
お墓を継ぐ人がいない、遠くてお参りにも行けない、このまま放っておいたら無縁仏になってしまうのではないか。そうしたご不安のお電話を、たいへん多くいただきます。
ご先祖のお骨が知らないうちにどこかへ移されてしまうのではないか、ご近所やお寺様にご迷惑をかけてしまうのではないか、そう思うと落ち着かないというお気持ちは、とてもよく分かります。
ここでは、実際にお寄せいただいたご相談をもとに、お墓を放っておくと何が起こるのか、そして今のうちにどう手を打てるのかを、順を追ってお答えします。
※以下の事例は、お客様が特定されないよう地域名・金額の詳細などを伏せて一般化しています。
放っておいたお墓は、ある日突然なくなるわけではありません
まずお伝えしたいのは、お墓は放っておいた翌日に片づけられてしまうようなものではない、ということです。墓地では、管理料の支払いが途切れると、まず契約されている方へ管理者からご連絡が入ります。それでも連絡がつかない状態が続いたときに、はじめて区画をお返しいただく手続きへ進み、ご遺骨は他の方々とご一緒に供養される形になります。つまり、手順を踏んだうえで時間をかけて進むものです。
また、お寺様の境内にある無縁の場所は、見てくださる方がいなくなったお墓のためのものです。ご家族がいらっしゃって、ご自身で手続きを進められる状態であれば、自動的にそこへ入ることになるわけではありません。ご不安を大きくしているのは、多くの場合この「何がどう決まるのか分からない」という部分です。
ただ、放っておいて良いということでもありません。次のような点は、時間が経つほど重くなります。
- 草木が伸びて墓地が荒れ、周りの区画やお寺様にご負担をかけてしまう
- 管理料を払う方がいなくなると、ご遺骨の行き先をご自身で選べなくなる
- お墓を継ぐ方(祭祀を承継する方)を決めないままだと、次の世代に判断が持ち越される
- お墓の場所や区画の記録が分からなくなり、手続きに手間がかかる
言い換えれば、今ご自身が動けるうちに決めておけば、ご遺骨の行き先もご供養の形も、ご自分で選べます。それが「無縁仏になったらどうしよう」という不安への、いちばん確かな答えだと考えています。
実際のご相談から(6つのケース)
ケース1:継ぐ人がいないので、いずれ無縁になると思っていた方
お子様が遠くにお住まいで、ご自身の代でお墓を見る人がいなくなる、このままではほぼ確実に無縁になってしまう、というご相談でした。相続の話し合いも控えていらっしゃいました。
らくサポからは、お墓を継ぐ方を決める手続きが必要になる場合があること、相続や行政の手続きが絡むときには税理士や司法書士へのご相談窓口もご用意していること、お話し合いが進んでから墓じまいのお見積りに移っても遅くないこととお伝えしました。
対応結果:ご家族の話し合いを先に進める順番が定まり、慌てずに準備を始められました。
ケース2:管理料を払う人がいなくなった後が心配だった方
お子様がいらっしゃらず、ご夫婦が亡くなった後は管理料の支払いができなくなる、そのときご遺骨はどうなるのかを知りたい、というご相談でした。
らくサポからは、支払いが途切れると管理者からご連絡が入り、それでも続くようであれば区画をお返しいただく手続きに進むこと、ご遺骨は他の方々とご一緒に供養される形になること、一方で最初にお納めいただく形のご供養であればその後の管理料が発生せず、管理者の側で供養を続けていただけることをお伝えしました。
対応結果:先々の見通しがはっきりし、ご自宅の近くへ移すか、まとめてご供養いただくかの二つを落ち着いて比べられました。
ケース3:お寺の無縁の場所に入ることになるのかと不安だった方
幼い頃に「みんないなくなったら無縁のところに行く」と聞かされた記憶があり、自分たちもそうなるのか、費用や管理料はかかるのかが分からない、というご相談でした。
らくサポからは、その場所は見てくださる方がいなくなったお墓のためのものなので、ご家族が健在でご自身で進められる状況とは事情が異なることをお伝えしました。そのうえで、お寺様へ墓じまいのお話をお伝えいただくこと、次の納骨先を決めること、改葬の届け出をお住まいの窓口へ出すこと、閉眼供養のあとにお骨を取り出して工事に入る、という順番をご説明しました。
対応結果:不安の正体が「順番を知らなかったこと」だと分かり、次の納骨先を選ぶところから進められました。
ケース4:山あいのお墓が荒れていくのが気がかりだった方
ご自身とお子様の代で終わりになる見込みで、手入れをしなければ山あいの墓地が草に覆われてしまう、墓じまいをした方がいいのか、そのままにしている方もいるので迷っている、というご相談でした。
らくサポからは、まず決めるのはご本人であって、こちらから急かすことはしないとお伝えしました。そのうえで、お見積りには墓地の場所が分かる情報が必要になること、お墓のお写真をメッセージでお送りいただく形でも進められること、ご供養の方法にも複数の選択肢があることをご案内しました。
対応結果:その場でお決めにならず、まず場所とお写真を確かめるところから始めていただく形になりました。
ケース5:管理費が滞ったまま放置するのが心苦しかった方
ご親族の事情で管理費が滞った時期があり、このまま放っておいてお寺様にご迷惑をかけるのは忍びない、けじめをつけたいが費用の相場が分からず踏み出せない、というご相談でした。
らくサポからは、墓じまいをお考えならまずお寺様にお伝えいただくのが最初の一歩であること、お寺様に決まった石材店がある場合はその方針に沿う形になること、おおよその費用は概算でお出しでき、正確な金額は現地でお見積りしてはじめて分かることをお伝えしました。
対応結果:お寺様へ相談する順番が定まり、費用の目安を持ったうえで検討を進められました。
ケース6:お骨をまとめてご供養いただく形を選ばれた方
離れた場所にある小さな墓地に一区画だけ残っており、中のお骨をまとめてご供養いただく形にしたい、というご相談でした。墓地の名前がなく、場所の説明が難しいご事情もありました。
らくサポからは、お寺様にお話が通っているのであればその方針で進められること、場所が分かりにくい墓地はお客様と待ち合わせてご一緒に伺う立会いのお見積りで対応できることをお伝えし、日程の候補を伺いました。
対応結果:立会いでのお見積りの段取りが決まり、放置のままにせず区切りをつける方向へ進みました。
具体的にできること
「無縁仏になるかもしれない」というご不安は、次のことを一つずつ確かめるだけでも、かなり軽くなります。
- お墓を継ぐ方をご家族で話し合って決めておく(決まらない場合も、決まっていないと分かること自体が前進です)
- お墓のある墓地の管理者がどこかを確かめ、管理料の支払い状況を把握しておく
- 墓じまいをお考えなら、まずお寺様や墓地の管理者へその意向をお伝えする
- 次の納骨先を先に決める(ご自宅近くのお墓、まとめてご供養いただく形、樹木のもとでのご供養、散骨など、選択肢があります)
- 改葬の届け出はお住まいの窓口の用紙で行えます。取り寄せの方法もご案内できます
- お墓の場所が分かる情報とお写真をご用意いただければ、おおよその費用の目安はお返しできます
私たちは「とにかく契約していただく」ことを目的にしていません。今は動かず様子を見る方がよいご事情であれば、そのように正直にお伝えします。相見積もりも、どうぞご遠慮なくお取りください。
まとめ
お墓を放っておいても、ある日いきなりなくなるわけではありません。ただ、そのまま時間が過ぎると、ご遺骨の行き先やご供養の形をご自身で選べなくなっていきます。いま動ける方がいらっしゃるうちに、継ぐ方を決める、管理者に確かめる、次の納骨先を選ぶ。この三つに手をつけるだけで、「無縁仏になったらどうしよう」というご不安はぐっと小さくなります。お墓のことだけでなく、仏壇やご実家の片づけまで含めて、何から手をつければよいか分からないという段階でも構いません。お電話でもメッセージでも、まずはご事情をお聞かせください。一緒に順番を整理させていただきます。

