
墓じまいに税金は原則かからない
相続税や贈与税との関係をやさしく解説
【2026年7月更新】
墓じまいをすると税金がかかるのか、支払った費用を税金の計算から差し引けるのか気になっていませんか。
石材店への工事費、お寺へのお礼、新しい納骨先の費用。
墓じまいではまとまったお金が動きます。
金額の大きさが見えてきた時点で、「これだけ払ったのだから、税金の計算で引けるのではないか」「逆に、何か税金がかかるのではないか」という疑問が浮かぶのは自然なことです。
らくサポにも「どのくらいの費用がかかるのか知りたい」というご相談が多く寄せられます。
その多くは、金額そのものだけでなく、税金まで含めた総額がいくらになるのかを見通したい、という気持ちからのものです。
相続の手続きと重なっている方であれば、なおさら気になる部分だと思います。
先に答えをお伝えします。
墓じまいそのものにかかる「墓じまい税」のような税金はありません。
お墓や墓地は相続税がかからない財産に分類され、遺骨を移すこと自体も課税の対象になりません。
ただしその裏返しとして、墓じまいに支払った費用は相続税の計算から差し引けないのが原則です。
この点を知らないまま進めると、「引けると思っていた費用が引けなかった」という思い違いが起きます。
申告の直前になって気づくと、書類の集め直しに追われることにもなりかねません。
逆に、どの支払いがどの税金と関係するかを先に整理しておけば、必要な書類を残しながら落ち着いて進められます。
読み終えたときには、自分の支払いがどれに当てはまるかを見分けられ、手元の契約書や領収書のうち何を残すべきかが分かり、税務署や税理士に確認すべき点まではっきりした状態になります。
この記事を読んで分かること
- お墓と墓地が相続税の対象にならない理由
- 墓じまい費用が相続税から差し引けない理由
- 税務署や税理士に確認する前に残しておきたい書類
ぜひ最後までお読みください!
墓じまいで関係する税金

最初に押さえておきたいのは、墓じまいに関係する税金は1種類ではないという点です。
関わってくるのは、相続税・所得税・贈与税の3つです。
それぞれ課税の対象も考え方もまったく異なるため、「税金がかかる」「税金で引ける」という言葉を使うとき、どの税金の話をしているかによって答えが正反対になることさえあります。
そして、そのほとんどの場面では税金は発生しません。
お墓と墓地は相続税がかからない財産であり、遺骨を移す行為も課税の理由にはなりません。
税金が問題になるのは、墓石を売って利益が出た場合や、墓地の返還金を受け取った場合、費用を家族間で受け渡しした場合といった、限られた場面だけです。
| 税金の種類 | 墓じまいで関係する場面 |
|---|---|
| 相続税 | お墓と墓地は非課税の財産。墓じまい費用は原則として差し引けない |
| 所得税 | 墓石を売って利益が出た場合、墓地の返還金を受け取った場合 |
| 贈与税 | 費用としてまとまったお金を家族間で受け渡しした場合 |
墓じまいの全体的な流れや費用の相場をまず把握しておきたい方は、墓じまい完全ガイド|費用相場や手続きの流れを全て解説もあわせて確認してみてください。
費用の内訳を知っておくと、税金ごとの仕分けがしやすくなります。
墓地や墓石と相続税
墓地の使用権や墓石は、相続税の計算では非課税の財産として扱われます。
国税庁は、相続税がかからない財産として「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」を挙げています。
墓地の使用権や墓石はこれに当たるため、どれだけ高額な区画であっても、相続財産として相続税の対象にはなりません。
つまり、亡くなった方が生前に取得していた墓地の使用権や墓石は、相続税の申告書に財産として計上する必要がないということです。
「お墓を相続したことで税金が増える」という心配は、原則として不要です。
相続税の対象になるのは、預貯金・土地・建物・株式といった財産のほうで、お墓はその総額に加えません。
ただし国税庁は、同じ項目に但し書きも置いています。
骨とう的な価値があるなど投資の対象となるものや、商品として所有しているものには相続税がかかる、という内容です。
通常の墓じまいで問題になることはまずありませんが、例外がある点は知っておくと安心です。
なお、そもそも相続税の申告が必要かどうかは、財産の総額が基礎控除を超えるかどうかで決まります。
基礎控除は3,000万円に、法定相続人1人あたり600万円を加えた金額です。
相続人が2人なら4,200万円で、お墓はこの計算に加えないため、墓じまいをしたことで申告の要否が変わることもありません。
また、墓地の使用権が誰の名義になっているかを把握しておくことも、手続きを正確に進めるうえで役立ちます。
名義や管理者が分からない場合は、お墓の管理者が誰か調べる方法|上手な調べ方と確認後の進め方を解説が参考になります。
遺骨の移動と課税
遺骨を移すこと自体には、税金はかかりません。
墓じまいにともなって遺骨を取り出し、新しい納骨先へ移すお骨の引っ越しは、相続税・所得税・贈与税のいずれの対象にもなりません。
「遺骨を動かすと税金が発生するのでは」と心配される方がいますが、移動を理由に課税されることはないと考えて大丈夫です。
市区町村での改葬許可申請にかかるお金も、税金ではありません。
証明書の発行や許可証の交付にかかるのは手数料で、金額も数百円程度に収まるのが一般的です。
手続きの回数が増えても、税金の負担が増えるわけではありません。
新しい納骨先へ支払う費用も、税金ではなく施設への支払いです。
永代供養墓や納骨堂に納める費用が高額になることはありますが、その金額が課税の対象として計算されることはありません。
手続きの詳細や必要な書類については、墓じまいの改葬って何?言葉の意味と手続きの進め方を解説で全体の流れを確認できます。
移す前に手順を把握しておくと、費用の内訳も整理しやすくなります。
墓じまい費用そのものの扱い
墓じまいに支払った費用そのものは、税金の計算に登場しません。
個人が生活のなかで支払うお金である以上、事業の経費のように差し引く仕組みはなく、確定申告で還付を受けられるものでもありません。
医療費のように所得から差し引ける決まりも用意されていません。
この点は、多くの方が期待する部分と実際の扱いが食い違いやすいところです。
相続税についても同じで、支払った費用を相続財産から差し引くことは原則としてできません。
理由は次の見出しで国税庁の示す内容にそって説明します。
それでも、支払いの記録は残しておくことをおすすめします。
相続税の申告が必要になったとき、差し引けるものと差し引けないものを整理するには、何にいくら支払ったかが分かる書類が必要になるためです。
判断のために書類を使うのであって、書類があれば引ける、という意味ではない点だけ押さえておくと混乱しません。
墓じまい費用と相続税

墓じまいにかかった費用を相続税の計算で差し引けるかどうかは、多くの方が気になる点です。
結論から言うと、墓じまいの費用は原則として相続税の計算から差し引けません。
ここは思い違いが起きやすいところなので、国税庁が示している内容に沿って順に確認していきます。
相続税の計算で差し引ける仕組みには、大きく「債務控除」と「葬式費用の控除」の2つがあります。
墓じまい費用がどちらにも当てはまらない理由を知っておくと、申告の場面で迷わずに済みます。
葬式費用として引けるもの
相続税の計算では、亡くなった方が残した債務や葬式費用を相続財産から差し引くことができます。
国税庁は、葬式費用として差し引けるものを具体的に挙げています。
葬式や葬送に際して火葬・埋葬・納骨をするためにかかった費用、遺体や遺骨の回送にかかった費用、お通夜など葬式の前後に生じた通常欠かせない費用、お寺などへの読経料などのお礼が該当します。
墓じまいとの関係で言えば、亡くなった直後に行う納骨にかかった費用は、葬式費用として差し引ける可能性があります。
一方で、納骨から時間が経ってから行う墓じまいの費用は、葬式とは時期も目的も異なるため、ここには含まれません。
判断の分かれ目になるのは、その支払いが葬式の一連の流れのなかで生じたものかどうかです。
同じ「納骨」という言葉でも、葬式に続けて行う納骨と、何年も後に墓じまいをして新しい納骨先へ納める場面とでは、扱いが変わります。
引けないものも、国税庁がはっきり示しています。
葬式費用として差し引けないもの
- 香典返しのためにかかった費用
- 墓石や墓地の買い入れのためにかかった費用、墓地を借りるためにかかった費用
- 初七日など法事のためにかかった費用
墓じまいの工事費や魂抜きのお礼は、この一覧のどれにも当てはまらず、葬式費用としては扱われません。
墓じまい費用が引けない理由
墓じまいの工事費が相続税の計算から差し引けないのには、はっきりした理由があります。
国税庁は、相続財産から差し引けない債務として「被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など非課税財産に関する債務」を挙げています。
お墓は相続税がかからない財産であり、その相続税がかからない財産に関わる支払いは、たとえ未払いのまま残っていても差し引けない、という考え方です。
つまり、お墓は「相続税がかからない財産」である一方で、「それに関わる費用も差し引けない財産」という位置づけになっています。
課税と控除は表裏一体で、非課税の財産にかかる支出は差し引けない、と整理すると分かりやすくなります。
生前に工事の契約だけを結んで代金が未払いのまま亡くなった場合も、この考え方が当てはまると解されます。
お墓に関わる未払金として差し引けない扱いになる可能性が高いため、「契約さえしておけば引ける」と考えて計画を立てるのは避けたほうが安全です。
判断に迷う場合は、契約書を手元に用意して税務署や税理士に確認するのが確実です。
亡くなった後に相続人が墓じまいをして費用を負担した場合も、その支出は相続人自身の支出として扱われ、相続税の計算には反映されません。
「墓じまいをしたのだから相続税が減るはず」と考えていた方は、この点を確認しておくと申告の場面で慌てずに済みます。
差し引けるかどうかを整理すると、次のようになります。
| 費用の種類 | 相続税の計算での扱い |
|---|---|
| 亡くなった直後の納骨費用 | 葬式費用として差し引ける可能性あり |
| 墓じまいの取り壊し工事費 | 差し引けない |
| お墓に関する未払金(生前契約分を含む) | 差し引けない |
| 墓石・墓地の買い入れ費用 | 差し引けない |
| 四十九日などの法事の費用 | 差し引けない |
生前に支払った場合
亡くなった方が生前に自分で墓じまいの費用を支払っていた場合は、少し事情が変わります。
差し引く仕組みが使えるわけではありませんが、支払った時点でその方の預貯金や現金が減っています。
相続税は相続財産の総額に対してかかるため、財産が減った分だけ、結果として課税の対象になる金額も下がります。
これは「控除」とは別の仕組みです。
費用を差し引くのではなく、支払い済みの費用はすでに財産から出ていったものとして、最初から相続財産に含まれない、という考え方になります。
ここで注意したいのが、費用の受け渡しがあった場合の贈与税です。
亡くなる前に子や孫へ墓じまいの費用としてまとまったお金を渡し、受け取った側が手続きを進めるケースでは、渡したお金が贈与として扱われることがあります。
贈与税の基礎控除は年間110万円で、これを超えると贈与税の申告が必要になる場合があります。
同じ費用でも、本人の口座から直接支払われた場合と、いったん家族に渡してから支払われた場合とでは扱いが変わる可能性があります。
誰の口座から支払うかを事前に決めておくと、後の確認がしやすくなります。
生前に支払いが完了していたことを示すには、領収書・振込記録・通帳の出金履歴が証拠になります。
契約書や見積書も、費用の内容と金額を裏付ける書類として残しておくと安心です。
お墓の売却・返還と税金
墓じまいをすると、墓石や墓地の使用権をどう扱うかという問題が出てきます。
墓石を売れるのか、使用権を返したときにお金が戻るのか、そこに税金がかかるのかを、2つの場面に分けて整理します。
墓石を売却した場合
墓じまいの後、墓石を売ってお金にできないかと考える方もいます。
しかし実際には、墓石に買い手がつくことはほとんどありません。
使用済みの墓石は中古の需要がほとんどなく、買い取り業者が積極的に扱うことも少ないのが実情です。
石材店に相談しても、引き取りは無償か、処分費用を支払う形になるのが一般的です。
売却したお金を墓じまいの費用に充てる前提で計画を立てている場合は、その見込みを見直しておくことをおすすめします。
ごくまれに売却できて利益が出た場合は、所得税との関係が問題になり得ます。
個人が持ち物を売って得た利益は譲渡所得として扱われるのが原則ですが、墓石は相続税がかからない財産に分類されるため、取得費の考え方などで判断が分かれます。
利益が出た場合は、金額の大小にかかわらず税務署や税理士に確認するのが確実です。
現実には、売却ではなく石材店に取り壊しと処分を依頼するケースがほとんどです。
この場合は受け取る側ではなく支払う側になり、その工事費も相続税の計算からは差し引けません。
返還金を受け取る場合
墓地の使用権をお寺や霊園に返すとき、永代使用料の一部が戻ってくることがあります。
ただし、返還金が発生するかどうかはお寺や霊園の規約によって異なります。
まったく戻らないケースも多いため、返還金を当てにして資金計画を立てるのは避けたほうが無難です。
まずは規約を確認し、戻る可能性があるかどうかを管理者に尋ねてみてください。
返還金を受け取った場合、所得税との関係が問題になり得ます。
墓地の使用権は相続税がかからない財産に分類されますが、その使用権を返して金銭を受け取る場面では、受け取ったお金の性質によって扱いが変わります。
金額や取得の経緯によって判断が分かれるため、一律に「かかる」「かからない」とは言いきれません。
受け取る予定がある場合は、事前に税務署や税理士に確認しておくと安心です。
なお、お寺の墓地では、返還金とは別にお寺を離れるときのお礼が発生することがあります。
こちらは受け取るお金ではなく支払うお金で、方向が逆です。
相場や考え方については、墓じまいの離檀料はいくら?費用相場と払う必要性についても解説で詳しく解説しています。
返還金を受け取ったときは、金額と受け取った日を記録し、振込明細や領収書を保存しておくと、後から確認が必要になったときに役立ちます。
税金以外に必要な費用
墓じまいのお金を考えるとき、税金のことばかりに目が向きがちです。
しかし実際には、税金よりも直接支払う費用の総額のほうが、家計への影響ははるかに大きくなります。
墓じまいにかかる費用の全体の目安は50万円から200万円程度で、遺骨をどのように移すかによって幅が出ます。
主な内訳は、石材店への工事費・お寺への支払い・新しい納骨先の費用の3つです。
石材店の工事費
墓じまいの費用のなかで、金額が最も大きくなりやすいのが石材店への工事費です。
墓石の解体・撤去・整地までを一括して依頼するのが一般的で、この費用が全体の中心になります。
工事に含まれる主な作業は次のとおりです。
- 墓石の解体・撤去
- 基礎コンクリートの撤去
- 区画の整地
工事費は、墓地の広さや墓石の大きさ、立地条件によって大きく変わります。
山道の先や離島など搬出が難しい場所では、重機が入らず人手が必要になるぶん費用が上がります。
区画内に複数の石材が積み重なっている場合も、手間が増えるため高くなります。
現地を見ないと金額は確定できないため、事前に見積もりを取ることが欠かせません。
工事費は業者によって差が出ることがあります。
1社だけで即決せず、複数の業者を比べることで費用を抑えられる場合があります。
おおよその総額を先に知りたい方は、墓じまい費用シミュレーターで条件を入れて試算してみると、見積もりを見る際の目安になります。
支払いは、着工前に一部を前払いし、完了後に残額を支払う形が多く見られます。
支払いの時期と方法は契約前に確認し、領収書は受け取って保存しておくと、後から支払いの証明が必要になったときに困りません。
お寺への支払い
お寺の墓地で墓じまいをする場合、石材店への工事費とは別に、お寺への支払いが発生します。
墓じまいの際には、お坊さんに魂抜きをお願いするのが一般的です。
このときお渡しするお礼の相場は3万円から5万円程度が目安ですが、宗派や地域、お寺との関係によって変わります。
事前にお寺に目安を尋ねておくと安心です。
当日の流れや渡し方は、墓じまいの魂抜きって何?|依頼方法や費用・当日の流れまで完全解説で確認できます。
檀家をやめるときにお渡しするお礼を求められることもあります。
法律で支払いが義務づけられているものではありませんが、長年のお付き合いへのお礼として渡す慣例があり、目安は3万円から20万円程度です。
金額をめぐって話がまとまらない場合もあるため、早めに相談しておくと落ち着いて進められます。
お寺の墓地では毎年の管理費を支払っているケースが多く、未払い分があれば墓じまいのタイミングで精算が必要になります。
契約内容を確認したうえで対応すると、話し合いもスムーズに進みます。
お礼や管理費は領収書が出ないことも多いため、支払った日付と金額をメモに残しておくと後の確認に役立ちます。
新しい納骨先の費用
墓じまいの後は、取り出した遺骨を新しい納骨先へ移します。
どこに納めるかによって費用の幅が大きいため、総額を考えるときは必ず含めて試算しておきたい部分です。
| 新しい納骨先 | 費用の目安 |
|---|---|
| 永代供養墓(後継ぎ不要) | 10万〜150万円程度 |
| 納骨堂(屋内に安置) | 20万〜150万円程度 |
| 樹木葬(樹木や草花を墓標に) | 10万〜80万円程度 |
| 海洋散骨(海にお骨をまく) | 5万〜30万円程度 |
| 合祀墓(他の方と一緒に納める) | 3万〜30万円程度 |
納骨先によっては、墓じまいの工事費を上回る費用がかかることもあります。
どこを選ぶかで、その後の管理の手間やお参りのしやすさも変わります。
費用だけでなく、家族全員が納得できる形を選べると、後悔の少ない墓じまいになります。
選択肢を費用・進め方とあわせて比べたい方は、墓じまい後の納骨先はどこにする?6つの選択肢と費用・進め方が参考になります。
税務上の確認ポイント
墓じまいに関係する税金の扱いは、費用の種類・支払った時期・支払った人によって変わります。
一般的な解説で「対象になる」「ならない」と書かれていても、自分のケースに当てはまるかどうかは個別の事情を確認しないと判断できません。
大切なのは、自分の状況で何が問題になりうるかを整理したうえで、必要であれば専門家に相談できる準備を整えておくことです。
契約書と領収書の保存
税金の判断を正確に行うには、支払いの記録を手元に残しておくことが欠かせません。
石材店との契約書・請求書・領収書はもちろん、お寺への支払いについても、できる限り記録を残しておくと後から確認しやすくなります。
保存しておきたい書類
- 石材店との工事請負契約書
- 石材店からの請求書・領収書
- お寺への支払いのメモまたは領収書
- 新しい納骨先との契約書・領収書
- 改葬許可申請に関する書類
特に相続税の申告が必要なケースでは、何の費用としていくら支払ったかが明確に分かる状態にしておくことが重要になります。
お寺へのお礼は領収書が発行されないことも多いため、支払った日付・金額・内容をメモに残しておくと、後から確認が必要になったときに役立ちます。
これらの書類は、税金の確認だけでなく、後日ご家族やご親族の間で認識の違いが生じた際の資料としても機能します。
墓じまいが終わった後も、しばらくは保管しておくと安心です。
税理士や税務署への相談
墓じまいに関係する税金は、一般的な解説を読んだだけでは自分のケースまで判断しきれないことがあります。
特に相続税の申告が必要な状況では、差し引けるかどうかの判断を専門家に確認するのが確実です。
申告が必要かどうか自体の判断が難しい場合は、まず税務署の相談窓口を利用する方法があります。
税務署では相続税に関する一般的な説明を無料で受けられます。
ただし税務署は税法の解釈を案内する立場であり、「あなたのケースではこうすべき」という個別の判断や節税の助言は行いません。
より踏み込んだ相談が必要な場合は、税理士への依頼を検討してみてください。
税理士は個別の事情をもとに、申告書への反映方法まで具体的に対応してくれます。
相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内と定められているため、早めに動くと余裕を持って進められます。
相談のときは、前の項目で整理した契約書や領収書、支払いのメモを手元に用意しておくと、やり取りがスムーズになります。
「何の費用として、いつ、いくら支払ったか」が明確であるほど、的確な判断を示してもらいやすくなります。
税金の扱いを確認して進めよう
墓じまいで動くお金には、税金と関係するものとしないものが混ざっています。
漠然とした不安を抱えたまま進めるより、どの支払いがどの税金と関係するかを整理してから動くほうが、余計な心配をせずに済みます。
相続税では、墓地や墓石は非課税の財産である一方、それに関わる墓じまいの費用は差し引けないのが原則です。
亡くなった直後の納骨費用は葬式費用として差し引ける可能性があり、墓石の売却益や墓地の返還金は所得税との関係を個別に確認する必要があります。
費用を家族間で受け渡しする場合は、贈与税の基礎控除も頭に置いておくと安心です。
まずは手元の見積書と請求書を開いて、何にいくら支払うのかを書き出すところから始めてみてください。
そのうえで契約書と領収書をひとまとめにしておけば、申告が必要になったときにそのまま使えます。
判断に迷う点が残ったら、書類を持って税務署の窓口や税理士に相談すると、自分のケースに沿った答えが得られます。
税金の見通しと費用の見通しをそろえておけば、納得のいく形で墓じまいを進められます。
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