
墓じまいで骨壷がないときの進め方
失敗しない3つの手続き手順を解説
【2026年6月更新】
「墓じまいをしようと骨壷を開けたら、骨がない——土しか入っていなかった。こんな状態でも墓じまいって、ちゃんとできるの?」そんな想定外の光景に、思わず手が止まってしまった方はいないでしょうか。
長年、遠くから手を合わせてきたお墓なのに、いざ墓じまいを始めようとしたら、こんな状態で本当に手続きが進められるのかと、途方に暮れてしまう気持ちはよくわかります。
結論からお伝えします。
骨壷も遺骨も残っていない状態でも、墓じまいの手続きは進められます。
役所・お寺・石材店という3つの窓口に順番に連絡していく基本の流れは、骨の有無にかかわらず変わりません。
ただし、「できる」とわかっただけでは、実はまだ半分です。
どの窓口に、どの順番で連絡するかを間違えると、余計な手間や費用が発生して、手続きが大きく遠回りになることがあります。
骨がないイレギュラーな状況だからこそ、最初の一手を誰にするかが特に大切になります。
骨がない・骨壷がないかもしれないという状況で立ち止まる方は、決して少なくありません。
骨壷も遺骨もない状態からでも迷わず動けるよう、最初に連絡する3つの窓口と正しい順番を、わかりやすく整理します。
読み終えるころには、「まず誰に連絡すればいいか」が1つ決まり、無理のないペースで最初の一歩を踏み出せる状態になります。
この記事を読んで分かること
- 骨がなくても墓じまいはできる
- 連絡する3つの窓口と順番
- 骨がないと伝えるときの一言
ぜひ最後までお読みください!
目次
骨も遺骨もなくても墓じまいは進められる

骨壷を開けたら土しか残っていなかった。
そんな状況に直面したとき、「こんな状態で手続きができるのだろうか」と不安になるのは当然のことです。
しかし結論を先にお伝えすると、遺骨がない・骨壷がないという状態は、墓じまいを止める理由にはなりません。
古いお墓で骨が残っていないのは珍しくない
長年手を合わせてきたお墓であっても、骨壷の中が空だったり、土しか残っていなかったりすることは、実は珍しくありません。
お骨は、長い年月をかけて少しずつ土に還っていきます。
埋葬から数十年以上が経った古いお墓では、特に土葬が行われていた時代のものや、骨壷が陶器でない場合など、お骨がほとんど残っていないことがあります。
地方の山あいや、古くからのお寺のお墓の区画では、こうした状態はむしろよく見られます。
骨がない状態が起こる主な理由を整理すると、次のようになります。
| 骨がない・骨壷がない主なケース | 起こりやすいお墓 |
|---|---|
| 長い年月でお骨が土に還った | 数十年以上前に埋葬された古いお墓 |
| もともと土葬で、お骨が土にかえっている | 土葬の時代に作られたお墓 |
| 骨壷が朽ちて、中身が土とまざった | 陶器以外の骨壷を使っていたお墓 |
「お墓の中にお骨がないと思うのですが、このまま進めて大丈夫でしょうか」というご相談は、墓じまいを考え始めた方からよく寄せられます。
骨壷を開けて土しか見えなかったとしても、それは「手続きができない」という意味ではなく、「長い年月が経ったお墓によく見られる状態」というだけのことです。
まずはその点を、安心して受け止めてください。
遺骨がなくても改葬許可申請は対応できる
墓じまいを進めるうえで欠かせないのが、役所への改葬許可申請です。
お墓に納められたお骨を別の場所へ移すには、法律上、市区町村の許可が必要とされています。
「お骨がないのに、改葬許可申請なんてできるの?」と思われるかもしれません。
しかし、お骨が土に還っている場合でも、申請そのものは可能です。
残った土や砂をお骨の代わりとして扱い、その一部を新しい納め先に移す形で手続きを進める方法があります。
具体的には、役所の窓口で「お骨が残っていない状態で改葬許可申請をしたい」と伝えるところから始まります。
書類の様式や対応の細かい部分は市区町村によって異なりますが、状況を正直に伝えれば、その市区町村に合った手続きを案内してもらえることがほとんどです。
役所での進め方をもう少し詳しく知りたい方は、墓じまいの役所手続きの順番と必要書類で整理しています。
お骨がない状態は確かにイレギュラーですが、それは「できない」ではなく「状況を伝えたうえで進める」という違いでしかありません。
墓じまいの流れは3つの窓口への連絡で動き出す

骨壷も遺骨もない状態でも、墓じまいを進める流れそのものは変わりません。
覚えておくことは2点で、連絡する窓口は3つ、そして動く順番がある、という点だけです。
これを押さえれば、知識ゼロからでも手続きは動き出せます。
最初に連絡する先はお寺・役所・石材店の3つ
墓じまいに関わる窓口は、大きく分けて次の3つです。
それぞれの役割と、最初に伝えることを表にまとめました。
| 窓口 | 役割 | 最初に伝えること |
|---|---|---|
| お寺・霊園の管理者 | お墓を管理している先。墓じまいの意向を最初に伝える相手 | 墓じまいを考えていること/お骨が残っていない状態であること |
| 役所(市区町村の窓口) | 改葬許可証を発行する先。お骨を移すために必要 | お骨がない状態での改葬許可申請をしたいこと |
| 石材店 | 墓石の解体・撤去と整地を行う先 | 墓石の撤去を依頼したいこと/お骨は残っていないこと |
お寺については、墓じまいにともなってお寺との関係を終える手続き(お寺との関係整理)が発生することがあります。
事前に丁寧に相談しておくと、後のすれ違いを防げます。
また、お寺や霊園によっては決まった石材店がある場合もあるため、石材店を自分で選べるかどうかも早い段階で確認しておくと安心です。
連絡する順番はお寺が先、役所と石材店はその後
3つの窓口に連絡する順番には、押さえておきたい基本があります。
- お寺・霊園の管理者:墓じまいの相談と「埋葬証明書」の発行依頼
- 役所:改葬許可申請と改葬許可証の取得
- 石材店:墓石の撤去工事の依頼と日程の調整
最初に連絡するのはお寺・霊園の管理者です。
役所への改葬許可申請には、お寺や霊園が発行する「埋葬証明書」が必要になります。
つまり、お寺に相談して書類を用意してもらわないと、役所の手続きが進められないのです。
お寺を飛ばして役所へ行っても、必要な書類がそろわず手続きが止まってしまいます。
この順番は、お骨があってもなくても変わりません。
お骨がない状態であることを、それぞれの窓口に正直に伝えながら進めていくだけです。
墓じまい全体の進め方を最初から順番に確認したい方は、墓じまいの手続きはこれでOK|やるべき順番を最初から最後まで解説も合わせてご覧ください。
骨がないと伝えるだけで窓口は適切に案内する
「お骨がないなんて言ったら、変に思われないだろうか」「手続きを断られたりしないだろうか」。
そんな不安を抱えたまま、最初の一歩が踏み出せずにいる方は少なくありません。
しかし実際には、お寺・役所・石材店のどの窓口も、お骨がない状態での相談に慣れています。
特別な説明を用意する必要はなく、「お骨がないのですが」とそのまま伝えるだけで、その場で適切に案内してもらえることがほとんどです。
お寺に伝えるとき
お寺に墓じまいの意向を伝えるときは、お骨がない状態であることを正直に話して大丈夫です。
「骨壷を確認したところ、土しか残っていませんでした」と一言添えれば十分です。
お寺の方はこうしたケースを経験しており、埋葬証明書の発行について、お骨がない場合の扱いも含めて案内してくれます。
お寺への切り出し方や相談の進め方に不安がある方は、墓じまいの交渉のコツ|お寺と親族に角を立てない進め方に、伝え方の具体的な言い回しがまとまっています。
役所に伝えるとき
役所の窓口では、「お骨が残っていない状態なのですが、どのように申請すればよいですか」と伝えれば、その市区町村での進め方を担当の方が説明してくれます。
お骨が土に還っている場合は、残った土の一部をお骨として扱い、改葬許可申請を進める市区町村が多くあります。
書類の様式や対応の細かい部分は市区町村によって異なるので、窓口で直接確認するのが確実です。
説明の内容に疑問を感じたときは、納得できるまで遠慮なく聞き直して構いません。
石材店に伝えるとき
石材店には、墓石の撤去工事を頼むときに「お骨は残っていない状態です」と伝えるだけで構いません。
石材店の主な仕事は墓石の解体・撤去・整地で、お骨の有無によって工事の内容が大きく変わるわけではありません。
見積もりを頼むときに状況を正直に伝えておけば、話がスムーズに進みます。
各窓口への「最初の一言」例
- お寺へ:「先祖代々のお墓の墓じまいを考えています。骨壷を確認したら土しか残っていませんでした」
- 役所へ:「お骨が残っていない状態なのですが、改葬許可申請はどのように進めればよいですか」
- 石材店へ:「墓石の撤去をお願いしたいです。お骨は残っていない状態です」
迷わず動くために最初の一歩を決めておく
手続きの流れがわかった。
窓口への伝え方もわかった。
それでも、「では実際に何から始めればいいのか」という最後のところで止まってしまうことがあります。
「もう少し調べてから」「時間ができたら」と先送りになってしまう方も少なくありません。
迷わず動くために有効なのが、最初に連絡する窓口を1つだけ決めておくことです。
3つの窓口を一度に動かそうとする必要はありません。
まず1つ、無理のないときに連絡できる窓口を決めるだけで、墓じまいは動き出します。
最初の一歩はお寺への連絡が選びやすい
前の章で確認したとおり、墓じまいは「お寺への相談→役所での改葬許可申請→石材店への工事依頼」という順番で進みます。
最初に動くのはお寺で、ここへの連絡がほかのすべての手続きの起点になります。
お寺への最初の連絡は、電話1本でも構いません。
「先祖代々のお墓の墓じまいを考えているのですが、ご相談させていただけますか」という一言から始めれば十分です。
お骨がない状態であることは、この最初の電話で伝えても、実際に会って話すときに伝えても、どちらでも問題ありません。
役所への問い合わせから始める方法もある
お寺への連絡にためらいがある場合は、まず役所に問い合わせることから始める方法もあります。
「お骨がない状態で墓じまいをしたい場合、改葬許可申請はどのように進めればよいですか」と電話で聞くだけで、手続きの全体像と必要な書類を教えてもらえます。
実際に申請を進めるのはお寺への相談が終わってからになりますが、先に必要書類を把握しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
お骨を移したあとの納め先をどうするか迷っている方は、墓じまい後の納骨先はどこにする?6つの選択肢と費用・進め方で選択肢を整理しておくと、全体の見通しが立てやすくなります。
- まず決めるのは1つだけ:「お寺に連絡する」か「役所に電話で問い合わせる」か
- お寺に決めたら、最初の電話で「墓じまいを考えています」と一言伝える
- 役所に決めたら、「お骨がない状態での改葬許可申請の進め方」を聞く
まず1つの窓口に連絡して動き出そう
骨壷も遺骨もない状態でも、墓じまいができることはお伝えしてきたとおりです。
お骨があってもなくても、連絡する窓口は「お寺・役所・石材店」の3つ、そして「お寺が先、役所と石材店はその後」という順番は変わりません。
お骨がないことは、隠さず正直に伝えれば、どの窓口も適切に案内してくれます。
大切なのは、全体を一度に把握しようとしないことです。
まず決めるのは、「お寺に連絡する」か「役所に電話で問い合わせる」か、その1つだけで十分です。
最初の窓口に状況を正直に伝えれば、担当の方が次にすべきことを教えてくれます。
まずはその1つの連絡先を決めるところから、墓じまいは静かに動き出します。
骨がない状況に立ち止まっていた時間が、「次に何をするか」がはっきりした安心に変わるはずです。
らくサポでは、骨がない・骨壷がないという状況を含む墓じまいのご相談を、電話やLINEで承っています。
「この状況でも手続きが進められるか確認したい」という最初の一歩から、無理のないペースでご対応できます。
参考リンク:



