
墓じまいのお布施はいくら包む?
相場・マナー・渡し方を徹底解説
【2025年10月更新】
「墓じまいをするとき、お寺へのお布施はいくら包めばいいの?」
「“お気持ちで”と言われても、具体的にいくらなのかわからない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
墓じまいでは、僧侶に閉眼供養(魂抜き)などの読経をお願いする際に「お布施」が必要になります。
しかし、明確な金額の決まりがないため、相場やマナーを知らないまま進めてしまうと、
「金額が少なすぎたかも」「渡し方を間違えたかも」と不安になる方も少なくありません。
この記事では、
- 墓じまいのお布施の費用相場
- 「お気持ち」と言われたときの金額の考え方
- 封筒や表書きなどの正しいマナー
- 実際に渡すタイミングと注意点
を、初めての方にもわかりやすく解説します。
読み終えるころには、
「自分のケースではいくら包めばよいか」「どんな渡し方をすれば失礼にならないか」が明確になり、
安心して供養を進められるようになります。
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この記事を読んで理解できること
- 墓じまいのお布施の費用相場
- 「お気持ちで」と言われた時の考え方
- お布施を包む時のマナー(封筒の書き方)
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目次
お布施とは?意味と目的をわかりやすく解説
お布施とは、僧侶に対して読経や供養をお願いしたときに渡す「感謝の気持ち」を表す謝礼です。
本来は“料金”ではなく、「供養してもらうことへのお礼」「仏様への奉納」といった宗教的な意味合いを持っています。
そのため、「決まった金額がない」「お気持ちで構いません」と言われることも多く、
お寺や宗派によっても考え方や金額の目安が異なります。
結局いくら渡せば良いのかは、こちらでも解説しますが、
お布施は“取引”ではなく、“感謝と供養の心を表すモノ”として渡すのが本来の形です。
お布施を渡すのはどんな場面?(僧侶読経・供養・納骨時など)
墓じまいでお布施を渡す主なタイミングは、以下のような場面です。
- お墓撤去の時(閉眼供養・魂抜き):今のお墓から魂を抜くとき
- 再納骨の時(開眼供養):新しいお墓や納骨堂で魂を迎えるとき
これらはすべて「僧侶にお願いして読経をしてもらう場面」であり、
感謝の意味を込めてお布施を包むのが一般的です。
なお、墓じまい業者に依頼する場合は、僧侶の手配を含むプランもあります。
その場合は業者側でお布施をまとめて支払うこともあるため、事前に確認しておきましょう。
墓じまいのお布施の相場はいくら?
墓じまいで僧侶にお渡しするお布施の金額は、明確な決まりがありません。
それだけに、「少なすぎたら失礼かな」「いくら包めばいいの?」と悩む方が多いところです。
ここでは、全国的な平均相場と、宗派・地域による違い、そして「お気持ちで」と言われたときの考え方を分かりやすく紹介します。
お布施の相場は2万円〜5万円が目安
墓じまいにおける閉眼供養(魂抜き)の読経料としてのお布施は、
一般的に 2万円〜5万円前後 が全国平均の目安です。
一方、開眼供養(魂入れ)もあわせて行う場合には、合計で 5万円〜10万円程度 を包むケースが多く見られます。
もし僧侶が遠方から来られる場合は、別途「お車代」や「御膳料」を包むのが一般的です。
(お車代:5,000〜10,000円前後/御膳料:5,000円前後)
複数の供養を依頼する場合の費用例(閉眼+開眼供養など)
墓じまいの際に「今あるお墓の閉眼供養」と「新しい納骨先の開眼供養」を同時に行う場合、
それぞれにお布施が必要になるのが一般的です。
以下は一例です。
| 内容 | 相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 閉眼供養(魂抜き) | 2〜5万円 | 墓じまい時に実施 |
| 開眼供養(魂入れ) | 2〜5万円 | 新しい納骨先で実施 |
| 合計 | 5〜10万円前後 | 両方依頼する場合 |
墓じまいと新しいお墓(永代供養)を同じお寺でする場合は、
2つの儀式をまとめて行い、「合計で5万円程度」で対応してくれることもあります。
まずは墓じまいの相談段階で「閉眼と開眼を同時にお願いしたい」と伝えておくとスムーズです。
お寺との付き合いの長さによる違い
同じ「墓じまい」であっても、お寺とのお付き合いの長さによって金額が変わることがあります。
長年お世話になっている場合
- お付き合いのあるお寺(菩提寺)に長年お世話になっている場合
- お寺の維持や法要への感謝も含めて、やや多めに包みましょう(5万円前後)
「お気持ちで」と言われたときの考え方と金額の決め方
僧侶から「お気持ちで結構です」と言われると、かえって悩んでしまうものです。
そんなときは、平均相場+お世話になった度合いで考えると失礼がありません。
例)たとえば、以下の通りに考えましょう。
- 初めてお願いする場合:3万円前後
- 長年お世話になった菩提寺の場合:5万円程度
大切なのは、「いくら包むか」よりも「感謝の気持ちを丁寧に伝えること」。
そのため、金額に迷ったら僧侶やお寺に率直に確認しても失礼ではありません。
お布施以外にかかる費用にも注意
墓じまいでは「お布施」以外にも、僧侶に対してお渡しする費用があります。
当日になって慌てないように、あらかじめどんな費用が必要なのかを把握しておきましょう。
御車代・戒名料・御膳料の目安
お布施のほかに代表的な費用として挙げられるのが、戒名料・お車代・御膳料です。
| 御車代(おくるまだい) | 僧侶が現地まで来て読経を行う場合の交通費です。 自家用車・電車などの移動費を含め、5,000円〜10,000円前後 が目安です。 |
| 戒名料(かいみょうりょう) | 新たに戒名を授かる場合にお寺へお渡しする費用で、 墓じまいした後に改葬や永代供養を行う際に発生することがあります。 一般的な相場は 3万円〜10万円前後 です。 |
| 御膳料(ごぜんりょう) | 本来は供養後に僧侶へお食事をお出しするお礼として渡すもので、 最近では食事の代わりに5,000円程度を包むのが一般的です。 |
お布施との合計でどのくらい用意すべきか
墓じまいで閉眼供養(魂抜き)だけを行う場合は、
お布施+お車代をあわせて 3万円〜6万円程度 を目安に考えておくと安心です。
もし閉眼供養と開眼供養を両方依頼する場合は、
合計で5万円〜10万円前後を目安に考えておきましょう。
金額に幅がありますが、あくまで「感謝の気持ちを込めて包む」ものです。
無理に高額にする必要はありません。
業者を通して依頼すると金額がわかりやすい
最近では、墓じまい業者や石材店が僧侶を手配するサービスも増えています。
この場合は、お布施やお車代がセット料金に含まれていることが多いです。
たとえば、
- 「僧侶手配+読経+閉眼供養」込みで 一律3万円〜5万円前後
というプランがあります。
別途包む必要がないため、費用が明確でわかりやすいのがメリットです。
ただし、寺院付き合いのある場合や菩提寺にお願いする場合は、
従来どおり現金でお布施を包むのが基本です。
どちらの方法を選ぶにしても、事前に「お布施は別途必要ですか?」と確認しておくことで、
予算の見通しが立てやすくなります。
お布施の正しい渡し方・マナー
お布施は「供養をお願いするお礼の気持ち」を形にしたものです。
そのため、金額の多寡よりも 渡し方やマナーの丁寧さ が大切です。
ここでは、封筒の選び方から表書き、渡すタイミングまでを分かりやすく解説します。
封筒の種類(白封筒)
お布施には、のしの無い白無地の封筒を使用します。

※「黒白の水引」は葬儀専用、「赤白の水引」は慶事用なので使わないよう注意しましょう。
封筒の裏面には、氏名・住所・金額を記載しておくと受け取る側にも丁寧な印象を与えます。
表書きの書き方(例:「御布施」「御経料」など)
表書きは、宗派や場面によって異なりますが、一般的には以下のように書きます。
| 使用場面 | 表書き例 | 備考 |
|---|---|---|
| 読経・供養全般 | 御布施 | 最も一般的 |
| 法要や読経への謝礼 | 御経料 | 「お経へのお礼」という意味 |
| 僧侶の交通費 | 御車代 | 封筒を分けて渡す |
| 食事代の代わり | 御膳料 | 封筒を分けて渡す |
筆記は、毛筆または筆ペンで楷書が基本的な書き方です。
どうしても用意が難しい場合は、黒インクのサインペンでも問題ありません。
新札か旧札か?入れ方と金額の記載
お布施に入れるお札は、新札を使うのが基本です。
「相手への敬意を込めて準備した」という気持ちが伝わります。
ただし、葬儀(お通夜・告別式)では旧札が一般的ですが、
墓じまいの供養や法要では新札でも失礼にあたりません。
お札の入れ方は以下の通りです。
- お札の人物の顔を上に・封筒の表面側に向けて入れる
- 複数枚入れる場合は向きを揃える
- 金額は封筒に直接書かず、必要に応じて裏面に「金〇〇円」と記す程度でOK
渡すタイミング(供養の前 or 後)と渡し方のマナー
お布施を渡すタイミングは、基本的に 供養の前後どちらでも問題ありません。
ただし、地域やお寺によって習慣が異なるため、迷ったときは「どちらのタイミングがよろしいですか?」と確認するのが確実です。
一般的なマナーは以下の通りです。
- 供養の前に渡す場合: 「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と言葉を添えて渡す。
- 供養の後に渡す場合: 「本日はお忙しい中ありがとうございました」とお礼を述べて渡す。
渡す際は、封筒をむき出しではなく、お盆やフクサ(袱紗)に包んで差し出すとより丁寧です。
もし、フクサがない場合は、清潔なハンカチや白い封筒カバーでも構いません。
高額なお布施を求められたときの対処法
僧侶から、墓じまいのことを相談した時、
「思っていたよりもお布施が高い…」と戸惑いや不安を感じる方は少なくありません。
しかし、慌てて断ったり、感情的に反応したりする必要はありません。
まずは冷静に確認し、適切な方法で対応することが大切です。
一般的な金額と大きく違う場合の確認ポイント
まず確認すべきは、そのお布施の金額がどんな理由で提示されたのかです。
たとえば、以下のような要因で金額が変わることがあります。
- 閉眼供養だけでなく、開眼供養・納骨供養など複数を依頼している
- 永代供養料や管理費がお布施に含まれている
- お寺の維持費(護持会費など)がまとめて請求されている
これらに該当する場合は、単なる「お布施」ではなく、複数の費用が合算されていることがあります。
そのため、提示された金額が相場より高く見えても、必ずしも不当とは限りません。
もし説明がないまま高額なお布施を求められた場合は、
「こちらの金額にはどのような内容が含まれていますか?」と、丁寧に理由を確認することが第一歩です。
寺院との付き合い方・断り方のマナー
お布施はあくまで「お気持ち」ですが、寺院によっては暗黙の相場がある場合もあります。
無理のない範囲で感謝を伝えつつ、誠実に対応しましょう。
断る・相談する際のポイントは次の通りです。
- いきなり「高すぎます」と言うのではなく、「実は予算の都合で、もう少し抑えた形にできないかご相談したいのですが…」と控えめな言葉で切り出す
- 長年のお付き合いがあるお寺の場合は、「今後もお付き合いを大切にしたいので、無理のない範囲でご対応いただけると助かります」と添える
- 電話や直接の会話で難しい場合は、書面やメールで丁寧に伝えるのも一つの方法
誠実な姿勢で伝えれば、ほとんどのお寺は理解を示してくれます。
業者・第三者を通して相談する方法
どうしても直接言いづらい、あるいは話がこじれそうな場合は、
墓じまい業者、弁護士など第三者に相談するのも有効です。
特に最近は、以下のような相談窓口も増えています。
- 墓じまい専門業者:僧侶手配やお布施の相場のアドバイスをくれる
- 弁護士・終活アドバイザー:契約や金銭トラブルに関する中立的なアドバイスをくれる
- 自治体・消費生活センター:不当請求やトラブルの際の相談が可能
また、僧侶派遣サービスを利用すれば、
あらかじめ「お布施一式込みで定額(例:35,000円)」という形で依頼できるため、
金額面のトラブルを避けやすくなります。
お布施を渡さないケースはある?
「墓じまいのとき、必ずお布施を渡さないといけないの?」
そう疑問に思う方も少なくありません。
実は、すべてのケースでお布施が必要というわけではなく、
供養の方法や依頼先によっては「不要」または「料金に含まれている」こともあります。
ここでは、その代表的な3つのケースを解説します。
永代供養・合同供養の場合のお布施の扱い
お墓じまい後に永代供養墓や合同供養墓へ遺骨を移す場合、
供養費用の中にお布施が含まれていることが多くあります。
永代供養墓では、寺院や霊園が定期的に供養を行うため、
「永代供養料」という形で将来分のお布施を一括で納める仕組みになっています。
たとえば、以下のような内容がセットになっています。
| 内容 | お布施に含まれる項目 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 永代供養料 | 供養読経・納骨・管理費 | 10〜30万円 |
| 合同供養墓 | 合同法要・納骨料・供養費 | 5〜15万円 |
このような場合、個別にお布施を渡す必要はありません。
ただし、納骨式や個別読経を別途お願いする場合は、その際にお布施を包むのが一般的です。
僧侶派遣サービスを利用する場合の相場
最近では「僧侶派遣サービス」を利用する方も増えています。
このサービスでは、あらかじめ読経料・お布施・お車代・御膳料がすべて込みの定額プランになっており、
追加でお布施を包む必要はありません。
代表的なサービス内容は以下の通りです。
| サービス内容 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 閉眼供養(魂抜き) | 30,000〜35,000円 | お布施・交通費込み |
| 開眼供養(魂入れ) | 30,000〜40,000円 | 現地読経対応 |
| 納骨法要 | 35,000〜45,000円 | 供養+移動費含む |
僧侶派遣サービスのメリットは、
・費用が明確で追加負担がない
・地域や宗派に合わせて僧侶を手配してもらえる
・遠方でもオンラインで完結できる
という点です。
「費用の不安を減らしたい」「お布施のマナーに自信がない」という方には最も安心できる選択肢です。
まとめ|お布施の金額・マナーを抑えて供養を進めよう
墓じまいでのお布施は、「いくら包むか」「どう渡すか」に正解があるわけではありません。
大切なのは、感謝の気持ちを形にして、誠実に供養を行うことです。
一方で、この記事で紹介したように、
基本のポイントを押さえておけば、もう迷うことはありません。
- 一般的な相場は 2〜5万円前後(閉眼供養のみ)
- 「お気持ちで」と言われた場合は、相場+感謝の度合いで判断
- 高額なお布施を求められた場合は、理由を確認して無理のない範囲で相談する
お布施は金額よりも、感謝を込めて供養を行う姿勢が何よりも大切です。
また、最近では、お布施金額が明瞭な僧侶派遣サービスも増えています。
迷ったら、まずはお寺や業者に相談してみましょう。
「自分のケースではどんな供養をお願いすればいいか」「お布施はいくら用意すればいいか」もその場で確認できます。
相場とマナーを理解した今なら、安心して供養の依頼を始められるはずです。


