
墓じまい後の樹木葬って何?
基本知識や費用から手続きまで全て解説
【2026年3月更新】
「墓じまいで樹木葬にするって聞くけど、そもそも樹木葬って何なんだろう?」
そう思いながら、なんとなく調べ始めた方も多いのではないでしょうか。
テレビや雑誌で「墓じまい」「樹木葬」という言葉を目にする機会は増えました。
でも、いざ調べてみると、「合祀」「永代供養」といった聞き慣れない言葉が次々と出てきて、結局どういうお墓なのかがよくわからないまま、ページを閉じてしまった…
そんな経験はありませんか?
樹木葬という言葉だけ見ると、山の奥にひっそりと木を植えるようなイメージを持つ方も少なくありません。
「本当にお参りできるのだろうか」「普通のお墓とどう違うのだろう」という疑問が浮かんで、なかなか具体的に考え進められない、というのが正直なところではないでしょうか。
この記事では、まず「樹木葬とはどういうお墓なのか」をわかりやすく整理することを最初の目的としています。
その上で、墓じまいとセットで考えたときの費用の目安や、手続きの流れについても順を追ってお伝えします。
この記事を読んで分かること
- 樹木葬とはどういうお墓なのか、基本からやさしく解説
- 「山の中のお墓」だけではない。本当の樹木葬の姿
- 墓じまいと樹木葬を合わせたトータル費用の目安
- 手続きの流れと、相談窓口をうまく使って進める方法
読み終えていただければ、「樹木葬って、こういうお墓だったんだ」とすっきり理解した上で、自分たちの状況に照らして具体的に考えられるようになるはずです。
まずは「知ること」から一緒に整理していきましょう!
目次
樹木葬とは、樹木や花を墓標とした新しいタイプの墓
樹木葬とは、墓石を建てる代わりに、樹木や花を墓標として遺骨を埋葬するお墓の形式です。

従来のお墓では、石でできた墓石を建て、その下に遺骨を納めるのが一般的でした。
樹木葬では、この「墓石」の部分が「樹木や花」に置き換わります。
桜やシンボルツリーの根元に遺骨を埋葬するタイプや、草花に囲まれた区画に埋葬するタイプなど、霊園によってさまざまなスタイルがあります。
ただし、「樹木の下に遺骨を直接埋める」というイメージを持たれる方も多いのですが、実際には骨壺や専用の容器に納めた状態で埋葬されるケースがほとんどです。
衛生面や管理面でも、従来のお墓と大きく変わるわけではありません。
樹木葬の3つの基本的な特徴
樹木葬には、従来のお墓と比べて押さえておきたい特徴が3つあります。
1.永代供養がセットになっているケースが多い
永代供養とは、霊園や寺院が遺族に代わって、長期にわたって遺骨の管理・供養を続けてくれる仕組みのことです。
「自分たちが亡くなった後、誰がお墓を管理するのか」という不安を抱えている方にとって、この点は大きな安心材料になります。
管理者がいなくても、霊園側が責任を持って供養を続けてくれるため、子どもや親族に負担をかけずに済むという点が、樹木葬を選ぶ理由として多く挙げられています。
2.宗旨・宗派を問わないところが多い
従来のお墓では、特定の宗派の寺院が管理する「寺院墓地」に埋葬される場合、その宗派の檀家になることが求められるケースがありました。
樹木葬は、民営霊園や公営霊園が運営するものが多く、宗教・宗派に関係なく利用できる施設が大半を占めています。
信仰の有無や宗派にかかわらず、自分たちのスタイルに合った形で利用できるという点も、選ばれる理由のひとつです。
3.墓石を建てないため、初期費用を抑えやすい
墓石の購入・建立には、一般的に数十万円から百万円以上かかることも珍しくありません。
樹木葬では墓石が不要なため、その分の費用が発生しません。
費用の詳しい目安については後の章で整理しますが、「初期費用を抑えながら、きちんとした形で供養したい」という方に選ばれやすい理由がここにあります。
従来のお墓との違いを一言で言うと「管理者が霊園側」
従来のお墓との最大の違いは、「墓石が木や花かどうか」ではなく、「霊園側が管理してくれるかどうか」という点にあります。
| 従来のお墓 | 家族や子孫が代々管理・継承 |
| 樹木葬 | 霊園側が管理を担う永代供養がセット |
樹木葬は、霊園側がこの先もずっと管理してくれるため、「お墓を継ぐ人がいない」「子どもに負担をかけたくない」という状況に対応しやすい形式といえます。
「お墓の形が変わる」というよりも、「お墓の管理の仕方が変わる」と理解していただくと、樹木葬の本質がつかみやすくなります。
樹木葬は都市部にも数多く存在する
樹木葬と聞いて、「山の奥にひっそりと木を植えるようなお墓」というイメージを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際、「本当にお参りできるのだろうか」「遠くて不便なのではないか」と不安で、樹木葬を具体的に検討にされないケースも多いようです。
ただ、この「山の中のお墓」というイメージは、樹木葬のごく一部の形式に限った話です。
現在、都市部の霊園でも樹木葬は広く普及しており、整備された参道や献花スペースを備えた、従来のお墓と変わらない環境でお参りできる施設が主流になっています。
「樹木葬=遠くて不便」という思い込みと実態の間には、大きなギャップがあります。

市街地にある樹木葬の様子
樹木葬には大きく3つの種類がある
樹木葬のイメージが「山の中のお墓」に偏りがちな理由のひとつは、樹木葬にいくつかの種類があり、それぞれで環境や雰囲気が大きく異なるためです。
主な種類を整理すると、以下の3つに分けられます。
里山型の樹木葬
山や森の自然環境の中に遺骨を埋葬するスタイルです。
自然の樹木や草花に囲まれた環境で眠りたいという方に選ばれており、「樹木葬」という言葉が広まった初期に注目されたのがこの形式です。
ただし、都市部から離れた立地にあることが多く、アクセスに時間がかかるケースもあります。
公園型の樹木葬
霊園の敷地内に整備された区画に樹木や花を植え、その周囲に遺骨を埋葬するスタイルです。
参道や休憩スペースが整備されており、車椅子でも移動しやすい設計になっている施設も増えています。
都市部や郊外の霊園に多く見られ、最寄り駅からアクセスできる立地も珍しくありません。
庭園型の樹木葬
日本庭園や洋風ガーデンのような景観の中に区画を設けるスタイルです。
花壇や緑に囲まれた落ち着いた雰囲気の中でお参りできるため、「自然に近い環境でありながら、きちんと整備された場所でお参りしたい」という方に選ばれています。
都市部の霊園でも導入が進んでいます。
「山の中のお墓」というイメージに近いのは、この3つのうち里山型だけです。
公園型・庭園型は、従来のお墓と同じ感覚でお参りできる環境が整っており、都市部に住む方にとっても身近な選択肢となっています。
都市部の樹木葬霊園では、快適にお参りできる環境が整っている
公園型・庭園型の樹木葬霊園では、一般的に以下のような設備や環境が整っています。
| 整備された参道 | お参りの際に歩きやすい動線が確保されています。 |
| 献花台や水場 | 花を供えたり手を合わせたりする場所が用意されています。 |
| 管理棟や休憩スペース | 季節を問わず訪れやすい環境になっています。 |
また、都市部の樹木葬霊園の中には、最寄り駅から徒歩圏内にある施設や、無料送迎バスを運行している施設もあります。
「車を持っていないので、電車でお参りしたい」「足腰が弱くなってきたので、アクセスのよい場所がいい」という方にとっても、現実的に選べる選択肢が広がっています。
「お参りできるか不安」という気持ちに、正直に答えると…
樹木葬を検討している方から「本当にお参りできるのか」という不安の声をよく聞きます。
この不安に正直にお答えすると、「どの種類の樹木葬を選ぶか」によって、お参りのしやすさは大きく変わります。
里山型を選んだ場合、立地によってはアクセスに時間がかかることがあります。
一方、都市部の公園型・庭園型を選んだ場合は、従来のお墓と変わらない感覚でお参りできる環境が整っているケースがほとんどです。
「近所でお参りしやすい環境がいい」という希望があるのであれば、自宅や実家の近隣にある公園型・庭園型の樹木葬霊園を探すことが、最初の一歩として最も現実的な方向性といえます。
「山の中のお墓」というイメージは、樹木葬のひとつの形に過ぎません。
都市部でも、自宅から無理なく通える距離でお参りできる樹木葬霊園は、今や珍しい存在ではなくなっています。
次の章では、気になる費用の目安について、墓じまいとセットで整理していきます。
墓じまいと樹木葬のトータル費用は30万円から80万円が目安
「墓じまいの費用」と「樹木葬の費用」は、それぞれ単体で調べることはできても、両方を合算したトータルの金額がなかなか見えてこない…
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えします。
墓じまいと樹木葬をセットで進めた場合のトータル費用は、30万円から80万円程度が目安です。
この金額は、墓じまい単体の費用と樹木葬単体の費用を合算したものです。
プランや地域、埋葬形式の選び方によって幅がありますが、「老後資金を大きく削らずに対応できるかどうか」を判断する上での、ひとつの現実的な目安として参考にしてください。
以下では、それぞれの費用の内訳を順番に整理します。
墓じまい単体の費用目安:20万円から60万円程度
墓じまいとは、現在のお墓を撤去・閉じて、遺骨を別の場所に移す手続き全体を指します。費用の主な内訳は以下のとおりです。
・墓石の撤去・処分費用
墓じまいの費用の中で最も大きな割合を占める項目です。
墓石の大きさや区画の広さ、石材店によって異なりますが、一般的に20万円から60万円程度が相場とされています。
撤去費用の詳しい相場や内訳については「墓石処分の費用相場は20~60万円|遠方の墓でも安く抑える方法を徹底解説」で詳しく解説しています。
・改葬許可申請などの行政手続き費用
遺骨を別の場所に移す「改葬」を行う際に必要な手続きにかかる費用です。
書類の取得や申請自体に大きな費用はかかりませんが、行政書士などの専門家に代行を依頼する場合は別途費用が発生します。
行政手続きの費用や流れについては「お墓の改葬手続きは難しくない!市役所での申請と書類の書き方ガイド」をあわせてご覧ください。
・離檀料
寺院墓地に埋葬されている場合、檀家関係を解消する際にお寺に納めるお布施のことです。金額はお寺によって異なり、不要なケースもありますが、3万円から20万円程度を目安にしておくと安心です。
お布施の相場については「墓じまいのお布施はいくら包む?相場・マナー・渡し方を徹底解説」で詳しく紹介しています。
これらを合算すると、墓じまい単体の費用は20万円から60万円程度が一般的な目安となります。墓じまいの総費用についてより詳しく知りたい方は「墓じまいの総費用はいくら?費用を10万円以上抑える方法を解説」も参考にしてみてください。
樹木葬単体の費用目安:10万円から50万円程度
樹木葬の費用は、主に永代供養料(埋葬料)として支払うものです。
墓石の購入・建立費用が不要なため、従来のお墓と比べて初期費用を抑えやすいのが特徴です。
費用の幅が生まれる主な要因は、埋葬形式の違いです。
合祀型:10万円から20万円程度
複数の方の遺骨を同じ区画にまとめて埋葬するタイプです。
個別の区画は設けられませんが、費用を抑えやすい埋葬方法です。
ただし、一度合祀された遺骨は取り出すことができないため、後から「やはり別の場所に移したい」という変更が難しい点は事前に確認しておく必要があります。
個別埋葬型:30万円から50万円程度
一定期間(13年・33年など)、個人または夫婦・家族単位で専用の区画に遺骨を安置するタイプです。
個別の区画が確保されるため、お参りの際に特定の場所に手を合わせることができますが、樹木葬の中では比較的高めの設定になります。
トータルで見ると、30万円から80万円の範囲に収まるケースが多い
墓じまいと樹木葬の費用を合算すると、以下のような組み合わせが考えられます。
モデルケースA
墓じまいの費用が比較的少なく(20万円から30万円程度)、樹木葬も合祀型(10万円程度)を選んだ場合は、トータルで30万円台から40万円台に収まるケースがあります。
モデルケースB
一方、墓石の規模が大きく撤去費用がかさんだり(50万円以上)、樹木葬で個別埋葬型を選んだりした場合(40万円から60万円程度)は、トータルで70万円から80万円程度になることもあります。
また、費用をできるだけ抑えたい場合は、石材店への相見積もりが有効です。
同じ内容の工事でも、業者によって費用に大きな差が出ることがあります。
「墓じまいは相見積りで30万円安くなる!後悔なく進める相見積のススメ」では、相見積もりを活用して費用を抑える具体的な方法を紹介しています。
「20万円から30万円程度で済ませたい」という希望をお持ちの方は、合祀型の樹木葬と、比較的規模の小さい墓じまいを組み合わせることで、その範囲に近づけられる可能性があります。
次の章では、費用の内訳をさらに掘り下げ、どこを抑えられるかを具体的に整理していきます。
費用の内訳を知れば、どこを抑えられるかが見えてくる
墓じまいと樹木葬のトータル費用は前の章でお伝えしました。
でも、30万円から80万円という金額幅の大きさに「結局いくらかかるのかわからない」と感じた方もいるのではないでしょうか?
ただ、費用に幅が生まれる理由を理解しておくと、「自分の場合はどこを抑えられるか」が見えてきます。費用を左右する主な要素は大きく3つあります。
費用を左右する要素その1:樹木葬の埋葬形式
前の章でも触れましたが、樹木葬の費用は埋葬形式によって大きく変わります。
改めて整理すると、以下の通りです。
| 合祀型 | 10万円から20万円程度 |
| 個別埋葬型 | 30万円から50万円程度 |
| 差額 | 最大で30万円以上の差がでる |
「特定の場所に手を合わせたい」「夫婦で同じ区画に入りたい」という希望がある場合は個別埋葬型が適していますが、「費用を抑えることを優先したい」「特定の区画にこだわらない」という場合は合祀型が現実的な選択肢になります。
樹木葬の埋葬形式を選ぶ際には、費用だけでなく「後から遺骨を取り出せるかどうか」も重要な確認ポイントです。
合祀型は一度埋葬すると遺骨を個別に取り出すことができないため、将来的に改葬を検討する可能性がある場合は、個別埋葬型を選んでおく方が選択肢を残せます。
費用を左右する要素その2:墓石撤去の規模と石材店の選び方
墓じまいの費用の中で最も大きな割合を占めるのが、墓石の撤去・処分費用です。
この費用は、墓石の大きさや区画の広さによって変わるため、ある程度は避けられない部分もあります。
ただし、同じ規模の工事であっても、依頼する石材店によって費用に大きな差が出るケースがあり、石材店への相見積もりを取ることで、費用を抑えられる可能性があります。
「墓じまいは石材店への相見積りで30万円安くなる!見積りの妥当性を解説」では、相見積もりを活用して費用を抑える具体的な方法と、見積もりの妥当性を判断する基準を紹介しています。
費用を左右する要素その3:離檀料の有無
寺院墓地にお墓がある場合、檀家関係を解消する際に離檀料が発生することがあります。
離檀料は法律で金額が定められているわけではなく、お寺との関係性や慣習によって異なります。
不要なケースもあれば、数万円から20万円程度になるケースもあります。
離檀料をめぐってトラブルになるケースも実際にあります。
「高額な離檀料を請求された」「なかなか離檀を認めてもらえない」といった状況に直面した場合は、一人で抱え込まずに専門家や代行業者に相談することが解決への近道です。
墓じまいのトラブル対応については「墓じまいのトラブル相談は代行業者がおすすめ|実際の解決事例も解説」で詳しく紹介しています。
なお、公営霊園や民間霊園にお墓がある場合は、離檀料が発生しないケースがほとんどです。
現在のお墓がどの種類の霊園にあるかによって、費用の見通しが変わってきます。
合計予算を30万円〜40万円程度で済ませるにはどうしたら良いか
ここまで整理してきた内容をふまえると、費用を抑えるための方向性は以下のようにまとめられます。
| 樹木葬は「合祀型」を選ぶ | 総額10万円から20万円程度に抑えられる |
| 墓じまいは相見積もりを取る | 複数の業者を比較することで、撤去費用を抑えられる |
| 離檀料の有無を確認 | 想定外の出費を防ぐことができる |
「30万円から40万円程度で済ませたい」という希望は、お墓の規模や立地条件によっては現実的に検討できる範囲です。
ただし、実際の費用は個別の状況によって異なるため、まずは石材店や霊園の窓口に相談して概算を確認することが、具体的な資金計画を立てる上での第一歩になります。
さて、費用の全体像をつかんだ上で次に気になるのは、手続きの流れではないでしょうか。
次の章では、墓じまいから樹木葬への手続きをどのように進めればよいかを、順を追って整理していきます。
墓じまいから樹木葬への手続きは、相談窓口を使えばスムーズに進む
「手続きが複雑そうで、自分には無理かもしれない…」
墓じまいと樹木葬を検討する中で、こうした不安を感じている方は少なくありません。
確かに、改葬許可の取得や役所への申請など、聞き慣れない手続きが複数あることは事実です。
ただ、結論からお伝えすると、手続きの流れ自体はシンプルで、相談窓口をうまく活用すれば一人で抱え込む必要はありません。
全体の流れを把握しておくだけで、「何から始めればいいかわからない」という不安はかなり和らぎます。
まず、墓じまいから樹木葬への移行は、大きく3つのステップで進みます。
ステップ1:樹木葬霊園を決め、受け入れ証明書を取得する
手続きを始める際、最初にやることは「移転先の霊園を決める」ことです。
改葬の手続きは、移転先が決まっていないと進められないためです。
樹木葬霊園に問い合わせて見学・契約の手続きを進めると、霊園側から「受け入れ証明書」(霊園使用許可証など、霊園によって名称が異なります)が発行されます。
この書類が、次のステップで必要になります。
霊園選びの段階で費用や埋葬形式についても確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。
ステップ2:現在のお墓がある市区町村で改葬許可証を取得する
移転先の霊園が決まったら、現在のお墓がある市区町村の役所で「改葬許可証」を申請します。
改葬許可証とは、遺骨を別の場所に移すことを行政が認める書類です。
この許可証がなければ、遺骨を合法的に移動させることができません。
申請に必要な書類は主に以下のものです。
- 改葬許可申請書(役所の窓口またはウェブサイトで入手できます)
- 埋葬証明書(現在のお墓がある霊園や寺院が発行します)
- 受け入れ証明書(ステップ1で取得したもの)
改葬許可証の申請自体は、書類が揃っていれば比較的スムーズに進みます。
「初めてでも大丈夫!墓じまい改葬許可証の手続きと必要書類の基本知識」では、初めて手続きをする方向けに基本的な知識をやさしくまとめています。
ステップ3:石材店に墓石の撤去を依頼し、遺骨を樹木葬霊園に移す
改葬許可証が取得できたら、石材店に墓石の撤去を依頼します。
撤去工事の前に、閉眼供養(魂抜き)を行うことが一般的です。
閉眼供養はお寺の僧侶に依頼するもので、現在のお墓に宿っているとされる魂を抜く儀式です。
費用やマナーについては「墓じまいのお布施はいくら包む?相場・マナー・渡し方を徹底解説」で確認しておくと安心です。
閉眼供養が終わったら、石材店に連絡して墓石の撤去に移ってもらいます。
無事に墓石の撤去が完了したら、遺骨を取り出し、樹木葬霊園に移します。
このとき、改葬許可証を霊園に提出することで、正式に埋葬の手続きが完了します。
ここまでの、詳細な手続き全体の順番については「墓じまいの手続きはこれでOK|やるべき順番を最初から最後まで解説」でも整理していますので、全体像を確認したい方はあわせてご覧ください。
「複雑な手続きなしで進めたい」なら、相談窓口の活用が近道
ここまで3つのステップを説明しましたが、「それでもやっぱり自分一人でやるのは不安」と感じる方もいるかもしれません。
そうした場合は、専門家や代行業者への相談を検討してみてください。
墓じまいの相談窓口は複数あります。
石材店、霊園の窓口、墓じまい専門の代行業者、行政書士などがその代表例です。
それぞれの窓口で相談できることや特徴が異なるため、自分の状況に合った窓口を選ぶことが大切です。
「墓じまいはどこに相談すればいい?4つの相談窓口と選び方を解説」では、各窓口の特徴と選び方をわかりやすく整理しています。
手続きをまるごと任せたい場合は、墓じまいの代行サービスが便利
改葬許可の申請から石材店の手配、遺骨の移送まで一括してサポートしてくれる業者もあります。
「墓じまい代行は何をしてくれる?サービス内容や費用内訳を徹底解説」では、代行サービスで対応できる範囲と費用の目安を詳しく紹介しています。
遠方にお墓がある場合は遠方対応の墓じまいサービスが便利
遠方にお墓があって現地に足を運ぶことが難しい場合でも、スマートフォンだけで手続きを完結できるサービスも登場しています。
「【スマホで完結】遠方の墓じまいサポート【全国対応】」では、現地訪問なしで進められるサポートの詳細を確認できます。
手続きは確かに複数のステップがありますが、相談窓口を活用すれば、自分一人で全てを抱え込む必要はありません。
「まず相談してみる」という一歩が、具体的に動き出すための最も確実な方法です。
近所でお参りできる樹木葬霊園を選ぶときの3つのポイント
費用の目安と手続きの流れが把握できたら、次は「どの樹木葬を選ぶか」という具体的な検討に入ります。
樹木葬霊園を選ぶ際に、多くの方が最初に気にするのは「本当にお参りしやすい場所にあるのか」という点です。
「樹木葬=山の中の自然葬」というイメージをお持ちの方にとっては、「近所でお参りできる霊園が本当にあるのだろうか」と半信半疑に感じることもあるかもしれません。
ただ、都市部を中心に整備された参道と設備を備えた樹木葬霊園は確実に増えており、最寄り駅から徒歩圏内でアクセスできる立地も珍しくありません。
問題は「存在するかどうか」ではなく、「自分たちの状況に合った霊園をどう選ぶか」です。
ここでは、近所でお参りしやすい樹木葬霊園を選ぶ際に確認しておきたい3つのポイントを整理します。
ポイント1:アクセスのしやすさを具体的に確認する
「近所でお参りできる」という条件を満たすためには、アクセスの実態を具体的に確認することが大切です。
霊園のウェブサイトに「駅から徒歩〇分」と記載されていても、実際に歩いてみると坂道が多かったり、道がわかりにくかったりするケースもあります。
確認しておきたい主な項目は以下のとおりです。
- 最寄り駅からの距離と所要時間
実際に歩いた場合の感覚として把握しておくと安心です。 - 駐車場の有無と台数
車でのアクセスを想定している場合は必須。 - お盆やお彼岸などの混雑具合
駐車場が満車になったり、混み合ってお参りしづらい可能性があります。
また、年齢を重ねるにつれてアクセスのしやすさへの要求は変わってきます。
現在は問題なく通えても、10年後・20年後のことを考えると、公共交通機関でもアクセスしやすい立地を選んでおく方が長期的に安心です。
ポイント2:お参りのしやすさと設備の整備状況を確認する
樹木葬霊園を選ぶ際に見落としがちなのが、霊園内のお参りのしやすさです。
「アクセスは便利だが、霊園内が整備されておらず歩きにくい」というケースもあるため、実際に見学して確認することをおすすめします。
確認しておきたい主な項目は以下のとおりです。
- 参道や通路が整備されているか
特に足腰への負担という観点から重要です。 - 段差や砂利道が多いか
年齢を重ねてからのお参りが負担になることがあります。 - 屋根付きの参拝スペースがあるか
雨天時のお参りのしやすさも確認しておくと安心です。 - 水場や手洗い場が整備されているか
実際にお参りを続ける上での快適さに関わります。
樹木葬の場合、埋葬形式によっては「特定の場所に手を合わせる」という従来のお墓参りのスタイルとは異なる場合があります。
合祀型では個別の区画がないため、共用の参拝スペースでお参りする形になります。
「自分たちがどのようにお参りしたいか」というイメージを持った上で、霊園の設備と照らし合わせて確認することが大切です。
ポイント3:費用と永代供養の条件を事前に確認する
霊園を選ぶ際には、初期費用だけでなく、長期的な費用の条件も確認しておくことが重要です。
まず確認したいのは、管理費の有無です。
樹木葬は「管理費不要」を売りにしている霊園も多くありますが、すべての霊園がそうとは限りません。
契約時に管理費が発生する場合は、年間いくらかかるのかを確認しておきましょう。
次に確認したいのは、合祀のタイミングです。
個別埋葬型の樹木葬では、一定期間が経過した後に合祀(他の方の遺骨と一緒に埋葬)される仕組みになっているケースがほとんどです。
合祀までの期間は霊園によって異なり、13年・17年・33年などさまざまです。
「いつ合祀されるのか」「合祀後もお参りできる場所が設けられているか」を事前に確認しておくと、後から「思っていたのと違う」という状況を防げます。
また、夫婦や家族で同じ区画に入れるかどうかも確認しましょう。
これは多くの方が気にするポイントです。
夫婦で同じ樹木葬霊園を検討している場合は、二人分の費用と区画の条件をあわせて確認しておきましょう。
霊園選びで迷った場合は、専門家への相談も有効な手段です。
「墓じまいアドバイザーとは?相談できること・費用・選び方を全て解説」では、墓じまいや霊園選びの相談に対応できる専門家の活用方法を紹介しています。
見学は必ず行っておきましょう
樹木葬選びで大切なポイントを確認する上で、最も確実な方法は実際に霊園を見学することです。
ウェブサイトやパンフレットだけでは伝わらない、霊園の雰囲気やお参りのしやすさは、足を運んでみて初めてわかることが多くあります。
多くの霊園では見学の予約を受け付けており、スタッフが案内しながら費用や埋葬形式についての説明もしてくれます。
「まだ具体的に決めていない」という段階でも、見学だけであれば気軽に問い合わせることができます。
「近所でお参りしやすい樹木葬霊園を探したい」という方は、まず自宅や実家の近隣にある霊園に問い合わせてみることが、具体的な検討を始める上での自然な第一歩です。
分からないことは相談してみよう
ここまで、樹木葬の基本的な特徴から、墓じまいとセットにしたときのトータル費用、手続きの流れ、霊園の選び方まで、順を追って整理してきました。
墓じまいや樹木葬の手続きは、初めて取り組む方にとって「何から始めればいいかわからない」と感じるのは当然のことです。
ただ、実際には多くの方が専門家や霊園スタッフのサポートを受けながら、スムーズに進めています。
「自分でやらなければならない」と思い込む必要はありません。
専門家に相談しながら進めることが、これら手続きの「一般的なやり方」です。
費用の目安を把握し、相談窓口を一つ使えば、あとは専門家が一緒に考えてくれます。
「墓じまい相談はどこへ?4つの窓口と状況別選び方ガイド」で、相談窓口の種類と選び方を整理しています。
手続きをまとめて任せたい場合は「墓じまい代行は何をしてくれる?サービス内容や費用内訳を徹底解説」も参考にしてみてください。
また、気になる樹木葬霊園があれば、資料請求をしてみましょう。
資料請求は無料でできるうえ、費用の概算や埋葬形式の詳細を手元で確認できます。
「まだ決めていない」という段階でも、比較検討のために複数の霊園から資料を取り寄せておくことは、後の判断を大きく助けてくれます。
墓じまいという一歩を踏み出したこの機会に、将来の供養についてもじっくり検討しながら進めてみてください。
参考リンク:



