
納骨堂じまいの手順と費用|
解約の流れと次の納骨先の選び方
【2026年9月更新】
納骨堂じまいはどんな順番で進めたらいいの? 解約にあたって費用や必要な手続きは? 維持費の引き落としのお知らせが届くたびに気になっていて、契約の期限もそろそろ確かめないといけない。
そう思いながら、何から手をつけていいか分からないまま時間だけが過ぎてしまった、という方は少なくありません。
結論からお伝えすると、納骨堂じまいは「納骨堂の管理者へ連絡する」「市区町村へ改葬許可を申請する」「遺骨を取り出して次の納骨先へ移す」という3つのステップで完結します。
特別な資格や専門知識が必要な手続きではなく、全体の流れが頭に入っていれば、ご自身で順番に進めていけます。
ただ、進める前に知っておきたいことが3つあります。
解約の条件や返還にかかる費用は納骨堂ごとに違うこと、改葬許可の申請書類は市区町村ごとに様式が違うこと、そして取り出した遺骨の次の納骨先は、解約と同時に決めておく必要があることです。
この3つを知らないまま問い合わせると、話が途中で止まってしまい、同じ相手に何度も確認し直すことになりがちです。
この記事では、解約の手順と必要な書類、そこにかかる費用の目安をひと通り整理します。
そのうえで、取り出した遺骨の次の納骨先になる永代供養墓・樹木葬・手元供養について、費用の目安と管理の手間を並べて比べられるようにまとめました。
さらに、納骨堂へ問い合わせる前に契約書のどこを見ておくとよいか、家族や親族へはどの時期に伝えるとよいか、解約の手間そのものを減らす進め方もお伝えします。
読み終わるころには、「まず納骨堂に問い合わせてみよう」「この選択肢で家族と話し合ってみよう」という次の一手が見えているはずです。
この記事を読んで分かること
- 納骨堂を解約する3つのステップと必要な書類
- 解約と遺骨の引っ越しにかかる費用の目安
- 次の納骨先4つの費用と管理の手間の比べ方
ぜひ最後までお読みください!
納骨堂じまいは3つのステップで完結する

納骨堂じまいの全体は、次の3つのステップで組み立てられています。
どこで誰とやり取りをするのかを先に並べておくと、全体の見通しが立ちます。
| ステップ | やること | やり取りする相手 |
| ステップ1 | 解約の条件と必要な書類を確認する | 納骨堂の管理者 |
| ステップ2 | 改葬許可を申請して許可証を受け取る | 市区町村の窓口 |
| ステップ3 | 遺骨を取り出し、次の納骨先へ移す | 納骨堂と次の納骨先 |
この順番で進めるのが基本で、ステップを飛ばすことはできません。
改葬許可を受け取る前に遺骨を動かすことは、墓地、埋葬等に関する法律で認められていないためです。
「許可が出てから遺骨を移す」という順番を押さえておくだけで、手続き全体の見通しがつきやすくなります。
管理者へ最初に確認したい3つのポイント
最初にすることは、納骨堂の管理者への連絡です。
ここで確認しておきたいのは、次の3点です。
- 解約を申し出てから完了するまでにかかる期間
- 遺骨を返してもらうときにかかる費用
- 必要な書類の種類と、その提出先
納骨堂によっては、解約の申し出から実際に遺骨が戻るまでに数か月かかることがあります。
「今月中に進めたい」と考えていても、契約上のルールに沿って進めることになるため、この期間を先に把握しておくと予定が立てやすくなります。
あわせて、この段階で「埋蔵証明書」または「収蔵証明書」という書類を出してもらえるかどうかも聞いておきたいところです。
これはステップ2の申請に使う書類で、施設によって名称や発行の手順が異なります。
最初の連絡でまとめて聞いておくと、後から連絡し直す手間が省けます。
手続き全般の流れは墓じまい完全ガイド|費用相場や手続きの流れを全て解説にまとめてあります。
市区町村への改葬許可の申請
次に、市区町村の窓口で改葬許可を申請します。
申請先は、今、遺骨が納められている納骨堂がある市区町村の役所です。
「次の納骨先がある自治体」ではなく「今、遺骨が置いてある場所の自治体」に出す点は間違えやすいので、先に押さえておきたいところです。
必要な書類は自治体によって様式が異なりますが、一般的には「改葬許可申請書」「埋蔵(収蔵)証明書」「次の納骨先の受入れ証明書」の3点で手続きを進められます。
このうち受入れ証明書は、次の納骨先の施設から出してもらう書類です。
つまり「どこへ移すか」は、解約の手続きと並行して考えておかないと、この段階で手が止まってしまいます。
書類の詳しい中身は墓じまいの必要書類3つを全て解説|手続きの全体像が10分でわかるで整理されています。
遺骨を取り出して次の納骨先へ移す
改葬許可証が交付されたら、遺骨の取り出しに進みます。
取り出しは、納骨堂の管理者と立ち会いの日程を調整して行います。
当日は骨壷を持参するのか、施設が用意するのかを、あらかじめ確かめておくと当日あわてずに済みます。
骨壷が見当たらないときの進め方は墓じまいで骨壷がないときの進め方|失敗しない3つの手続き手順を解説にまとまっています。
取り出した遺骨を次の施設へ持ち込むときは、改葬許可証の原本を一緒に持参します。
この証明書を受入れ側の施設へ提出することで、手続きが正式に完了します。
順番を入れ替えられない3つの理由
- 改葬許可を受け取る前に遺骨を動かすことは、法律で認められていない
- 改葬許可の申請には、納骨堂が出す埋蔵(収蔵)証明書がいる
- 同じ申請に、次の納骨先が出す受入れ証明書もいる
解約と遺骨の引っ越しにかかる費用の目安

納骨堂じまいの費用は、「納骨堂側に支払う費用」と「手続きと次の納骨先にかかる費用」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
それぞれの目安を先に持っておくと、施設への問い合わせで示された金額が想定の範囲かどうかを、その場で判断できます。
納骨堂へ支払う費用と返還金
解約時に納骨堂側へ支払う費用として代表的なのは、遺骨の取り出し作業にかかる手数料です。
金額は施設によって大きく異なり、数千円から数万円程度が目安として示されています。
手数料がかからない施設もあります。
一方で、すでに支払った管理費や永代使用料の一部が「返還金」として戻ることもあります。
ただし、契約書に「中途解約をしても返還しない」という取り決め(不返還特約)を置いている施設もあり、返還されるかどうかと金額は契約書の記載によって決まります。
契約書の「解約」「返還」という項目を先に読んでおくと、問い合わせのときに話が早く進みます。
改葬許可の申請にかかる費用
市区町村の窓口で行う改葬許可の申請そのものは、無料の自治体もあれば、数百円程度の手数料がかかる自治体もあります。
費用として見ておきたいのは、申請に添える書類を取り寄せるときの手数料です。
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)は1通450円、除籍謄本は1通750円が全国共通の手数料です。
必要な通数は状況によって変わるため、窓口で先に確認しておくと余分な出費を防げます。
平日に役所へ行きにくい場合の取り寄せ方は墓じまいの戸籍謄本は郵送で取れる|平日休めない人の取得手順に手順が出ています。
次の納骨先にかかる費用の目安
次の納骨先に支払う費用は、選ぶ形式によって大きく変わります。
おおよその目安と、その後の管理の手間を並べると次のようになります。
| 納骨先 | 費用の目安 | その後の管理 |
| 永代供養墓 | 5万〜150万円前後 | 施設が管理・供養を担う |
| 樹木葬 | 5万〜100万円前後 | 区画の手入れは施設が担うところが多い |
| 手元供養 | 数千円〜数万円(容器代) | 自宅で保管し、将来の引き継ぎを決めておく |
| 散骨 | 3万〜50万円前後 | 管理費はかからない |
この費用に加えて、遺骨を一時的に自宅で保管する場合の容器代や、遠方の施設へ運ぶときの交通費がかかることもあります。
遺骨を送る方法もあり、その手順は遺骨・骨壷の郵送方法|手続き・送り方・費用と注意点をすべて解説で確認できます。
合計すると、次の納骨先に永代供養墓や樹木葬を選ぶ場合は20万〜150万円前後、手元供養や散骨を選ぶ場合は10万円以下で収まることもある、というのがおおまかな幅です。
取り出した遺骨の納骨先は費用と手間で選ぶ
遺骨を取り出した後、次にどこへ納めるかは「費用」と「管理の手間」の2つを並べて比べると決めやすくなります。
費用だけで選ぶと、後になって管理の手間や引き継ぎの問題が出てくることがあります。
逆に手間のかからなさだけを優先すると、想定より費用がかさむこともあります。
主な選択肢は「永代供養墓」「樹木葬」「手元供養」「散骨」の4つです。
順に見ていきます。
永代供養墓の費用と管理の手間
永代供養墓は、施設が遺骨の管理と供養を担う形式です。
後を継ぐ人がいなくても納められる点が大きな特徴になります。
費用の目安は5万〜150万円前後と幅があります。
個別の区画に一定期間安置してから合祀(ほかの遺骨と一緒に納める形式)へ移るタイプは費用が抑えられ、個別安置を長く続けられるタイプは高くなります。
年間管理費がかからない施設もあり、「子どもに負担をかけたくない」「お墓を継ぐ人がいない」という状況に合う選択肢です。
合祀の仕組みは合葬墓・合祀墓とは?費用・埋葬方法・一般墓との違いをわかりやすく徹底解説で整理されています。
樹木葬の費用と管理の手間
樹木葬は、木や花を墓標にして遺骨を土に納める形式です。
宗教や宗派を問わずに利用できる施設が多く、選ぶ人が増えています。
費用の目安は5万〜100万円前後で、区画の広さや立地、個別に納めるか合祀かによって変わります。
区画の手入れは施設が担うところが多い一方、自然の中にあるためお参りに行きにくい場所もあります。
通いやすさは、申し込む前に確かめておきたい点です。
納骨堂との違いは樹木葬と納骨堂の違いは?5つの視点で比較し後悔しない選び方を解説で比べられます。
手元供養・散骨の費用と管理の手間
手元供養は、遺骨を自宅で保管する形式です。
骨壷のまま置くほか、小さな容器やアクセサリーに一部を納める形もあります。
費用は容器代の数千円〜数万円で、4つのなかでは最も抑えられます。
施設への年間管理費もかかりません。
ただし「自分が亡くなった後、誰が引き継ぐか」は別に決めておく必要があります。
進め方と法律上の注意点は墓じまいの手元供養・自宅保管の進め方|法律・費用・選び方も解説にまとまっています。
散骨は、遺骨を粉状にして海などに撒く形式です。
費用の目安は3万〜50万円前後で、業者に任せる委託散骨は抑えられ、船を貸し切る個別散骨は高くなります。
管理費はかからず、将来の引き継ぎも生じません。
ただし、一度撒いた遺骨は手元に戻らないため、家族全員が納得しているかを先に確かめておくことが大切になります。
管理の手間と将来の負担で絞る
4つを「管理の手間」と「将来の引き継ぎ」で並べると、手間がかからず継ぐ人がいなくても成り立つのは永代供養墓と散骨、費用を最も抑えられるのは手元供養、費用と手間の釣り合いを取りやすいのが樹木葬、という位置づけになります。
どれが合うかは、ご家族の状況と将来の見通しによって変わります。
次の3つを家族と話し合っておくと、選択肢は自然に絞られてきます。
- お参りに行ける距離に納めたいか
- 将来、引き継ぐ人がいるか
- 費用をどこまで抑えたいか
納骨先ごとの費用と選び方をさらに広く比べたい場合は、墓じまい後の納骨先はどこにする?6つの選択肢と費用・進め方に、この4つ以外の選択肢も含めてまとまっています。
納骨堂に問い合わせる前に確認しておくこと
準備なしに電話を入れると、「後でまた確認します」というやり取りが増えがちです。
手元に契約書を用意し、聞きたいことを整理してから連絡すると、一度のやり取りで必要な情報を受け取りやすくなります。
確認しておきたいのは、「契約書の内容」と「家族・親族への連絡の時期」の2つです。
契約書で確かめておきたい3つのポイント
契約書は、納骨堂との取り決めをそのまま文字にしたものです。
問い合わせの前にここを読んでおくと、施設側の説明が想定の範囲かどうかを判断しながら受け取れます。
契約書で先に読んでおきたい3項目
- 解約の申し出から完了までの期間(1か月前・3か月前など施設ごとに違う)
- 中途解約のときの費用と返還金の取り決め
- 証明書の名称と、発行までにかかる日数
とくに解約までの期間は、全体の予定を左右します。
「すぐに進めたい」と考えていても、契約上のルールに沿って進めることになるため、先に読んでおくと計画が立てやすくなります。
証明書について契約書に記載がない場合は、問い合わせのときにあわせて聞いておくと二度手間になりません。
証明書の種類と取り方は墓じまいの埋葬証明書って何?|お寺・役所からの取得手順を解説で確認できます。
家族や親族へ伝える時期と順番
契約書の確認と並行して、家族や親族への連絡も早めに進めておきたいところです。
納骨堂じまいは、遺骨を別の場所へ移すという変化を伴います。
関わる方が多いほど、「知らなかった」「なぜ相談なしに進めたのか」という行き違いが生まれやすくなります。
伝える順番は、遺骨と最も縁の深いご家族から始め、そのあとご親族へ広げていくと行き違いが起こりにくくなります。
全員の同意が法律上必須というわけではありませんが、後から「聞いていない」となると話がこじれます。
事前の声かけは、手続きそのものを滞りなく進めるための備えでもあります。
声のかけ方は墓じまいに親族の同意はどこまで必要?トラブルを防ぐ声かけの順番と進め方を解説に、誰にどの順で話すかが整理されています。
問い合わせ前に手元に置くもの
施設へ連絡する前に手元にそろえておきたいのは、次の3つです。
- 納骨堂の契約書
- 聞きたいことを書き出したメモ
- 家族への連絡が済んでいるかの確認
この3つがそろっていると、解約までの期間・費用・書類という具体的な話に、最初のやり取りから入れます。
逆に何も準備せずに「解約できますか」とだけ聞くと、一般的な説明を聞いて終わり、次に何をすればよいかが分からないまま電話を切ることになりがちです。
実際に進めた方がどの段階でつまずいたかは墓じまいした人の体験談・体験記からわかること|流れ・費用・揉めない進め方を解説から読み取れます。
解約の手間を減らす進め方
納骨堂じまいは、全体の流れが分かっていれば一人でも進められます。
ただ、進め始めてから「この書類はどこで取るのか」「この連絡は誰にするのか」と一つずつ調べながら進めると、思いのほか時間と手間がかかります。
手間を減らす考え方は、「自分で進める部分」と「任せられる部分」を最初に分けておくことです。
そのうえで書類の準備を正しい順番で進めると、手が止まる場面をかなり減らせます。
自分で進める部分と任せる部分
納骨堂じまいの作業は、「施設との連絡調整」「役所への申請」「次の納骨先の手配」の3つに分けられます。
このうち施設との連絡調整は、契約者本人が動く部分です。
解約の申し出、書類の受け取り、遺骨の引き取りは、納骨堂との直接のやり取りになります。
役所への申請は、改葬許可申請書の提出です。
窓口へ持ち込むのが基本ですが、郵送で受け付けている自治体もあります。
平日に時間が取りにくい場合は、郵送での申請ができるかを先に役所へ確かめておくと、休みを取らずに済むこともあります。
次の納骨先の手配は、施設への問い合わせ・見学・申し込みです。
ここは時間をかけて比べられる部分ですが、改葬許可の申請に受入れ証明書が必要になるため、申請より前に決めておく必要があります。
遠方で現地に行きにくい場合の進め方は遠方の墓じまいは現地に行かずに進められる|手順と費用を全て解説にまとまっています。
書類の準備でつまずかない順番
書類は、順番を間違えると「あの書類がそろわないとこの書類が取れない」という行き詰まりが起きます。
先に順番を押さえておくと、行ったり来たりせずに済みます。
- 納骨堂の管理者から「埋蔵証明書(収蔵証明書)」を出してもらう
- 次の納骨先の施設から「受入れ証明書」を出してもらう
- 2枚をそろえて市区町村へ「改葬許可申請書」を提出する
- 改葬許可証を受け取り、遺骨を引き取って納骨先へ移す
受入れ証明書は次の納骨先が決まっていないと出してもらえないため、納骨先の選定はこの段階までに終えておくことになります。
申請書の様式は自治体ごとに違うので、ホームページで確認するか、窓口へ電話して取り寄せておくと当日が楽になります。
改葬許可証は次の納骨先へ提出する書類でもあるため、原本は大切に保管しておきたいところです。
書類の準備や施設とのやり取りが重なると、「こんなに手間がかかるとは思わなかった」と感じる場面も出てきます。
そう感じたときは、手間の多くが「順番の問題」か「情報不足の問題」から来ていると考えてみると、次の一手が見えてきます。
負担を感じやすい部分と軽くする方法は墓じまいがめんどくさいと感じたら|手間の正体3つと楽に進める方法を解説に整理されています。
手順と費用を確かめて次の納骨先を選ぶ
納骨堂じまいは、納骨堂の管理者への連絡、市区町村への改葬許可の申請、遺骨を取り出して次の納骨先へ納めるという3つのステップで完結します。
改葬許可を受け取る前に遺骨を動かすことはできないため、この順番を守ることが、途中で手が止まらないための一番の備えになります。
費用は、納骨堂へ支払う手数料、書類を取り寄せる手数料、次の納骨先への支払いの3つに分けて考えると整理できます。
永代供養墓や樹木葬を選ぶ場合の合計は20万〜150万円前後、手元供養や散骨なら10万円以下で収まることもあります。
金額の幅が大きいのは、次の納骨先で何を選ぶかによるところが大きいためです。
次にできることは2つあります。
ひとつは、契約している納骨堂に、解約の手順・必要な書類・返還時にかかる費用を問い合わせて確かめること。
契約書を手元に置き、聞きたいことをメモにまとめてから連絡すると、一度のやり取りで必要な情報がそろいます。
もうひとつは、取り出した遺骨の次の納骨先を、費用と管理の手間を並べてご家族と比べること。
納骨先は改葬許可の申請より前に決める必要があるため、手続きと並行して候補を絞っておくと、その後が進めやすくなります。
参考リンク:


