墓石の写真

【2026年6月更新】

「墓じまいをして合葬墓に納めるって聞くけれど、合葬と合祀って何が違うの」。

そんな素朴な疑問から、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

田舎にある先祖代々のお墓を守り続けるのは、思った以上に大変です。

年に何度かの帰省、長時間の移動、草むしりやお布施の準備。

義理のご両親が高齢になってこられたなら、なおさら「このお墓、これからどうしよう」という不安がよぎります。

お子さんがいないご夫婦なら「自分たちの代で決めなければ」という重みも、ひとりで抱えていらっしゃるかもしれません。

先にお伝えしたい結論があります。

先祖代々のお墓を合葬墓へ移すことは、ご先祖様を粗末にすることではなく、ご先祖様の供養とご家族の安心を両立できる、前向きで現実的な選択です。

ただし、ひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。

費用や手続きの知識を集めただけでは、ご家族はなかなか前に進めません。

実際、調べものは十分なのに、義理のお母さまや義妹さんへの切り出し方が決まらず、何年も先送りになってしまう方は少なくありません。

この記事は、そんな「あと一歩」をそっと後押しするための道案内です。

費用や手続きの知識と、ご家族への「伝え方」がセットで準備できて初めて、合葬墓という選択肢は現実のものになります

この記事を読んで分かること

  • 合葬・合祀・合葬墓の違いと、永代供養としての位置づけ
  • 費用の目安(1人5万〜30万円)と必要な3つの書類
  • 義母・義妹に揉めずに切り出すコツと、家族で相談を始める進め方

ぜひ最後までお読みください!

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合葬墓は家族の負担をなくす前向きな選択肢です

「ご先祖様のお墓を、自分たちの代でしまってしまっていいのだろうか」。

合葬墓を調べ始めたとき、多くの方が最初にぶつかるのが、この心の引っかかりではないでしょうか。

長年大切にされてきたお墓だからこそ、軽い気持ちで決められないというお気持ちは、とても自然なものです。

けれど、少しだけ視点を変えてみてください。

お墓を守るとは、本来「ご先祖様に手を合わせる場所を、絶やさず未来へ繋いでいく」ことのはずです。

遠方まで足を運べない、掃除に行けない、お参りに来る人がいなくなる——そんな状態のままお墓を残し続けることが、本当に供養になるのか。

そう問い直すと、合葬墓という選択肢が違って見えてきます。

合葬墓は、お寺や霊園が責任を持って永代にわたり供養を続けてくれるお墓です。

後を継ぐ人がいなくなっても、お線香が絶えることはありません。

お盆やお彼岸には読経をあげてくださる施設も多く、ご家族が遠方にいても「ご先祖様はきちんと供養されている」という安心が続きます。

誰も訪れない田舎のお墓を「そのままにしておく」状態とは、まったく違う未来です。

そして、お子さんがいらっしゃらないご夫婦には、特別な意味があります。

ご先祖様を納めた同じ場所に、いずれご自分たち夫婦も入れる施設が多いのです。

「先祖代々のお墓をどうするか」という今の悩みと、「自分たちのあとは誰が」という終活の悩みを、ひとつの答えで同時に解決できる。

これは合葬墓ならではの安心材料です。

次の見出しから、よく似ていて混乱しやすい「合葬」「合祀」「合葬墓」の違いを、やさしく紐解いていきます。

合葬・合祀・合葬墓の違いをやさしく解説します

「合葬」「合祀」「合葬墓」——よく似た言葉が並んで、調べるほど混乱してくる、というお声をよく耳にします。

実はこの3つは、意味する範囲が少しずつ違うだけで、根っこはつながっています。

言葉 意味
合葬(がっそう) 複数の方のお骨を一つの場所に一緒に納める「行為」
合祀(ごうし) 複数のご先祖様を一つにまとめて「お祀りする」こと
合葬墓・合祀墓 合葬・合祀を行うための「お墓そのもの」

「合葬墓」と「合祀墓」はどちらも基本的に同じものを指し、お寺や霊園によって呼び方が違うだけです。

「永代供養墓」「共同墓」「合同墓」と呼ばれることもありますが、共通点は「個別のお墓を持たず、お寺や霊園が永代にわたって供養を続けてくれる形式」だという点です。

ここで大切なポイントを一つ。

一般的な合葬墓では、納骨の際にお骨を骨壺から取り出し、他の方のお骨と一緒に直接埋葬する形式が多く、これが「一度納めると取り出せない」と言われる理由です。

骨壺のまま一定期間(13年・33年など)安置してから合葬するタイプもあるので、検討時は「いつから合葬されるのか」を確認すると安心です。

ご家族へ説明されるときは、難しい言葉を使わず「みんなで一緒に永代にわたって供養していただけるお墓があるんだって」とお話しいただくだけで十分伝わります。

「永代供養」という言葉なら一度は耳にされたことがあるはずですから、そこを入り口にすると会話が始めやすくなります。

言葉の違いが整理できたところで、次は多くの方が気になる「いくらかかるの」というお金の話を見ていきます。

合葬墓の費用は1人5万〜30万円が相場の目安です

「合葬墓に移すと、結局いくらかかるの」。

先にざっくりお伝えすると、合葬墓の費用は1人あたり5万円〜30万円ほどが一般的な相場です。

墓じまいの費用と合わせても、トータルで100万円以内に収まるケースが多く見られます

「思っていたより現実的な金額かも」と感じられた方も多いのではないでしょうか。

合葬墓そのものにかかる費用は「永代供養料」と呼ばれ、お寺や霊園が永代にわたって供養を続けてくださることへの対価として、最初に一度だけお納めします。

都心や有名なお寺は高め、地方の公営霊園は比較的お手頃な傾向です。

先祖代々のお墓に複数のご先祖様が眠っている場合も、「○名まで一律」「○柱目から割引」という施設もあり、人数分すべて満額とは限りません。

合葬墓に移すまでの「墓じまい」費用の主な内訳は、次のとおりです。

項目 費用の目安
お墓の解体・撤去工事(1平米あたり) 10万〜15万円ほど
魂抜きのお布施 3万〜5万円ほど
お骨の取り出し(1柱あたり) 3万〜5万円ほど
書類取得・郵送費 数千円ほど

これらを合計すると、墓じまいだけで20万〜80万円ほどの幅になります

先祖代々のお墓は区画が広く墓石も大きいことが多いので、解体費用はやや高めになりがちです。

永代供養料と合わせると、おおよそ40万〜100万円ほどに収まるご家庭が多く、100万円以内に抑えたいというご希望は無理のない目標といえます。

費用を抑えるコツもお伝えします。

  • お骨を納める合葬墓を「公営霊園」から探す(永代供養料が手頃。ただし抽選のことも)
  • 墓じまいと合葬墓の手配を同じ窓口にまとめて依頼する(書類・日程がスムーズ)
  • 墓石の解体は2〜3社から見積もりを取って比べる

「予算に収まりそう」という見通しが立つと、ご家族との話し合いも前向きに進めやすくなります。

次は、実際の手続きの流れと必要書類を見ていきます。

合葬墓へ移す手続きの流れと必要な書類をまとめます

手続きと聞くと身構えてしまいますが、順を追えば決して難しくありません。

先祖代々のお墓を合葬墓へ移すまでの大きな流れは、次の7手順です。

  1. ご家族・親族と話し合い、合意を得る
  2. 新しい納め先(合葬墓)を決める
  3. 今のお墓の管理者(お寺・霊園)に墓じまいの意向を伝える
  4. 必要書類を集め、市区町村役場で「改葬許可申請書」を取得する
  5. 魂抜きの法要を行い、お骨を取り出す
  6. 墓石の解体・撤去工事と区画の整地を行う
  7. 合葬墓にお骨を納める(納骨式)

一つひとつは数日〜数週間で進む作業で、全体では動き始めてから3か月〜半年ほどを見ておくと余裕を持って進められます。

もっとも大切なのは最初の「ご家族・親族との話し合い」です。

手続きは後からどうにでもなりますが、気持ちのすれ違いはあとから修復するのが難しいもの。

お寺へ伝える際は、突然「やめます」ではなく「事情があって、永代供養できる場所に移させていただきたい」と感謝とともに。

お寺との関係を解消する際のお礼が発生することもあり、相場は5万〜20万円ほどです。

お骨の引越しに必要な3つの書類

お骨を別の場所へ移すには、法律で「改葬許可申請書」という書類が必要です(墓地、埋葬等に関する法律)。

お骨の引越しに必要な3つの書類

  • 改葬許可申請書:今のお墓がある市区町村役場でもらう(自治体のホームページからダウンロードできることも)
  • 埋葬証明書:今のお墓の管理者(お寺・霊園)に発行してもらう
  • 受入証明書(使用許可証):新しい納め先の合葬墓の管理者に発行してもらう

この3つを揃えて市区町村役場に提出すると「改葬許可証」が発行されます。

これが、お骨を取り出して新しい場所へ納めるための「お骨のパスポート」になります。

気をつけたいのは、改葬許可申請書は「今のお墓がある市区町村」で取得する点です(ご自分の住所地ではありません)。

遠方なら郵送対応の自治体もあるので、まずはお墓のある自治体に電話で確認を。

ご先祖様が複数眠っている場合はお一人ずつ申請書が必要なことが多く、書式も自治体ごとに違うので、お墓のある役場の窓口で確認しておくと安心です。

書類が揃ったら、魂抜きの法要、お骨の取り出し、墓石の撤去、合葬墓への納骨と進みます。

工事や法要の段取りは、墓じまいに慣れた専門業者に相談すると、書類の代行も含めてまとめてお願いでき、ご自分の負担を大きく減らせます。

次は、合葬墓を選ぶ前に知っておきたいメリットと「取り出せない」注意点を、正直にお話しします。

合葬墓のメリットと「取り出せない」注意点

「合葬墓、わが家にも合っているかも」と感じ始めている方へ。

決断の前に、良い面と、後悔につながりやすい注意点の両方を知っておいてください。

合葬墓の主なメリットは、永代にわたって供養が続く安心感、お墓の維持管理からの解放、費用が抑えられること、そしてご自分たち夫婦も将来同じ場所に入れる施設が多いことです。

一般のお墓を新しく建てると100万〜300万円ほどかかりますが、合葬墓なら墓じまい費用と合わせても100万円以内に収まることが多く、経済的な不安も和らぎます。

永代供養墓・樹木葬・納骨堂などほかの納め先と迷われている方は、樹木葬と納骨堂の違い|費用・お参り・承継のポイントもあわせてご覧ください。

ただし、ここからの注意点は、メリット以上にしっかり心に留めておいてください。

最大の注意点は、一度合葬墓に納めると、原則としてお骨を取り出せないことです。

他の方のお骨と一緒に直接埋葬するため、「○○家のお骨だけをあとから取り出す」ことが物理的にできなくなります。

具体的には、次のようなことができなくなります。

  • 「やっぱり別のお墓に移したい」と思っても移せない
  • 将来お子さんやお孫さんが新しくお墓を建てたいと思っても移せない
  • 親族から「やっぱり個別のお墓に戻したい」と声が出ても戻せない

合葬墓は、その意味で「最終的な納め先」です。

後戻りができない決断だからこそ、ご家族全員で十分に話し合い、納得したうえで進めていただきたいのです。

このほか、施設によっては最初の数年〜数十年は骨壺のまま個別安置し、その後に合葬する形式もあります。

「すぐ合葬されるのは抵抗がある」方は、こうした「個別安置期間あり」の施設を選ぶと安心です。

宗派を問わない施設が多い一方、特定宗派限定の施設もあるので、先祖代々のお墓と宗派が違う場合は事前確認を。

また、個別の墓石に手を合わせる形ではなくなるため、お参りの形が変わる点も心に留めておきたいところです。

注意点を聞いて「ちょっと迷うな」と感じられたなら、それはご先祖様を大切に思うお気持ちの表れです

大切なのは、両方を知ったうえでご家族と「わが家にとっての最善」を選ぶこと

いよいよ最後のハードル——義理のお母さまや義妹さんに、この話をどう切り出すか。

次でお話しします。

義母・義妹に揉めずに切り出すコツと伝え方のポイント

費用も手続きも整理できた。

あとは、義理のお母さまや義妹さんにどう切り出すか——。

ここが一番気が重い、というお声を本当によく聞きます。

お墓の話はご家族の歴史に関わるため、伝え方ひとつで、同じ「ご先祖様を大切にしたい」という気持ちが思わぬすれ違いを生むことがあります。

揉めずに、ゆっくり家族の合意を作っていくコツをお伝えします。

親族に切り出す5つのコツ

親族に切り出す5つのコツ

  • 最初から結論を言わない:「合葬墓に移そうと思う」ではなく「お墓のことで最近悩んでいて」と”悩み”から始める
  • 「合葬」という言葉をいきなり使わない:「永代供養してもらえるお墓があるらしいの」と柔らかい言葉から
  • 「自分たち夫婦も一緒に入るつもり」と早めに伝える:受け止め方がまったく変わる
  • 「決めて」ではなく「一緒に考えて」と問いかける:相手が「自分も関わった」と感じられる
  • 一度の話し合いで結論を出そうとしない:帰省や電話のたびに、少しずつ気持ちを近づける

たとえば最初の一言は、「最近お墓のことを考えるようになって……。この先お墓参りに行ける回数も減りそうで、ご先祖様に申し訳ないなと思っているんです」くらいの”悩み”から。

本音から始めると、相手も「私も実は気になっていた」と心を開いてくださることが多いものです。

「急かさない」ことは、ご親族への何より大きな思いやりです。

もし義母さまの判断能力に不安がある場合は、デリケートな問題ですので、義妹さんやご主人のご兄弟と相談しながら、「お義母さんの気持ちも大切にしながら、私たちで決めていきましょう」という姿勢で関わると、後々のご家族関係にとっても安心です。

ご家族とお墓の話をするのは、勇気がいることです。

でもその勇気が、ご先祖様にとっても、ご家族にとっても、未来の安心につながっていきます。

言葉を心を込めて選ばれること自体が、ご先祖様を大切に思う気持ちの何よりの表れなのですから。

義母・義妹に切り出して家族で合葬墓を選ぶ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

先祖代々のお墓を合葬墓へ移すことは、ご先祖様を粗末にすることでも、家族の歴史を断ち切ることでもありません。

これから先もずっとご先祖様を供養し続けるための、前向きで現実的な選択です。

この記事では、合葬・合祀・合葬墓は呼び方が違っても基本は同じであること、費用は1人5万〜30万円・墓じまいと合わせて100万円以内が目安であること、「改葬許可申請書」など3つの書類で手続きが進むこと、永代供養や負担軽減というメリットと「一度納めると取り出せない」注意点があることをお伝えしました。

知識が整った今、次にしていただきたい一歩は、たった一つです

義理のお母さま、義妹さん、ご主人——どなたか一人に「お墓のことを考えていて」と切り出してみてください

結論を出す必要はありません。

「永代供養というものがあるらしいよ」、その一言からご家族の対話が始まります

一度の会話で決めようとせず、帰省や電話のたびに、少しずつお気持ちを重ねていきましょう。

費用や手続き、ご家族への伝え方で迷われたときは、お一人で抱え込まず、らくサポにお声をかけてみませんか。

ご先祖様への感謝と、ご家族の未来の安心。

その両方を大切にできる道は、きっとあります。

ゆっくり、ご家族のペースで進めていけます

参考リンク:

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