墓石の写真

【2026年6月更新】

「実家の土地にある個人墓地、自分の代で墓じまいしたい」。

そう思って調べ始めたのに、改葬許可、みなし墓地、墓地廃止届と聞き慣れない言葉が次々と出てきて、結局どこから手をつければいいのか分からなくなっていませんか。

帰省するたびに荒れていく山の墓を見て、心が少しずつ重くなる。

子どもや甥姪に「あの山の墓どうするの」と困らせる前に、自分の頭がはっきりしている今のうちに片付けたい。

そう感じている方は、決してあなただけではありません。

結論からお伝えします。

個人墓地の墓じまいは、5つの段階で完結します。

最初の一歩は実家のある市区町村役場の改葬許可担当窓口へ電話するだけ。

ただし、ここで気をつけてほしいことがあります。

5つの段階を知っただけでは、多くの方が途中で止まります。

なぜなら、墓石を撤去した後の「山の一角の土地をどうするか」という跡地処理と、消極的なご家族をどう巻き込むかという親族合意の2点が、手順とは別に必ずついて回るからです

この2つを後回しにしたまま動き出すと、せっかく役所に電話しても、途中で「やっぱりご家族に確認してから」と止まってしまいます。

読み終えるころには、5つの段階の全体像が頭に入り、跡地の選択肢から自分に合った仮決めができ、ご家族との電話で何を話せばいいかが手元のリストになっているはずです。

この記事を読んで分かること

  • 個人墓地の墓じまい5つの段階
  • 跡地処理3つの選択肢
  • ご家族と話す4論点リスト

ぜひ最後までお読みください!

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個人墓地の墓じまいは5つの段階で完結する

個人墓地の墓じまいと聞くと、何だか特殊で難しそうに感じるかもしれません。

でも実は、流れそのものはとても分かりやすいものです。

役所への改葬許可申請、遺骨の取り出し、墓石の撤去、墓地廃止届、跡地処理。

この5つを順番にこなしていけば、必ず終わります。

大切なのは、5つの工程が「誰に相談すれば進むのか」を最初に押さえておくこと。

ここさえ分かれば、段取り重視のあなたなら、ひとつずつ着実に前に進められます。

個人墓地の相談先は自治体になる

一般的な墓じまいの記事や本を読むと、まず「お寺に相談しましょう」「お寺へのお礼の準備をしましょう」と書かれていることがほとんどです。

これが、個人墓地を持つ方にとって混乱の最大の原因になります。

「うちにはお寺がないのに、どうすればいいの」と最初の一歩でつまずいてしまうのです。

お寺との付き合いがない個人墓地、いわゆる「みなし墓地」と呼ばれるものの場合、最初の相談相手は実家のある市区町村役場になります。

具体的には、生活環境課や市民課、健康衛生課など、自治体によって名前はさまざまですが「墓地・埋葬を担当している窓口」があなたの情報の起点です。

墓地埋葬法という法律に基づく手続きを担っているのが、ほかでもないこの自治体窓口だからです

ここで安心してほしいのは、個人墓地だからといって特別に難しい手続きが追加されるわけではない、ということ。

むしろお寺へのお礼の交渉や宗派の確認が不要な分、手続きが少なくなる部分も多いのです。

その意味では、個人墓地は「役所と石材店だけで完結する」というメリットを持っています

「お寺の代わりに役所」と頭の中で置き換えるだけで、世の中にあふれる墓じまい情報が一気に自分ごととして読めるようになります。

まずは「相談相手は役所」という一点を心に置いてください。

全体の流れをつかめば順に進められる

個人墓地の墓じまいを、もう少し具体的にイメージしてみましょう。

全体は5つの段階に分かれています。

ひとつずつ見ていけば、決して複雑な手続きではありません。

第1段階は「役所への改葬許可申請」です。

お骨を今のお墓から別の場所に移すために、自治体の許可を取る手続きで、墓じまい全体のスタートになります。

申請書の提出から許可が下りるまでは、自治体にもよりますが1週間から1ヶ月程度を見ておくと安心です

第2段階は「遺骨の取り出し」。

改葬許可が下りたら、お墓を開けてお骨を取り出します。

山の中の個人墓地の場合、ご自身で取り出しが難しいことも多いので、石材店や墓じまい専門業者に依頼するのが一般的です。

第3段階は「墓石の撤去工事」。

石材店に依頼して、墓石を解体し、運び出してもらいます。

山の中の場合、現場までのアクセスや搬出経路の確認が必要なので、見積もりの段階で写真や動画を共有しておくと話が進みやすくなります。

第4段階は「墓地廃止届の提出」。

墓石を撤去したら、「ここはもう墓地ではありません」という届け出を再び役所に出します。

これを忘れると、書類上は墓地のまま残ってしまうので、撤去工事の完了とセットで済ませる項目です。

第5段階は「跡地処理」。

墓石を撤去した後の山の一角の土地を、これからどう扱うかを決めていきます。

保有するのか、地目を変更するのか、売却するのか。

この3つの選択肢については後ほど詳しくお伝えします。

順に並べてしまえば、たったこれだけです。

5つの段階がひとつずつ順番に進むため、同時並行で複数の作業を抱える必要はありません

「今は第何段階」と現在地を把握しながら進められます

手帳やノートに5つの段階を書き出し、ひとつ終わるごとにチェックを入れていく。

それだけで、自分が確実に前進している実感が得られます。

最初の一歩は役所への電話一本

5つの段階の全体像が見えたところで、いよいよ初動です。

来週、実家のある市区町村役場の改葬許可担当窓口に、電話を一本かけてみましょう。

たったこれだけで、止まっていたあなたの墓じまいが確実に動き出します。

「いきなり役所に電話するなんてハードルが高い」と感じるかもしれません。

でも安心してください。

役所の窓口担当者は、こうした問い合わせを日常的に受けています。

「個人墓地の墓じまいを考えているのですが、必要な書類と手順を教えてください」と切り出すだけで、順を追って案内してくれます。

電話一本で得られるのは、必要書類のリストと、申請から許可が下りるまでの所要期間、そして窓口に来てほしいタイミングという3つの情報です。

電話で確認すべき必要書類と申請の流れ

電話をかける前に、メモ用紙とペン、そして実家のお墓に関する基本情報をすぐ確認できるようにしておきましょう。

基本情報とは、お墓の所在地(住所や地番)、埋葬されている方のおおよその人数と続柄、お墓を相続したのが自分であること、この3つです。

電話で聞くことは、3つに絞ります。

1つ目は「改葬許可申請に必要な書類は何か」です。

「実家にある個人墓地から、別の場所へお骨を移したいと考えています。必要な書類を教えていただけますか」と切り出しましょう。

「個人墓地の場合、埋葬証明書はどなたが発行するのでしょうか」と具体的に聞くと、その自治体での運用を教えてもらえます。

2つ目は「申請から許可が下りるまでの所要期間」です。

1週間程度で済む自治体もあれば、書類審査に2〜3週間かかるところもあります。

この期間が分かれば、石材店への撤去工事の依頼時期や、新しい納骨先との契約タイミングを逆算して組み立てられます。

3つ目は「墓地廃止届の出し方とタイミング」です。

改葬許可と墓地廃止届は、同じ部署で扱われることもあれば、別の窓口に分かれていることもあります。

第4段階で戸惑わないためにも、最初の電話のうちに聞いておくと安心です。

この3点を聞き終えたら、最後に「担当者のお名前を教えていただけますか」と一言添えましょう。

電話を切ったら、その日のうちに聞いた内容をメモにまとめておきましょう。

これがあなたの墓じまい計画書の最初の1ページになります。

自治体ごとに運用が違うため最初の一本で見通しが立つ

墓じまいに関する記事や本を一生懸命読み込んでも、なかなか自分のケースに当てはめづらい。

これには明確な理由があります。

改葬許可や墓地廃止届の運用は、自治体ごとに細かく違うからです。

たとえば、改葬許可申請書のフォーマットは市区町村ごとに様式が違います。

必要な添付書類も、自治体によって埋葬証明書だけで済むところもあれば、戸籍謄本や系図の提出を求められる地域もあります。

特に、みなし墓地の場合は自治体ごとの差がさらに大きくなります。

「埋葬証明書は誰が発行するのか」「墓地としての登記がそもそも残っているのか」といった点も、当事者の自治体に聞かないと分からないことばかりです。

だからこそ、本やネットの一般論だけで判断しようとすると、いつまでも「自分はどっち?」と迷い続けることになります。

実際に対応した経験から言っても、何時間、何日と調べても見えなかった輪郭が、わずか10分の電話で全部見えてくることはよくあります

電話のタイミングは、平日の午前中、特に10時から11時頃が比較的つながりやすい時間帯です。

役所への電話前に準備すること

  • メモ用紙とペン
  • お墓の所在地(住所や地番)
  • 埋葬されている方のおおよその人数と続柄
  • 聞くことは「必要書類」「申請から許可までの期間」「墓地廃止届の出し方」の3つ

お骨の取り出しから廃止届まで石材店と役所で完結

役所への電話で全体像と必要書類が見えたら、次は実際の作業段階に入ります

第2段階のお骨の取り出しから、第3段階の墓石撤去工事、そして第4段階の墓地廃止届まで。

この3つの段階は、石材店と役所、たった2つの窓口だけで完結します。

個人墓地の場合、墓石撤去後に跡地をどうするかという点で、山の中の個人墓地ならではの注意事項が出てきます。

改葬許可申請と並行して、早い段階から石材店探しを始めておくのが鉄則です

お骨の取り出しと新しい納骨先の決め方

役所から改葬許可証が発行されたら、いよいよ第2段階、お骨の取り出しに進みます。

山の中の個人墓地の場合、ご自身やご家族だけで取り出すのは現実的ではありません

石材店や墓じまい専門業者に依頼するのが安全です。

業者に依頼する際、最初の問い合わせで伝えるべき情報は4つあります。

お墓の所在地(住所や地番)、墓石のおおよそのサイズ、現場までのアクセス状況(車が入れるか、徒歩のみか、傾斜はどの程度か)、そして埋葬されている方のおおよその人数。

この4つを写真や動画と一緒に送ると、見積もりが正確になります

取り出されたお骨は、新しい納骨先へ移します。

代表的な選択肢を4つまとめました。

ひとつ目は永代供養墓です。

お寺や霊園が代わりに供養を続けてくれるお墓で、子どもや甥姪に管理負担をかけたくない方に向いています。

費用の目安は10万円〜50万円程度です。

2つ目は納骨堂です。

屋内施設にお骨を安置するタイプで、アクセスがよく天候に左右されず参拝できるのが魅力。

費用は10万円〜100万円と幅があります。

3つ目は合祀墓です。

他の方のお骨と一緒に埋葬する形式で、最も費用を抑えられる選択肢です。

3万円〜10万円程度から見つかります。

ただし、一度納骨すると個別に取り出せなくなる点だけは、ご家族とよく話し合って決める必要があります

合祀墓の仕組みや合祀との違いについては墓じまいの合葬墓とは?合祀との違い・費用・進め方で詳しく解説しています。

4つ目は散骨です。

海洋散骨や樹木葬など、自然に還す形を選ぶ方も近年増えています。

費用は5万円〜30万円程度です。

納骨先は、改葬許可申請の段階で「受入証明書」が必要になることが多いのです。

受入証明書は、新しい納骨先の管理者が「このお骨を確かに受け入れます」と証明する書類で、これがないと改葬許可が下りない自治体がほとんどです。

つまり、改葬許可申請の前に、納骨先と少なくとも仮契約まで進めておく必要があります

役所への電話で必要書類を確認したら、その流れで納骨先探しを始めると、全体のスケジュールを効率的に組めます。

墓石撤去工事と墓地廃止届の出し方

お骨を取り出して新しい納骨先へ移したら、いよいよ第3段階の墓石撤去工事です。

山の中の個人墓地の場合、工事の費用と日数は現場条件で大きく変わるため、最低でも2〜3社から見積もりを取ることをおすすめします。

費用の目安は、平地の小さな個人墓地で15万円〜30万円程度、山の中で重機が入りにくい現場では30万円〜80万円になることもあります。

費用の幅が広いのは、石材の量、運搬距離、整地作業の有無、現場までのアクセスの難易度が現場ごとに違うためです。

見積もりを比較するときは、金額だけでなく作業範囲まで必ず確認しましょう。

「総額は安いけど、整地が別料金で結局高くついた」というのは、よくある落とし穴です。

工事が完了したら、第4段階の墓地廃止届の提出に進みます。

書類自体は簡単で、墓地廃止届に必要事項を記入し、工事完了を示す写真や石材店からの工事完了証明書を添付するのが一般的。

役所への電話の段階で、この届け出の書式と提出窓口まで確認しておけば、ここで戸惑うことはありません。

墓地廃止届を出さないと、書類上はそのお墓が墓地のまま残り続けてしまいます

後で土地を売却したり、地目を変更したりする際に、手続きが二度手間になります。

届け出が受理されれば、第2〜4段階は完全に完了です。

ここまで来れば、墓じまい全体の8割は完了したも同然です

墓石撤去工事の見積もりで確認する4点

  • 墓石の解体と運搬は含まれるか
  • 墓石の処分費は別途か込みか
  • 整地(撤去後の地面をならす作業)まで含まれるか
  • 残土の処分はどうなるか

跡地はどうする?取るべき3つの選択肢

墓石を撤去して墓地廃止届を出し終えたら、最後に残るのが「跡地をどうするか」という第5段階です。

山の中の一角に、これまでお墓があった土地が、空っぽの状態で残ることになります。

ここが、個人墓地の墓じまいで、もっとも多くの方が立ち止まる場所です。

お墓そのものは石材店と役所で片付けられても、土地は片付けただけでは消えてなくなりません。

ここで大切な考え方をひとつお伝えします。

今この段階で、跡地の使い道を「絶対こうする」と決め切る必要はありません。

なぜなら、跡地の最終決定にはご家族との合意が必要だからです。

3つの選択肢から、自分にとっての本命を仮決めしておく」というやり方が、もっとも無理なく前に進める方法です。

3つの選択肢のメリットと向いている人

跡地の選択肢は、大きく分けて3つあります。

そのまま保有する、地目を変更する、売却する。

どれが正解ということはなく、ご家庭の事情と、何を一番大切にしたいかによって、しっくりくる答えは変わります。

選択肢メリット向いている人費用の目安
そのまま保有手続き不要、急がず決められる愛着がある、急ぐ理由がない固定資産税のみ
地目を変更する将来の活用・売却がしやすくなる活用構想がある、整えておきたい0円〜10万円
売却する完全に手放せる、固定資産税ゼロに自分の代で片付けたい、時間に余裕あり地目変更費用+不動産業者手数料

ひとつ目はそのまま保有し続ける選択肢です。

地目変更や売却の手続きが不要で、追加の費用や手間がほとんどかかりません。

固定資産税は引き続き発生しますが、山林の場合は宅地と比べて税額が低く、年間数千円〜1万円程度で済むことも珍しくありません。

山そのものに愛着がある方、急いで処分する理由がない方に向いています。

2つ目は地目を変更する選択肢です。

費用は土地家屋調査士への依頼料が5万円〜10万円程度。

地目が「墓地」のままだと、利用や売却の幅が狭まるため、活用や売却の前段階として地目変更を選ぶケースもあります。

将来的にその土地を活用したい構想がある方に向いています。

3つ目は売却する選択肢です。

「自分の代でしっかり片付けたい」「次の世代に土地を残したくない」というお気持ちと、もっとも相性のよい選択肢です。

ただし、山の中の一角の土地は、買い手を見つけるのが簡単ではありません。

時間に多少の余裕がある方に向いています。

仮決めで止めてご家族との話し合いに持ち込む理由

跡地について「3つの選択肢から、本命をひとつ仮決めしておく」とお伝えしましたが、なぜ仮決めで十分なのか、もう少し丁寧にお話しします。

理由は明快で、跡地は「あなただけの土地」ではないからです。

法律上はあなたが相続した土地でも、ご家族にとっては「先祖代々の山」「自分のルーツのある場所」という意識が残っていることがあります。

お墓を片付けることには「任せる」と言っていたご家族が、跡地の話になった途端、「いや、売却はちょっと…」と口を挟んでくる、というのはよくあるパターンです。

だからこそ、跡地はご家族との話し合いを経て本決定するのが鉄則です

ただ、話し合いといっても、ゼロから「どうする?」と切り出すのは、お互いに重荷です。

何も叩き台がないまま話し合いを始めると、議論が拡散して、結局「また今度ね」で終わってしまいます。

そこで効くのが仮決めです。

「私は売却が一番いいと思っているんだけど、どう思う?」とご家族に投げかけられれば、相手も「うん、それで賛成」「いや、それなら保有のままで」と、具体的な反応をしやすくなります。

仮決めをしておくことのメリットは、役所への電話の段階で、跡地の見通しまで含めて確認できることでもあります。

「将来的に売却を考えているのですが、地目変更も必要ですか?」と聞けば、自治体での運用や手続きの順番まで一度に教えてもらえます。

ご家族との電話は4論点で一気に進める

ここまでで、墓じまいの5つの段階の全体像、役所への電話、お骨と墓石の片付け方、跡地の3つの選択肢と仮決めまで、準備が整いました。

残るのは最後のピース、ご家族との話し合いです。

電話一本で十分です。

ただし、何の準備もないまま電話をかけると、たいてい「うーん、また今度ね」で終わります。

ゼロからの話し合いはお互いに重荷だからです。

そこで効くのが、話す内容を4つの論点に絞っておくこと。

「手順」「跡地」「費用」「今後の供養」、この4つです。

この4つさえ押さえておけば、30分から1時間の電話で、ご家族との合意までたどり着けます。

消極的なご家族を巻き込む論点リストの作り方

電話の前に、A4用紙1枚に、4つの論点とあなたの考えを書き出しておきましょう。

論点1は「手順」です。

「個人墓地の墓じまいって、5つの段階で終わるみたい。手順は私のほうで進めるけど、書類のやり取りで実家のほうの確認が必要になったら、お願いすることになるかも」。

ポイントは、「私がやる」と明言すること

消極的なご家族にとって、「自分が動かなくてもいい」と分かることが、いちばんの安心材料になります。

論点2は「跡地」です。

「跡地は3つの選択肢があるんだって。そのまま保有、地目を変更する、売却する。私は売却がいいかなと思っているんだけど、どう思う?理由は、自分の代でちゃんと片付けて、次の世代に残したくないから」。

自分の本命を理由とセットで伝え、他の選択肢にも触れることで、ご家族は「自分の意見を出してもいい」と感じやすくなります。

論点3は「費用」です。

「全体の費用は、ざっくり50万円から100万円くらいかなと考えてる。費用は、相続したのが私だから、基本的に私が出すつもり」。

自分が出すと先に言ってしまうことで、相手は安心して話を聞けます。

論点4は「今後の供養」です。

「お骨は永代供養墓に移そうかなと考えてる。霊園が代わりに供養してくれるところ。年に1回くらいは、私もお参りに行くつもり。もし機会があれば一緒に行ってほしい」。

「これで先祖をないがしろにしているわけじゃない」というメッセージを、行動で示すことが大切です。

自分が元気な今動くことが次世代への贈り物になる

なぜここまでして「いま動くこと」をおすすめしたいのか、最後にその意味についてお話しさせてください。

山の中の個人墓地の手続きは、地元の記憶と人脈に支えられています。

あなたやご家族が、まだ実家のことを覚えている、地元に足を運べる、地元の知り合いと連絡が取れる、いまのうちなら、これらの情報を使って手続きを進められます。

けれど10年、20年と時が経つにつれて、地元の知り合いは少なくなり、土地の感覚も薄れていきます。

「自分の頭がはっきりしているうちに、自分の意思で動く」という、その経験そのものに価値があります

自分で役所に電話をかけ、自分で石材店と打ち合わせをし、自分でご家族と話し合い、自分で納骨先を選ぶ。

その一つひとつの積み重ねを通じて、「自分は、自分の家のことを、自分で考えて決めた」という確かな感覚が、心のなかに残ります。

これは、子どもや甥姪に残せる、何ものにも代えがたい贈り物です。

物質的な相続ではなく、「手を煩わせない」という贈り物

彼らがそれぞれの人生で忙しくしている時期に、「あの山の墓どうするの」という重荷を背負わせない、という選択を、いま、あなたが代わりに引き受ける。

来週の電話一本で墓じまいを今日から動かす

ここまでお伝えしてきたことを、最後にぎゅっと振り返らせてください。

個人墓地の墓じまいは、5つの段階で完結する事務手続きです。

役所への改葬許可申請、お骨の取り出し、墓石撤去、墓地廃止届、跡地処理

相談先は自治体になるので、最初の一歩は実家のある市区町村役場の改葬許可担当窓口への電話一本です

跡地は保有・地目変更・売却の3択から本命を仮決めしておけば、ご家族との話し合いがぐっと進みます。

そしてご家族との電話は、手順・跡地・費用・今後の供養の4論点に絞った論点リストを準備すれば、一回で合意まで届きます。

この三点セットさえ手元にあれば、もう「何から手をつければいいか分からない」状態には戻りません

次にやること、たった2つです。

今週:実家のある市区町村役場の代表電話番号を調べて、メモに書き留める。

スマホで「○○市 役所」と検索するだけ、5分で終わります。

来週:改葬許可担当窓口へ電話して、必要書類と手順を確認する。

「個人墓地の墓じまいを考えています。必要な書類と流れを教えてください」、この一言で5つの段階は動き出します。

進めていくなかで不安になったときは、こちらの記事もあわせてご覧ください。

参考リンク:

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