
墓じまいの骨上げとは?
作業内容・誰がやるか・当日の手順を解説
【2026年7月更新】
墓じまいの準備を進めるなかで「骨上げ」という言葉を目にして、「これはどういう作業なのだろう」「自分は何をすればいいのだろう」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
墓じまいの骨上げとは、お墓の中に納められている骨壺やお骨を取り出す作業のことです。
お墓を片づけて更地にする前に、必ず行う工程になります。
この作業は石材店や墓じまい専門業者が主体となって進めるため、ご家族が自分の手で骨を掘り出すようなことはありません。
とはいえ、「業者に任せておけば大丈夫」と思っていると、当日になって初めて知ることが重なり、気持ちの余裕がなくなってしまうことがあります。
骨上げは、故人のお骨と直接向き合う数少ない場面です。
誰が何をするのか、どんな順番で進むのかを先に知っておくことで、落ち着いてその時間を過ごせるようになります。
この記事では、墓じまいの骨上げがどういう作業なのか、誰が中心となって進めるのか、当日はどんな手順で行われるのか、そして取り出したお骨の状態について事前に知っておきたいことまで、順を追って解説します。
骨上げのあとに続く納め先の決定や手続きの準備についても、あわせて触れています。
読み終えていただければ、自分のお墓でこれから何が起き、誰に何を確認すればよいかを頭の中で整理できるようになります。
この記事を読んで分かること
- 骨上げとは=お墓から遺骨を取り出す作業
- 骨上げを進める石材店・業者と家族の役割
- 魂抜きから持ち帰りまでの当日5ステップ
ぜひ最後までお読みください!
目次
墓じまいの骨上げはお墓から遺骨を取り出す作業

墓じまいの骨上げとは、お墓の下にある「カロート(納骨室)」に納められた骨壺やお骨を、外へ取り出す作業のことです。
お墓を解体して更地にするには、まず中のお骨を取り出さなければなりません。
その取り出しの工程が骨上げにあたります。
「骨上げ」という言葉は、火葬のときにお骨を骨壺へ納める作法を指して使われることもあります。
ただ、墓じまいの場面での骨上げは、すでにお墓に納められているお骨を取り出す作業を指しているとおさえておけば十分です。
呼び方も、業者によっては「遺骨の取り出し」「お骨上げ」などさまざまですが、指している作業は同じです。
骨上げで具体的に行うこと
墓じまいの骨上げで実際に行われるのは、次のような作業です。
- お墓の上に建っている墓石を動かして、カロートの入り口を開ける
- カロートの中に納められている骨壺を、一つずつ取り出す
- 取り出した骨壺が誰のものか、数はいくつかを確認する
カロートは、地下にある場合もあれば、墓石の内部に組み込まれている場合もあり、構造はお墓によってさまざまです。
そのため、まず墓石を動かして中を開けるところから始まります。
中には骨壺が複数納められていることが多く、代々のご先祖のお骨がまとめて安置されているお墓では、数が多くなることもあります。
お墓によっては、骨壺を使わずにお骨を直接土に納めている場合もあります。
その場合は、お骨の下の土ごとすくい取って、袋や新しい骨壺に移して取り出します。
いずれにしても、力仕事や専門的な作業が中心になるため、業者の手で進められます。
骨上げは墓じまいのどの段階で行うか
骨上げは、墓じまいの工程の中で「お墓を解体・撤去する直前」に位置します。
おおまかな流れは、お墓から魂を抜く「魂抜き」の供養をしたあと、骨上げでお骨を取り出し、その後に石材店が墓石を撤去して更地に戻す、という順番です。
つまり、お骨を取り出す骨上げが終わってはじめて、お墓の解体工事に進めます。
骨上げをせずにお墓だけを壊すことはできないため、墓じまいには欠かせない工程です。
なお、骨上げにかかる費用は、多くの場合、お墓の撤去工事の見積もりに含まれる形で示されます。
骨上げだけを単独で頼むというより、「魂抜き・骨上げ・撤去工事」をまとめて石材店に依頼するのが一般的です。
見積もりを取るときは、骨上げ(お骨の取り出し)が費用に含まれているかを確認しておくと安心です。
骨上げは、故人のお骨と向き合う最後の場面であり、墓じまいの中でも特に気持ちが動く工程だといえます。
墓じまい全体の流れをまとめて確認したい方は、墓じまい完全ガイド|費用相場や手続きの流れを全て解説もあわせて読むと、骨上げの位置づけがつかみやすくなります。
骨上げは石材店や業者が主体となって進める

骨上げの作業は、石材店や墓じまい専門業者が主体となって進めます。
お墓の構造によっては重い墓石を動かす必要があり、専門の道具と技術が欠かせないためです。
無理に自分たちで動かそうとすると、墓石が倒れてけがをする危険もあります。
安全のためにも、この部分は業者に任せるのが基本です。
ご家族がスコップを持ったり、直接カロートの中に手を入れたりする場面は、基本的にありません。
とはいえ、「業者が全部やってくれるから何も知らなくていい」というわけでもありません。
当日どこにいればよいか、何を確認すればよいかを、事前に整理しておく必要があります。
役割を知らないまま当日を迎えると、せっかくの大切な場面で落ち着いて過ごせなくなってしまいます。
家族が担うのは立ち会いと確認
取り出し作業そのものは業者が行いますが、ご家族には「確認する」という大切な役割があります。
当日に担うのは、主に次の3つです。
- 取り出された骨壺が誰のものかを確認すること
- お骨の状態や数を業者と一緒に確認すること
- 取り出した骨壺を次の納め先へ持ち帰る準備をすること
「誰の骨壺が納められているか」「骨壺の数は何個か」といった確認は、ご家族にしかできない部分です。
古いお墓では、記録に残っていないお骨が一緒に納められていたり、想定より骨壺の数が多かったりすることもあります。
取り出したお骨を新しい納め先へ移すときには、誰のお骨が何体あるのかがはっきりしていることが大切になるため、当日の確認はとても重要です。
当日は確認する立場で立ち会う意識を持っておくと、こうした場面でも落ち着いて対応できます。
なお、立ち会いが必須かどうかや、代理人を立てられるかについては、墓じまいの立会いは必須?誰が行くか・代理と当日の持ち物を解説で詳しく解説しています。
遠方に住んでいて当日の参加が難しい方は、あわせて確認してみてください。
立ち会いの有無や当日の流れは業者やお寺で異なる
骨上げの進め方は、依頼する業者やお寺の方針によって異なります。
大きく分けると、次の3つのパターンがあります。
| パターン | 立ち会う人 | 当日の進み方 |
| 同日にまとめて行う | 業者・ご家族・お坊さん | 魂抜きの読経のあと、続けて取り出しまで進める |
| 日をあらためて行う | 魂抜きはご家族、取り出しは業者中心 | 魂抜きを先に済ませ、後日あらためて取り出す |
| 立ち会いなしで任せる | 業者のみ | 遠方などの事情で、作業後に写真や報告書を受け取る |
一つ目は、石材店・ご家族・お坊さんが全員そろって立ち会うパターンです。
魂抜きの読経を行ったその場で、続けて取り出し作業まで進めます。
一日で区切りがつくため、遠方から何度も足を運べない方に向いています。
二つ目は、魂抜きの法要を先に済ませ、後日あらためて石材店が取り出し作業を行うパターンです。
この場合、ご家族は魂抜きには立ち会うものの、取り出しの当日は立ち会わないという選び方もできます。
お坊さんと石材店の予定が合わないときにも取られる方法です。
三つ目は、遠方に住んでいるなどの事情から、ご家族は立ち会わず、業者だけで作業を進めるパターンです。
この場合は、作業のあとに業者から写真や報告書が届く形が一般的で、現地に行けなくても進められる安心感があります。
どのパターンになるかは、依頼先の業者やお寺との事前の打ち合わせで決まります。
「当日どうすればよいか」が曖昧なまま進めると、当日になって「自分はここに立っていてよいのか」と戸惑う場面が出てきます。
先に流れを聞いておくだけで、当日の安心感が大きく変わります。
骨上げ当日の手順を5つのステップで確認する
骨上げの当日は、どんな順番で何が行われるのでしょうか。
一般的な流れは、次の5つのステップで進みます。
| ステップ | 行うこと | 中心になる人 |
| 1. 魂抜き | お墓から魂を抜く読経の供養をする | お坊さん |
| 2. 墓石を動かす | 墓石をずらし、カロートの入り口を開ける | 石材店 |
| 3. お骨を取り出す | カロートから骨壺を一つずつ取り出す | 石材店・業者 |
| 4. 内容を確認する | 誰の骨壺か・数・状態を確かめる | ご家族・業者 |
| 5. 持ち帰る | 骨壺を次の納め先や一時保管先へ運ぶ | ご家族 |
ステップ1の魂抜きは、お墓に宿った魂をいったん抜いて、ただの石に戻すためにお坊さんに読経してもらう供養です。
多くの場合、お骨を取り出す前にこの魂抜きを行います。
読経は15分から30分ほどで、ご家族はその場で手を合わせて見守ります。
魂抜きと取り出しを同じ日にまとめるか、別の日に分けるかで、当日の立ち会い方が変わってきます。
ステップ2の墓石を動かす作業では、石材店が専用の道具を使って墓石をずらし、カロートの入り口を開けます。
墓石は数百キロにおよぶこともあり、ここは完全に業者の仕事です。
ご家族は少し離れた場所で見守ります。
ステップ3のお骨の取り出しが、骨上げの中心となる作業です。
開いたカロートの中から、骨壺を一つずつ丁寧に取り出していきます。
お墓の構造や納められた骨壺の数によって、数十分で終わることもあれば、半日ほどかかることもあります。
ステップ4の確認は、ご家族の出番です。
取り出した骨壺が誰のものか、数はそろっているか、お骨の状態はどうかを、業者と一緒に確かめます。
ステップ5では、取り出した骨壺を、決めておいた次の納め先へ運ぶか、いったん自宅などで一時的に保管します。
骨壺を持ち帰る袋や箱を用意しておくと、当日に困らずに済みます。
法律上、お骨を自宅で一時的に保管すること自体は問題ありません。
全体でかかる時間は、お墓の大きさや骨壺の数によって変わりますが、魂抜きから取り出しまでを同じ日に行う場合、半日ほどで終わることが多くあります。
当日は動きやすく汚れてもよい服装で臨み、墓地は足場が悪いこともあるため歩きやすい靴を選んでおくと安心です。
この5つのステップを頭に入れておくだけで、「今、何が行われているのか」「次に自分は何をすればよいのか」が分かり、落ち着いて当日を迎えられます。
もし当日どうしても立ち会えない場合は、代理人を立てたり、業者だけで進めて写真で報告してもらったりする方法もあるため、早めに業者へ相談しておくと安心です。
骨上げのときに知っておきたいお骨の状態
骨上げの場面で、多くの方が「予想していなかった」と振り返るのが、お骨の状態についてです。
骨壺の中のお骨は、納骨からの年月や環境によって、当初とは見た目や状態が変わっていることがあります。
きれいなまま残っているとは限らず、想像とは違う姿になっていることもあります。
特に、納骨から数十年が経っている古いお墓や、火葬ではなく土葬で埋葬された時代のお墓では、変化が大きくなる傾向があります。
このことを事前に知っておくかどうかで、当日の気持ちの余裕が大きく変わります。
何が起きても慌てないよう、あらかじめ心づもりをしておくことが、故人のお骨と落ち着いて向き合うための準備になります。
お骨が変化する主な原因は湿気と長い年月
お墓のカロートは、地面の下や石の内部に設けられた、密閉に近い空間です。
風通しがよいわけではないため、長年にわたって湿気が溜まりやすく、骨壺の内部にも水分が入り込むことがあります。
湿気と長い年月によって起こる主な変化には、次のようなものがあります。
- 骨壺の中に水が溜まっている:カロートが地面に近い構造のお墓では、雨水や地下水が入り込み、骨壺の底に水が溜まっているケースが珍しくありません
- お骨が変色・カビを起こしている:長年湿気にさらされることで、白かったお骨が黒ずんだり、表面にカビが見られたりすることがあります
- お骨が土に還っている:納骨から数十年が経つと、お骨が崩れて形をとどめていなかったり、土と混じり合っていたりすることもあります
特に、骨壺を使わずお骨を直接土に納める形式をとっていた古いお墓では、取り出せるお骨がほとんど残っていないこともあります。
こうした変化は、故人への敬意が足りなかったから起きるものではありません。
長い年月と自然の影響によるもので、古いお墓では珍しくない状態です。
むしろ、長い時間お墓を守ってきた証でもあります。
ただ、何も知らないまま当日に目の当たりにすると、気持ちが動揺してしまうことがあります。
「そういうこともある」と先に知っておくだけで、落ち着いて受け止めやすくなります。
事前に業者へ確認しておくと当日に慌てずに済む
お骨の状態については、骨上げを行う石材店や墓じまい業者に、事前に相談しておくことが大切です。
状態によって当日の対応や、追加でかかる費用が変わることもあるため、次の3点を聞いておくと安心です。
お骨の状態について業者へ確認したい3点
- 骨壺に水が溜まっていた場合、水を抜いて乾燥させる処置をしてもらえるか
- お骨が崩れている・土に還っている場合、どこまで取り出すか
- 骨壺が劣化して割れている場合、新しい骨壺へ移し替えてもらえるか
お骨が湿っていた場合には、新しい納め先へ移す前に乾燥させたり、洗ってきれいに整えたりする「洗骨」という処置をお願いできることもあります。
お骨の状態は、実際に開けてみるまで誰にも分かりません。
だからこそ、「もし変化していたらどうするか」を業者と共有しておくことが、落ち着いて当日を迎えるための備えになります。
骨上げのあとは納め先の確認と手続きに進む
骨上げでお骨を取り出したあとは、「このお骨をどこに納めるか」を決め、そのための手続きを進めることになります。
納め先には、いくつかの選択肢があります。
主なものは次のとおりです。
- 永代供養墓:お寺や霊園が代わりに管理・供養を続けてくれる。お参りに行けなくても任せられる
- 樹木葬:樹木や草花を墓標にする。宗教を問わない施設が多い
- 納骨堂:屋内の施設に納める。天候に左右されずお参りできる
- 散骨:お骨を細かくして海や山にまく。お墓の形を残さない
- 手元供養:自宅でお骨の全部または一部を保管する
それぞれ費用や手続き、宗教的な考え方との相性が異なるため、家族で話し合いながら決めていきます。
骨上げを終えた段階では方向性だけでも決まっていると、その後の手続きに進みやすくなります。
納め先ごとの費用や進め方をくわしく比べたい方は、墓じまい後の納骨先はどこにする?6つの選択肢と費用・進め方で全体像を確認できます。
納め先が決まったら、次に必要になるのが行政手続きです。
墓じまいでお骨を別の場所へ移すときは、いまお骨が納められている市区町村の役所で「改葬許可証」という書類を受け取る必要があります。
この許可証がないと、新しい納め先にお骨を移すことができません。
受け取るまでの流れは、次の3ステップが基本です。
改葬許可証を受け取るために必要な書類
- いまのお墓があるお寺や霊園から「埋葬証明書」を発行してもらう
- 新しい納め先から「受入証明書」を発行してもらう
- 2つの書類を揃えて市区町村の役所へ提出し、改葬許可証を受け取る
「埋葬証明書」は、いまのお墓に確かにそのお骨が納められていたことを証明する書類で、「受入証明書」は、新しい納め先がそのお骨を受け入れますという書類です。
この2つで「どこから、どこへ移すのか」がはっきりするため、役所は改葬許可証を出せるようになります。
書類の取り寄せには数日から数週間かかることもあるので、骨上げの日程と合わせて早めに動いておくと安心です。
骨上げはお骨を取り出すところまでの作業ですが、その先に納め先の決定と手続きが控えていることを知っておくと、全体の見通しが立てやすくなります。
骨上げの流れを確かめ、業者への確認を始めよう
ここまで、墓じまいの骨上げがお墓から遺骨を取り出す作業であること、石材店や業者が主体となって進めること、当日は魂抜きから取り出し・確認・持ち帰りまでの5つのステップで進むこと、そして取り出すお骨の状態について事前に知っておきたいことを整理してきました。
知識として頭に入れただけでは、まだ半分です。
実際の進め方は依頼する業者やお寺によって異なるため、「自分のお墓では誰がどう進めるのか」を直接確かめることが、安心して当日を迎えるいちばん確実な方法になります。
まずは、当日の作業の流れ全体(魂抜きと取り出しは同じ日か別日か)、立ち会いの要否(代理人でも対応できるか)、お骨の状態への対応方針(水や崩れがあった場合にどうするか)の3つを、業者に確認してみてください。
依頼先の石材店や墓じまい業者に「骨上げの当日の流れを教えてください」と一言連絡を入れるところから始めれば十分です。
一つずつ確かめていけば、止まっていた気持ちも落ち着いて動き出します。
参考リンク:


