
墓じまいにかかる費用は50万円〜200万円|内訳ごとの金額を解説
【2025年9月更新】
「墓じまいを考えているけど、いくらかかるの?」
「できるだけ費用を抑えて進めたいから、相場を知りたい」
管理できなくなったお墓をそのままにしておくと、時に無縁墓となり、強制撤去や荒れ果てた状態で放置されてしまうリスクがあります。
また、親族にとっても「誰が管理するのか」「費用をどう負担するのか」で大きな負担やトラブルにつながることもあります。
このような状況を避けるためには、早めに墓じまいを検討し、適切な費用感を知った上で進めることが大切です。
しかし、墓じまいの費用がどのくらいかかるのかを知らないまま依頼すると、相場より高額な料金を提示されてしまうこともあります。
本記事では、墓じまいにかかる費用相場と、できるだけ安く墓じまいを行う方法をご紹介します。
この記事を読めば、余計な費用をかけずに安心して優良業者へ墓じまいを依頼することができます。
ぜひ参考にしてください。
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この記事を読んで理解できること
- 墓じまいにかかる費用相場とその内訳
- 墓じまいの費用を抑える方法
- 墓じまい業者を選ぶときのポイント
墓じまいの費用相場
墓じまいの費用は、遺骨をどのように移すかによって差がありますが、全体の目安としては50万円〜200万円程度かかるのが一般的です。
以下の表は、それぞれにかかる費用の内訳です。
墓じまいで必要なこと | 費用相場 | |
市区町村役所への申請をする | 1,000円~100,000円 | |
僧侶を呼んで供養 | 30,000円~60,000円 | |
遺骨取り出し・墓石撤去・墓所の整地 | 200,000円〜800,000円前後 | |
お骨移動先のお墓 | 納骨堂 | 500,000円~1,000,000円 |
樹木葬 | 100,000円~800,000円 | |
手元供養 | 6,000円~300,000円 | |
海洋散骨 | 50,000円~300,000円 |
ここでは、それぞれの墓じまいにかかる内訳を説明します。
市区町村役所への申請

墓じまいには、現在お墓のある市区町村役所へ「改葬許可申請」と呼ばれる手続きが必要です。
自分で行う場合は、事務手数料や交通費として約1,000円程度で済みますが、お墓が遠方にある・手続きの時間が取れない方は行政書士へ依頼する事もできます。
ポイント
改葬許可申請を、
・自分でする場合:1,000円程度
・行政書士などへ委託する場合:30,000〜100,000円程度
僧侶を呼んで供養
石を撤去する際は、お世話になった寺院や近隣の寺院に依頼し、閉眼供養と呼ばれる供養をします。
僧侶の読経により、墓石に宿っているご先祖様の魂を墓石から抜き取り、墓石を撤去可能な状態にします。
ポイント
僧侶へ閉眼供養を依頼する
・お布施の目安:20,000円〜50,000円
遺骨取り出し・墓石撤去・墓所の整地
遺骨の取り出しや、墓石の撤去は、墓石を取り扱う業者や石材店などに依頼します。
業界相場はお墓の面積が1平米あたり約10万円〜15万円ですが、お墓の種類や作業難度により変動します。
また、業者間で見積り費用が大きく異なり、30万円以上差が出ることもあります。
見積りは無料で対応してくれる業者がほとんどなので、最低でも3社から見積りを取ることをおすすめします。
ポイント
お墓の撤去費用は業者間で様々、相見積もりがおすすめ
・費用の目安:200,000円〜800,000円前後
お骨移動先のお墓
現在のお墓を撤去したあとは、「改葬」と言って、お骨を新しい場所へ移動させる必要があります。
改葬先代表例としては、「納骨堂」「樹木葬」「海洋散骨」「手元供養」があります。
どれも内容や供養のスタイルが違い、費用も大きく異なります。
改葬先 | 費用の目安 |
納骨堂 | 500,000円~1,000,000円 |
樹木葬 | 100,000円~800,000円 |
手元供養 | 6,000円~300,000円 |
海洋散骨 | 50,000円~300,000円 |
納骨堂

費用の目安:500,000円~1,000,000円
お参り:可
納骨堂は、お寺や建物のロッカーの中に、遺骨を安置し、管理者が定期的に供養をしてくれる仕組みです。
遺族も開館時間であれば自由にお参りができます。
多くの場合は、13回忌から33回忌まで個別に供養され、その後は「合祀」といって共同のお墓に移されます。
樹木葬

費用の目安:100,000円~800,000円
お参り:可
樹木や花をシンボルにして、そのまわりに小さなお墓をつくり、そこへ埋葬するのが樹木葬です。
スタイルには、他の人と一緒に埋葬される「合祀型」、一家族ごとにまとまって入る「集合型」、一本の樹木に対して一つのお墓だけを設ける「個別型」があります。
多くは6年から12年ほどを区切りに遺骨が共同墓地へ移される仕組みですが、それまでは管理会社が手入れをし、遺族も自由にお参りできます。
海洋散骨

費用の目安:50,000円~300,000円
お参り:不可
海洋散骨は、粉骨した遺骨を海にまき、自然へお返しする葬送の形です。
遺族が船に乗って自ら散骨する方法もあれば、業者にすべてお任せする方法もあります。
お墓の維持や供養が不要になり、自然の中で安らかに眠れることから、近年多くの人に選ばれはじめています。
手元供養

費用の目安:6,000円~300,000円
お参り:可
手元供養とは、遺骨をお墓に埋葬せず、自宅や身近な場所で大切に守る方法です。
小さな骨壺に入れて自宅に置いたり、粉骨にしてペンダントなどのアクセサリーに納めるなど、スタイルはさまざま。
故人を常にそばに感じられる安心感から、選ぶ方が増えている葬送の形です。
墓じまいの費用を抑える方法

墓じまいの費用を安くする方法は3つあります。
- 墓じまい費用の相場を知る
- 相見積もりをする
- 次の改葬先とセットで依頼する
どの方法も費用を安くできますが、メリットとデメリットがあります。
それぞれのメリットデメリットは表のとおりですので、参考にしてください。
費用を抑える方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
墓じまい費用の相場を知る | ぼったくられなくなる | なし |
相見積もりをする | 安い業者を見つけられる | 時間がかかる |
次の改葬先とセットで依頼する | 別々に依頼するよりも割引が適用される可能性がある | 提携している改葬先に限定される |
ここでは墓じまいの費用を安くする3つの方法を詳しく見ていきます。
墓じまい費用の相場を知る
墓じまいの費用相場を知ることは、あなたのお金をぼったくり業者から守ることにつながります。
悪質な業者は、少しでも多くの料金を取ろうとして相場より高額な見積もりを提示してきます。
そして墓じまいの経験がない人は、業者に言われるがままに高い料金で契約してしまうケースが少なくありません。
例えば、業者によっては、同じお墓の撤去でも30万円以上違う場合があります
このような状況を避けるためには、あなた自身が墓じまい費用の相場を理解しておくことが重要です。
以下の相場から大きくかけ離れた料金を提示された場合は、ぼったくり業者の可能性を疑うべきでしょう。
さらに費用を抑えたい場合は、複数の業者から相見積もりをとることがおすすめです。
お墓の撤去にかかる費用
お墓の撤去にかかる費用 | 相場 |
---|---|
墓石撤去費用 | 約10万円〜15万円/1㎡あたり |
閉眼供養のお布施代 | 3万円~5万円 |
離檀料 | 3万円~20万円 |
注意:墓石の種類や撤去作業の難易度によって、墓石撤去費用は変動します。
改葬先でかかる費用
改葬先でかかる費用 | 相場 |
---|---|
開眼供養のお布施代 | 3万円〜10万円 |
樹木葬の場合 | 10万円〜80万円 |
納骨堂の場合 | 50万円~100万円 |
海洋散骨の場合 | 5万円〜30万円 |
手元供養の場合 | 0.6万円~30万円 |
相見積もりする
「相見積もりってなに?」という方のために解説すると、相見積もりとは、墓じまいを依頼するときに複数の石材店や業者から見積もりをとることです。
複数の業者から見積もりをとることで、相場を知らずに高額な料金を請求されるリスクを避けられるほか、できるだけ安い料金で墓じまいを依頼できる可能性が高まります。
たとえば墓じまいをするなら、複数の石材業者から見積もりをとることで、費用を30万円以上抑えられるケースもあります。
「安くなるのはわかるけど、何社も見積もりをとるなんて正直面倒…」という人もいると思います。
そういう人には、くらしのマーケットのような見積り比較サイトの利用がおすすめです。
口コミや評価を見ながら業者を選べるので、ぼったくり料金を取られる心配も少ないでしょう。
次の改葬先とセットで依頼する
墓じまいを検討するとき、次の改葬先とセットで依頼すると費用が安くなる場合があります。
「墓じまいと改葬先って別々に依頼するものじゃないの?」と考える人も多いでしょう。
しかし実際には、石材業者や供養サービスの中には、墓じまいと改葬先をまとめて依頼することで割引が適用されるケースがあります。
ただし、ここで一つ注意してほしいポイントがあります。
それは「セットなら必ず安くなりますよ」という言葉にそのまま乗らないこと。
たしかに、墓じまいと改葬先を同じ業者にまとめることで、事務手続きや工事の手間が減り、費用を抑えられることはあります。
実際に、墓じまいと海洋散骨の契約を同時に進めて総額が10万円安くなった事例もあります。
しかし「必ずセットで安くなります!」とは言い切れません。
場合によっては改葬先の選択肢が限られ、別々に依頼した方が安くなることもあるからです。
例えば、本当は海洋散骨でもいいのに、業者が樹木葬や納骨堂しか紹介できない場合は、費用が数十万円以上高くなります。
このような失敗を避けたい人は、どのような改葬先が紹介できるのか必ず確認しましょう。
墓じまいの業者を選ぶときのポイント

ここでは、墓じまい業者を選ぶときのポイントを2つご紹介します。
- 実績があり信頼できる業者に依頼する
- 地元の業者に依頼する
この2つを意識すれば、墓じまいで費用トラブルや施工不良といった失敗を大きく減らすことができます。
信頼できる業者に依頼する
墓じまい業者を選ぶときの1つ目のポイントは、信頼できる業者に依頼することです。
「信頼できる業者ってどう探せばいいの?」と考える人もいるでしょう。
そういう人のために、信頼できる業者の選び方をご紹介します。
- お墓を建てる時や修理の時に依頼して、対応や施工が良かった業者
- 地域で評判がよく、利用者から信頼されている業者
もし以前に墓石工事などをお願いした業者があり、対応に満足しているなら、その業者にまず相談してみるのがおすすめです。
その業者が墓じまいを直接扱っていない場合でも、信頼できる提携業者を紹介してくれるケースがあります。
一方で、「これまでに依頼したことがない」「以前頼んだ業者の対応が悪かった」という方は、地元で評判のよい石材店や葬祭関連業者に相談してみましょう。
地域で長年営業している業者であれば、施工の質やアフターフォローに安心感があります。
「地元で有名な業者が思い浮かばない」「どこに相談すればいいかわからない」という方は、エキテンを利用するのも一つの手です。
登録されているのは地域で実績のある業者が中心で、評価点数付きなので、安心して比較・検討できますよ。
地元の業者に依頼する
墓じまい業者を選ぶときの2つ目のポイントは、地元の業者に依頼することです。
全国対応をうたう業者や仲介だけを行う業者の中には、現地の状況を十分に把握できず、追加費用が多く発生してしまうケースもあります。
その点、地元で長年営業している石材店や葬祭関連業者であれば、地域の寺院や霊園の事情に詳しく、スムーズに墓じまいを進められる可能性が高いです。
また、地元業者は評判が口コミで広まりやすいため、手抜き工事や不透明な料金設定をすればすぐに信頼を失うリスクがあります。結果として、サービスの質や料金の明確さに安心感があります。
このように、地域に根付いた地元業者に依頼することが、無駄な出費を防ぎ、安心して墓じまいを進めるための大切なポイントです。
まとめ:まずは無料見積りから始めよう
今回は墓じまいの費用相場と、できるだけ安く墓じまいを行う方法をご紹介しました。
もう一度、安く墓じまいを進める方法を確認します。方法は3つあります。
- 墓じまい費用の相場を知る
- 相見積もりをとる
- 次の改葬先とセットで依頼する
そして墓じまい業者を選ぶときは、以下のポイントを意識しましょう。
- 実績のある信頼できる業者に依頼する
- 地元の業者に依頼する
また、実際の費用は見積もりを依頼して確認しましょう。
多くの業者は無料で見積もりに対応しており、立ち会い不要で現地のお墓を確認してくれるため、自宅にいながら費用を把握できます。
優良な業者に依頼し、できるだけ安く、安心して墓じまいを行うために、この5つのポイントをぜひ意識してください。