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【2026年6月更新】

お墓の管理者が誰なのか、どう調べればいいのか分からず、立ち止まっていませんか。

言葉は聞いたことがあるけれど、誰を指すのか、自分の家のお墓の管理者が今は誰なのか、いざ調べようとするとよく分からない。

「まずは自分でちゃんと理解してから家族と相談しよう」と思っている方は、決して少なくありません。

結論からお伝えします。

お墓の管理者とは、法律上「祭祀承継者(さいしちょうけいしゃ)」と呼ばれる人物、簡単に言えば「お墓を正式に引き継いだ人」のことです。

そして、この管理者が誰かを確認することが、墓じまいを進めるうえでの最初の一歩になります

ただし「意味が分かった」だけでは半分です。

自分の家の管理者が今は誰なのかを確かめる方法と、確認できた後にすることを知っておかないと、いざ動こうとしたときに「誰に聞けばいいのか分からない」という壁にぶつかってしまいます。

実際、過去のご相談でも「お墓の管理者だと分かる書類が手元になく、誰に確認すればいいのか分からなかった」というお声をいただいてきました。

多くの方が、家族に一つずつ尋ねるところから確かめています。

この記事では、お墓の管理者の意味をやさしく整理したうえで、家族・お寺・役所という3つの確認ルートをご紹介します。

さらに、調べても分からないときの考え方や、分かった後に取れる次の一歩までを、順を追って説明していきます。

この記事を読んで分かること

  • 管理者の正体である「祭祀承継者」の意味
  • 管理料の支払い者をたどる確認のコツ
  • 確認後に進める墓じまいの始め方

ぜひ最後までお読みください!

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お墓の管理者とは「お墓を引き継いだ人」のこと

お墓の管理者とは法律上の祭祀承継者で、お墓を正式に引き継いだ人を指すことを示した図解イラスト

お墓の管理者とは、一言で言えば「お墓を正式に引き継いだ人」のことです。

法律の世界では「祭祀承継者(さいしちょうけいしゃ)」と呼ばれます。

「祭祀(さいし)」とはお墓やお仏壇、位牌などご先祖を供養するものをまとめた言葉で、祭祀承継者とは、それらを受け継いで管理していく人のことを指します。

この立場は民法第897条という法律で定められており、原則としてひとりが引き継ぐものとされています。

引き継いだ人が、お墓の維持管理やお寺とのやり取り、管理料の支払いなどを担うことになります。

「祭祀承継者」をやさしく言いかえると

難しい言葉を使わずに言えば、祭祀承継者とは「お墓のことを責任を持って引き受けた人」です。

具体的には、次のようなことを担う立場の人を指します。

祭祀承継者が担うおもな役割

  • お墓の維持管理(草取り・清掃・修繕の手配など)
  • お寺や霊園との窓口になること
  • 管理料や年間費用の支払い
  • 法要や納骨のとりまとめ

つまり、日ごろから「うちのお墓のことを中心になって動いている人」が、祭祀承継者であることが多いといえます。

また祭祀承継者は、お墓を所有する権利(祭祀財産の所有権)を持つ立場でもあり、墓じまいではこの人が申請者や手続きの主体になります。

だからこそ、墓じまいを検討する前に「誰が祭祀承継者なのか」を確認しておくことが、手続き全体をスムーズに進める土台になります

長男が継ぐとは限らない、実際の決まり方

「お墓は長男が継ぐもの」という考え方は今も根強く残っていますが、法律上そのような決まりはありません。

民法第897条は、決め方を次のように定めています。

  • 亡くなった方が生前に指定した人が引き継ぐ
  • 指定がない場合は、その地域の慣習にしたがって決める
  • 慣習がはっきりしない場合は、家庭裁判所が定める

つまり、長男でなければならないというルールはなく故人の意思や家族の話し合い、慣習によって柔軟に決まります

実際には、長女が引き継ぐケースや、配偶者が管理者になるケース、複数のきょうだいで話し合って決めるケースなど、さまざまな形があります。

墓じまいやお骨の引越しの全体像については、墓じまいの改葬って何?言葉の意味と手続きの進め方を解説もあわせてご覧いただけます。

管理者の確認が、墓じまいの最初の一歩

管理者が誰かの確認が墓じまいの出発点で、分からないと申請者や費用の負担先が決まらないことを示した図解イラスト

お墓の管理者が誰かを確認することは、墓じまいを進めるうえでの出発点になります

なぜそれほど重要なのかを、具体的に見ていきます。

管理者が分からないと、何が困るのか

墓じまいでは、役所への申請やお寺とのやり取りなど、さまざまな手続きが発生します。

これらはすべて「管理者(祭祀承継者)が誰であるか」を前提に動いていきます。

管理者が定まらないまま始めようとすると、次のような問題が起きやすくなります。

  • 役所での許可手続きで、申請者が誰になるか決まらない
  • お寺へのお別れの申し出を、誰が行うのかが曖昧になる
  • 家族への相談で「誰が決める立場なのか」がはっきりしない
  • 費用の負担先が決まらないまま手続きだけが進んでしまう

逆に言えば、管理者がはっきりしていれば、これらの多くは事前に防げます。

「誰が中心になって動くのか」が決まるだけで、手続き全体の見通しが一気に立ちやすくなります

「なんとなく誰かが管理」では進められない

実家にお墓がある家庭では、慣習的に誰かが管理を担ってきたケースが多くあります。

しかし、慣習的な管理と法律上の祭祀承継者は、必ずしも一致するとは限りません

長年管理料を払ってきた人が、正式な祭祀承継者として認められているかどうかは、別の問題として確認が必要です

また、過去に「誰かが引き継いだ」という認識があっても、それが家族全員に共有されているとは限りません。

それぞれが「自分ではない誰かが管理者だと思っていた」という状況も起こりえます。

曖昧さを残したまま話を進めると、途中で「誰の同意が必要か」「誰が手続きの主体か」という根本的な問いに立ち返らざるを得なくなり、手続きが滞る原因になることもあります。

お寺や家族への相談を円滑に進めるヒントは、墓じまいの交渉のコツ|お寺と親族に角を立てない進め方もご参考になります。

管理者を確かめる3つの方法(家族・お寺・役所)

管理者を確かめる方法は、「家族への確認」「お寺への問い合わせ」「役所への確認」の3つに絞られます。

それぞれ確認できる内容と動き方が少しずつ異なります。

まずは全体像を、次の表で整理します。

確認先確認できること向いている人
家族管理料を払ってきた人・お寺の窓口役まず手軽に始めたい人
お寺檀家や墓地の記録に残る管理者家族で分からなかった人
役所(市区町村)公営墓地の使用者登録・申請者公営墓地・個人墓地の人

自分の状況に合った方法を選んで、まず一つから動いてみるとよいでしょう。

家族に「誰が管理料を払ってきたか」を確認する

3つの中で最もハードルが低く、まず取りかかりやすいのがこの方法です。

管理者を特定するうえで最も手がかりになるのが「管理料の支払い者」です

お寺や霊園に払う年間管理料を誰が続けて払ってきたか、この一点を家族に確認するだけで、管理者に近い人物が見えてくることがほとんどです。

たとえば次のような聞き方が自然です。

そのまま使える家族への聞き方

  • 「お墓の管理料って、誰が払ってきたか知ってる?」
  • 「お寺への連絡は、これまで誰がしてきたの?」
  • 「身近な方が亡くなったとき、お墓のことを誰が引き継いだか聞いてる?」

長年お寺との窓口を担ってきた人や、法要のたびに中心になって動いてきた人がいれば、その方が祭祀承継者である可能性が高いといえます。

ただし「慣習的に管理してきた人」と「正式な祭祀承継者」が同じとは限りません。

まずは「誰が実質的に管理してきたか」を把握し、その人を中心に家族で話し合えば、正式な管理者を確認・合意する流れにつながっていきます。

お寺に問い合わせて記録で確認する

お寺には、檀家や墓地の管理に関する記録が残っていることが多くあります。

家族に聞いても分からないときは、お寺への問い合わせが次の手段です。

連絡するときは、次のように切り出すと自然です。

  • 「いつもお世話になっております、〇〇家の者です」
  • 「墓じまいを検討しており、今の管理者が誰になっているか確認させていただきたいのですが」

記録の形式はお寺によって異なりますが、丁寧に事情を伝えれば、多くの場合は対応してもらえます

お寺との最初の連絡が不安な方も、「確認したいことがある」という一言から始められます。

なお、お寺の境内ではなく山や田畑の一角にある個人墓地の場合は、お寺の記録ではなく役所や法務局での確認が必要になることがあります。

個人墓地については、個人墓地の墓じまいはどう進める?5つの段階で完結する全体像もあわせてご覧ください。

役所への確認が必要なケースと問い合わせ先

家族とお寺への確認で特定できることがほとんどですが、状況によっては役所への確認が必要になります。

役所への確認が必要になりやすいのは、次のようなケースです。

  • お墓がお寺の墓地ではなく、公営霊園や公営墓地にある場合
  • 個人墓地で、土地の種類や所有者を確認する必要がある場合
  • お骨の引越しで「改葬許可証」の申請者を確認する必要がある場合

公営霊園や公営墓地では、墓地の使用者として登録されている人物が管理者にあたります。

墓地を管理している市区町村の担当窓口(環境課・市民課などの名称が多い)に問い合わせれば確認できます。

問い合わせの際は、お墓のある霊園・墓地の名称と所在地、区画番号(分かる場合)、自分と故人との関係を手元に用意しておくとスムーズです。

窓口の説明に疑問を感じたときは、別の窓口や専門家に再確認することも選択肢のひとつです。

調べても管理者が分からないときの考え方

家族に聞いても、お寺に問い合わせても、管理者がはっきりしない。

そういう状況になると「このまま墓じまいを進められるのだろうか」と不安になるかもしれません。

ですが、管理者が明確でないケースは決して珍しくありません

一定の考え方と手順に沿って整理していけば、次の一歩を踏み出すことは十分に可能です

管理者が分からない主な理由と整理の仕方

管理者が特定できない状況には、いくつかのパターンがあります。

自分の状況がどれに近いかを確認することが、解決の糸口になります。

  • 誰も引き継いだ記憶がないとき:引き継ぎの話し合いをしないまま現在に至っているケースです。まず「誰が一番長くお寺や霊園の窓口を担ってきたか」を家族で振り返ります。管理料の支払いが通帳や領収書に残っていれば、それも手がかりになります。
  • 複数の人が関わってはっきりしないとき:管理料の支払いや法要のとりまとめを分担してきたケースです。家族で話し合い、墓じまいに向けて改めて管理者を決め直すのが現実的です。法律上ひとりとされていても、役割を分担すること自体は妨げられません。まず「誰が手続きの主体になるか」を合意することが大切です。
  • 遠方でお寺と連絡が取れていないとき:子の代になってお寺との関係が薄れ、記録を確認できていないケースです。まずはお寺に連絡を取り直します。長く連絡が途絶えていても、丁寧に事情を説明すれば対応してもらえることがほとんどです。

管理者が決まっていなくても、次の一歩は踏み出せる

管理者がすぐに特定できなくても、墓じまいに向けた準備は進められます

全体の流れを把握したり、必要な書類を調べたりすることは、管理者の確認と並行して行えます。

ただし、書類の手続きで想定外の確認事項が出てくることもあります。

たとえば私有地のお墓では、家系図の提出を求められたケースもあります。

動き出す前に全体像を把握しておくことが、余裕を持って進めるための備えになります。

「誰も管理者になりたくない」と感じるとき

「自分が管理者になるのは避けたい」という気持ちがぶつかり、話し合いが進まないこともあります。

そんなときは、視点を変えることが助けになります。

「管理者になる」ことは、負担を一人で抱え込み続けることではありません。

墓じまいという区切りを終え、新しい供養の形に移れば、管理の負担そのものをなくすことができます。

たとえば墓じまいの後に永代供養へ移れば、その後の管理はお寺や施設が担ってくれます。

「管理者を決めること」と「永遠に管理を引き受けること」は同じではない、と家族で共有しておくと話し合いが前に進みやすくなります。

永代供養との関係は、墓じまいと永代供養の違いとは?意味・手順・費用と選び方を解説で詳しく解説しています。

管理者が分かった後に選べる、次の一歩

管理者が誰かを確認できたら、墓じまいに向けての土台が整ったことになります。

次は「何から動き始めるか」を決める段階です。

すべてを一度に進める必要はありません。

自分のペースで、できることから一つずつ選んでいけます。

家族への共有と、お寺への相談

まずは家族に「管理者が誰であるか」を共有します。

墓じまいは管理者ひとりで完結する手続きではなく、家族の同意が得られていた方が、その後がずっとスムーズです

共有のときは「墓じまいを早く決めよう」ではなく、「今後のお墓のことを一度話し合いたい」という切り出し方の方が、家族も参加しやすくなります。

家族での共有ができたら、次はお寺への連絡です。

最初は「お寺との関係(檀家)を整理したい」という切り出しではなく、「今後のお墓のことをご相談したい」という形で入るのが自然です。

お寺との関係(檀家)を整理する際に、その費用が話題になることもあります。

費用の相場と考え方は、墓じまいの離檀料はいくら?費用相場と払う必要性についても解説で詳しくまとめています。

遺骨の移動先と費用の見通し

管理者と家族の合意ができたら、次に「お骨をどこに移すか」を考えます。

移動先が決まっていないと、役所での許可手続きも進められないためです。

費用は複数の項目から成り立つので、事前に全体像をつかんでおくと安心です

主な費用項目の目安を表にまとめます。

費用項目内容
お墓の解体・撤去工事お墓の大きさや立地で大きく変わる
お寺との関係(檀家)の整理にかかるお礼お寺によって考え方が異なる
役所での許可手続き(改葬許可証)書類取得などの実費
お骨の移動先永代供養墓・納骨堂・樹木葬など選択肢で異なる

お骨の移動先には、永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨・別のお墓への移転などの選択肢があります。

費用や立地、お参りのしやすさなど、優先したいことを家族で話し合いながら選ぶと絞りやすくなります。

選択肢ごとの費用と進め方は、墓じまい後の納骨先はどこにする?6つの選択肢と費用・進め方で詳しく解説しています。

「まず情報を集めたい」段階でも動き出せる

「管理者は分かったけれど、墓じまいをするかまだ決めていない」という段階でも、情報を集めることには十分に意味があります

全体の流れを把握しておくだけで、いざ動き出すときの不安はずっと小さくなります

手続きには時間のかかるものも多いため、早めに情報を集めておくことが、余裕のある進め方につながります。

まずは家族への一言から、お墓の管理者を確認しよう

お墓の管理者とは、法律上「祭祀承継者」と呼ばれる「お墓を正式に引き継いだ人」のことでした。

その管理者が誰かを確認することが、墓じまいの手続き全体の出発点になります。

確認の方法は「家族への確認」「お寺への問い合わせ」「役所への確認」の3つ。

すぐに特定できなくても、家族で話し合いながら整理していくことは十分に可能です

管理者が分かれば、家族への共有、お寺への相談、お骨の移動先の検討へと、次の一歩を一つずつ進めていけます。

これらをすべて一度に解決する必要はありません。

まず取りかかれることは、ただ一つ。

家族に「誰がお墓の管理料を払ってきたか」を聞いてみることです

その一言が、墓じまいへの確かな最初の一歩になります

難しい書類も専門的な知識も、最初の段階では必要ありません。

身近な家族への一言から、無理のないペースで進めていけます。

あなたの墓じまいが、心穏やかに進みますように。

参考リンク:

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