、一人で家族の歴史と向き合う作業には、書類仕事以上の重みがあります。
そんなときは、いったん書類から目を離して、ご自身がこの墓じまいに踏み出した本当の目的に立ち返ってみてください。
「自分の代で実家のお墓のことをきちんと片付けたい」「夫と二人、これからの老後を穏やかに過ごしたい」「将来、誰かに迷惑をかけたくない」。
きっと、そんな前向きな願いが出発点にあったはずです。
戸籍をさかのぼる作業は、過去を蒸し返すためではなく、未来を整えるための準備です。
戸籍の心理的ハードルを乗り越える4つのコツ
- 戸籍が届いたら、まず必要な箇所(申請者と故人をつなぐ身分関係の記載)だけを確認する
- 全体を読み込もうとせず、役所への提出に必要な情報以外は流し読みで構わない
- 知らない名前や記載が気になったら、一度封筒に戻して翌日改めて見直す
- 一人で抱え込まず、夫やご家族に「こういう書類が届いた」と一言伝えておく
戸籍はあくまで手続きのための道具です。
読み込んで家系図を作る必要はありませんし、過去の出来事を解釈する必要もありません。
「役所に提出する書類が揃った」と確認できた瞬間に、その役目は終わります。
戸籍取得は墓じまいの最初の一歩
ここまで、必要な戸籍を早見表で判別する方法、郵送請求と広域交付制度で休日に揃える手順、そして戸籍に記載される過去の事実は手続きに影響しないことを見てきました。
これでようやく、墓じまいの「最初の一歩」が踏み出せる状態です。
ただし、戸籍はあくまでスタート地点。
ここから先には、いくつかの書類と手続きが順を追って続いていきます。
改葬許可申請に必要な3つの書類
墓じまいで役所に提出する書類は、戸籍謄本だけではありません。
改葬許可証を発行してもらうために、最終的に必要となる書類は次の3つが軸になります。
- 埋葬証明書(現在のお墓の管理者が発行)
- 受入証明書(新しいお墓の墓地・納骨堂・永代供養先などが発行)
- 改葬許可申請書(現在のお墓がある市区町村の役所で取得・記入)
この3つに、これまで集めてきた戸籍謄本を添えて、現在のお墓がある市区町村の役所に申請すると、改葬許可証が発行されます。
改葬許可証は、お骨を別の場所へ移すための「公的な通行手形」のような書類で、これがなければ墓石の取り壊しも新しい場所へのお骨の納めもできません。
戸籍取得は1番目の段階ですが、実は2番目以降と並行して進められる部分も多くあります。
たとえば戸籍の郵送請求を出して返送を待っている1〜2週間の間に、新しいお墓の候補を絞り込んで資料請求をしておく、現在のお墓の管理者である遠方のお寺に「墓じまいを考えています」と一報を入れておく、といった動きは早めに始めておいて損はありません。
特に埋葬証明書の発行をお寺にお願いする際は、お寺との関係整理の話し合いとセットになるため、ある程度の時間を見ておく必要があります。
書き方の見本や記入時の注意点は初めてでも大丈夫!墓じまい改葬許可証の手続きと必要書類の基本知識にまとめてあるので、書類が揃ったタイミングで参照すると安心です。
戸籍謄本を請求してみよう
ここまで読み進めていただいたあなたは、もう「何から手をつければいいか分からない」という状態ではありません。
墓じまいに必要な戸籍謄本は、ケース別の早見表で「誰の分・何通・どこから」を判別し、郵送請求と2024年3月1日に始まった戸籍広域交付制度を組み合わせれば、平日に役所へ行けなくても休日のうちに準備が完結します。
戸籍に知らない祖先の名前や、ご両親の知らなかった過去が記載されていても、手続きには一切影響しません。
役所が見ているのは「申請者と故人の身分関係」というただ一点だけ。
戸籍取得さえ越えれば、埋葬証明書・受入証明書・改葬許可申請書は順番通りに揃えて提出するだけの作業に変わります。
最初の一歩として、無理のない範囲で次の3つを進めてみませんか。
所要時間は合計で30分程度です。
- 申請書のダウンロード:本籍地の市区町村名と「戸籍謄本 郵送請求」で検索し、申請書PDFをスマホに保存
- 定額小為替の購入計画:最寄りの郵便局貯金窓口の営業時間を確認し、土曜午前か平日夕方の予定に組み込み
- 送付先住所のメモ:本籍地の役所の住所と郵便番号をスマホのメモアプリに保存
この3つが揃えば、次の休日には封筒に入れて投函するだけの状態になります。
一人で段取り通り進められる、その手応えが今日の小さな一歩から始まります。
参考リンク:



