
墓じまいに60万円は本当?
相場の実態と費用の抑え方
【2026年6月更新】
「墓じまいに60万円かかった」と聞いて、本当にそんなにかかるの?と不安になり、思わず調べ始めていませんか。
「うちも同じくらいかかるのだろうか」「それは相場通りなのか、それとも高すぎるのか」「よくわからないまま払って、あとで損したと後悔したくない」。
そんな気持ちでこの記事にたどり着いた方は、決して少なくありません。
結論からお伝えします。
墓じまいの費用は、お墓の取り壊し・お寺へのお礼(離檀料)・遺骨の移転先(永代供養)・改葬許可などいくつかの項目の合計です。
内訳を項目別に確認すれば、60万円が高いのか適正なのかを自分で見極められるようになります。
60万円を超えるケースの多くは、お墓の取り壊し費用と永代供養代が重なったときです。
ただし、合計の金額を知るだけでは十分ではありません。
費用には「相見積もりや選び方で抑えられる項目」と「ほぼ固定の項目」が混ざっており、その区別を知らずに進めると、本来は抑えられたはずの出費をそのまま払ってしまうことがあります。
実際、過去のご相談でも「別の業者から改葬費用が150万ほど、更地にするのに30〜50万ほどと案内され、正直高いなと驚いている」というお声をいただいたことがあります。
一方で、相見積もりを取って「他社のほうが安かった」という方も少なくありません。
この記事では、費用の内訳と相場、60万円を超えやすい理由、相見積もりや納骨先の見直しで適正に抑える方法までを解説します。
読み終えるころには、60万円が適正かを自分で判断できるようになります。
この記事を読んで分かること
- 墓じまい費用の内訳と項目別の相場の目安
- 60万円を超える主な理由(撤去費+永代供養代)
- 相見積もり・納骨先の見直し・補助金で抑える方法
ぜひ最後までお読みください!
目次
墓じまいで60万円かかるケースと費用の全体像

費用は複数の項目を合計したもの
墓じまいの費用を「60万円」とひとくちに言っても、その内訳は複数の項目から成り立っています。
一つの業者やお寺に払う金額ではなく、関係するそれぞれの項目を積み上げた合計が、最終的な総費用になります。
主な項目は、次のとおりです。
- お墓の取り壊し・撤去にかかる工事費(石材店に依頼)
- お寺へのお礼(離檀料)
- 遺骨の移転先(永代供養)にかかる費用
- 改葬許可申請など行政手続きの実費
- 魂抜きなどの供養のお礼
これらがすべて重なる場合もあれば、お寺ではなく公営の墓地にある場合は離檀料がかからないなど、状況によって発生しない項目もあります。
大切なのは、「60万円」が何の合計なのかを知ることです。
一括で提示された金額の内訳を確かめないまま「高い」「安い」と判断するのは難しいからです。
60万円前後になるのはどんなとき?
60万円前後の費用が発生するのは、いくつかの条件が重なったときです。
とくに多いのが、お墓の取り壊し費用と、遺骨の移転先にかかる永代供養代が重なるケースです。
逆に、墓石が小さくアクセスのよい公営墓地にあり、移転先として合祀墓を選ぶ場合は、総額をぐっと抑えられることもあります。
60万円は、墓じまいの費用としては標準的な範囲のなかほどにあたります。
お墓の撤去・整地に、納骨先の費用や離檀料が一般的な水準で加わると、自然とこのくらいになるケースが多くみられます。
極端に高いわけでも安いわけでもないため、各項目が相場の範囲に収まっているかを確認することが、適正かどうかの判断につながります。
つまり60万円という金額そのものが「高い」「適正」と一概には言えず、内訳と条件しだいで大きく変わります。
まずは費用の全体像をつかんだうえで、各項目の相場を個別に確認していくことが、適正かどうかを見極める近道になります。
墓じまい費用の主な内訳と項目別の相場

墓じまいの費用は、大きく分けて「お墓の取り壊しと撤去」「お寺へのお礼(離檀料)」「遺骨の移転先(永代供養)」「改葬許可などの手続き」の4つの柱で構成されています。
それぞれの相場を項目別に把握しておくことが、提示された金額が適正かどうかを自分で判断する第一歩です。
主な内訳と相場の目安を、次の表にまとめました。
| 費用項目 | 相場の目安 |
|---|---|
| お墓の取り壊し・撤去工事 | 20万〜50万円(大型・難しい立地は70万円以上) |
| お寺へのお礼(離檀料) | 3万〜20万円(高額な事例もある) |
| 遺骨の移転先(永代供養) | 数万〜100万円超(納骨先の形式で大きく変わる) |
| 改葬許可など手続きの実費 | 無料〜数百円程度(書類取得費は別) |
| 魂抜きなどの供養のお礼 | お寺によって異なる |
お墓の取り壊しと撤去にかかる費用
墓じまいで最も費用の割合が大きくなりやすいのが、石材の撤去・解体・整地にかかる工事費です。
一般的な相場は1平方メートルあたり10万円前後が目安とされていますが、お墓の立地や墓石のサイズによって大きく変わります。
重機が入れる場所なら費用は抑えやすく、山の中や階段しかない場所など作業環境が厳しいほど高くなります。
目安としては、標準的な大きさのお墓で撤去・整地だけでも20万〜50万円程度かかるケースが多く、大型のお墓や難しい立地では70万円以上になることもあります。
この項目は石材店によって見積もり金額に差が出やすく、同じお墓でも依頼先しだいで数十万円単位で変わることがあります。
だからこそ、複数の石材店から相見積もりを取ることが有効です。
お寺へのお礼(離檀料)の目安
お寺の境内にお墓がある場合、お寺との檀家の関係を終えるにあたってお礼をお渡しするのが慣習です。
これが「離檀料」と呼ばれるものです。
離檀料に法律上の決まりはなく、金額はお寺との関係や地域の慣習によって異なります。
一般的な目安は3万〜20万円程度に収まるケースが多いとされますが、なかには「100万円を求められた」という事例も報告されており、幅はとても広いのが実情です。
離檀料は「お礼」の性格を持つもので、本来は支払いを強制されるものではありません。
ただしお寺との関係を円満に終えるためには、誠実な姿勢でやり取りすることが大切です。
相場や支払いの必要性については、墓じまいの離檀料はいくら?費用相場と払う必要性についても解説で詳しくまとめています。
遺骨の移転先(永代供養)にかかる費用
墓じまいをしたあとの遺骨をどこに移すかによって、費用は大きく変わります。
移転先の選び方は、墓じまい全体の費用に最も大きな影響を与える項目のひとつです。
主な選択肢と費用の目安は、次のとおりです。
- 合祀墓(ほかの方の遺骨と一緒に納める):数万〜10万円程度
- 納骨堂(屋内施設に個別または合同で納める):数十万〜100万円以上
- 樹木葬(樹木の下に埋葬する):数十万円程度が目安
- 海洋散骨(粉骨して海に散布する):数万〜20万円程度
合祀墓や海洋散骨を選べば費用を抑えられますが、一度合祀すると遺骨を取り出すことはできなくなります。
個別に安置したい場合は納骨堂や樹木葬が選択肢になりますが、費用は高くなります。
納骨先ごとの選択肢と費用は、墓じまい後の納骨先はどこにする?6つの選択肢と費用・進め方で詳しく比較できます。
改葬許可など手続きの実費
墓じまいには、行政への申請手続きが必要です。
現在のお墓から遺骨を取り出して別の場所へ移すには、お墓のある市区町村に改葬許可申請を行い、改葬許可証を取得します。
申請にかかる手数料は数百円程度のところが多く、この項目自体は費用としては小さい部分です。
ただし、手続きには戸籍謄本や埋葬証明書など複数の書類が必要になることがあり、取得にかかる実費や郵送費が別途生じる場合があります。
手続きの意味や全体の流れは、墓じまいの改葬って何?言葉の意味と手続きの進め方を解説で確認できます。
費用が60万円を超えやすい理由
費用の内訳と各項目の相場を把握したら、次に気になるのは「なぜ60万円を超えてしまうのか」という点です。
項目ごとの相場だけを見るとそれほど高くならないように思えても、条件が重なることで合計が膨らみやすい構造があります。
撤去費用と永代供養代が重なると60万円に近づく
墓じまいの費用が60万円前後になる最も多いパターンは、お墓の取り壊し・撤去費用と、遺骨の移転先にかかる永代供養代が重なるケースです。
たとえば、標準的な大きさのお墓の撤去・整地に20万円、離檀料とお礼に15万円、そして納骨堂への永代供養に25万円がかかったとします。
この3つを合計するだけで60万円になります。
それぞれの項目は単独では受け入れられる金額でも、合計すると一気に大きな数字になるのが、墓じまいの費用構造の特徴です。
次の表は、60万円になる費用の一例です。
| 費用項目 | 金額の一例 |
|---|---|
| お墓の取り壊し・撤去 | 20万円 |
| お寺へのお礼(離檀料)・供養のお礼 | 15万円 |
| 納骨堂への永代供養 | 25万円 |
| 合計 | 60万円 |
一括で提示された金額だけを見ると判断がつきにくいですが、項目ごとに分解すれば、どこが相場の範囲内でどこが高いのかが見えてきます。
お寺へのお礼が高くなるケース
撤去費用や永代供養代に加えて、お寺へのお礼が高くなると、合計はさらに膨らみます。
長年にわたって深い関係を築いてきた由緒あるお寺や、格式の高いお寺の場合、慣習として高めのお礼が求められることがあります。
また、墓じまいに際して複数回の法要や供養のお礼が加わると、それだけで数十万円単位の出費になることもあります。
費用の全体像や永代供養の考え方は、墓じまいと永代供養の違いとは?意味・手順・費用と選び方を解説もあわせてご覧ください。
お寺へのお礼(離檀料)の実態と考え方
墓じまいの費用のなかで、最も「よくわからない」「不安」という声が多いのが離檀料です。
お墓の取り壊し費用は工事費として根拠をもとに比較できますが、離檀料は金額の根拠が見えにくく、場合によっては高額を求められることもあります。
だからこそ、事前に実態を知っておくことが大切です。
離檀料に決まった金額はない
離檀料は、法律や規則で定められた費用ではありません。
あくまでもお寺との関係を終えるにあたって渡す「お礼」であり、支払いを法的に強制されるものではないのが実態です。
一般的な目安は3万〜20万円程度ですが、地域やお寺との関係によって幅があります。
金額に明確な決まりがないからこそ、相場の目安を知っておくことが、落ち着いて向き合うための支えになります。
高額に感じたときの落ち着いた対応
もしお礼の金額を高いと感じても、その場で即答する必要はありません。
一度持ち帰り、根拠を確かめてから考えることができます。
落ち着いて対応するための要点を、次にまとめます。
離檀料で覚えておきたい3つのこと
- 法律で決まった金額はなく、お礼の性格を持つ
- 一般的な目安は3万〜20万円程度
- 高いと感じたら即答せず、一度持ち帰って確かめる
感情的に反発したり、逆に言われるまま応じたりすると、後悔につながることがあります。
お寺との関係を円満に保ちながら進めるための具体的な伝え方は、墓じまいの交渉のコツ|お寺と親族に角を立てない進め方で解説しています。
相見積もりと納骨先の見直しで費用を抑える
費用の内訳と相場を把握したら、次は実際に費用を適正な水準に抑える段階です。
特に効果が大きいのが「相見積もり」と「納骨先の見直し」の2つです。
どちらも難しい手続きではなく、少しの手間で大きな差につながります。
複数の石材店に相見積もりを取る
撤去・整地の工事費は、石材店によって金額に幅があります。
同じ条件のお墓でも、依頼先によって数万〜数十万円単位の差が出ることは珍しくありません。
一社だけの見積もりでは、その金額が高いのか適正なのか比べる手段がなくなってしまいます。
基本は、少なくとも2〜3社に同じ条件で見積もりを依頼し、金額と作業内容の両方を比べることです。
相見積もりを取る前に確かめておきたい点もあります。
相見積もりを取る前に確かめたいこと
- お寺が石材店を指定していないか(指定があると比較できない場合がある)
- 区画の面積・墓石の高さ・霊園までのアクセス
- 同じ条件で2〜3社に依頼して比べる
相見積もりを中心とした費用の抑え方は、墓じまいの費用相場は?内訳と安く抑える方法を解説でも詳しくまとめています。
永代供養は合祀墓や海洋散骨で費用を抑えられる
納骨先の選び方は、墓じまいの総費用に最も大きな影響を与えます。
同じ人数の遺骨でも、どの納骨先を選ぶかによって費用が数十万円単位で変わることがあります。
個別区画のある納骨堂を選ぶと永代供養代だけで数十万〜100万円を超えることもありますが、合祀墓や海洋散骨を選べば、数万〜数十万円程度に抑えられます。
費用を優先するなら合祀墓や海洋散骨、個別に手を合わせたいなら納骨堂や樹木葬、というように、優先したいことを家族で話し合って選ぶと絞りやすくなります。
ただし合祀墓は一度納めると遺骨を取り出せないため、家族で十分に相談してから決めることが大切です。
補助金が使える自治体は限られる(公営墓地が中心)
費用を抑える手段として補助金を期待される方は多いですが、現時点で墓じまいの補助金制度を設けている自治体はごく一部です。
補助の対象になりやすいのは、公営墓地・市営霊園の整理や返還、過疎地域・離島の墓地の集約、自治体が管理する無縁墓地の整備など、公的な墓地に関わるケースが中心です。
民間のお寺や私有地のお墓に補助金が出るケースは非常に限られており、そもそも補助制度がない自治体がほとんどです。
確実なのは、お墓がある市区町村の窓口(担当課)に直接問い合わせることです。
電話一本で確認でき、制度がなければその場で分かります。
インターネットの情報だけに頼らず、必ず直接確認することをおすすめします。
補助金の調べ方や代わりの方法は、墓じまいの補助金は本当にある?確認方法と代替策を解説で詳しく解説しています。
補助金が使えない場合でも、相見積もりと納骨先の見直しを組み合わせれば、費用を大きく抑えることは十分に可能です。
内訳を確かめ、相見積もりと納骨先の見直しを始めよう
ここまで、墓じまい費用の内訳と項目別の相場、60万円を超えやすい理由、離檀料の実態、そして費用を適正に抑える方法を順にお伝えしてきました。
墓じまいの費用は「ひとつの金額」ではなく、お墓の取り壊し・お寺へのお礼(離檀料)・遺骨の移転先(永代供養)・改葬許可などの合計です。
項目ごとに把握すれば、「60万円が高いのか適正なのか」を自分で見極められます。
費用を抑えるためにできることは、大きく分けて2つです。
複数の石材店に同じ条件で相見積もりを取って比べること。
そして、納骨先を合祀墓や海洋散骨も含めて見直すこと。
補助金は公営墓地が中心でごく一部の自治体に限られますが、まずは窓口で確認してみるとよいでしょう。
「よくわからないまま払って損したくない」という気持ちは、決して後ろ向きなものではありません。
内訳を確かめ、相見積もりを取り、納骨先を見直すことは、適正な費用で納得して進めるための正当な手順です。
あなたの墓じまいが、納得のいく形で進みますように。
まずは費用の内訳を項目別に整理するところから、相見積もりと納骨先の見直しを始めてみませんか。
参考リンク:


