墓石の写真

【2026年5月更新】

「公営墓地(市営墓地)の墓じまいって、いったい何から手をつければいいの」と、よく分からずに手が止まっていませんか?

遠方にある実家のお墓となれば、何度も足を運ぶわけにもいかず、頭の中だけで段取りがぐるぐる回ってしまいますよね。

「親から受け継いだお墓を放っておくわけにはいかない」という思いと、「でも、どこに何を届け出ればいいのか」という戸惑いのあいだで、時間だけが過ぎてしまう方も少なくありません。

結論からお伝えすると、公営・市営墓地の墓じまいは「役所での改葬許可申請」と「霊園管理事務所への使用許可の返還」という2つの窓口を軸に進めれば、遠方からでも順序立てて完遂できます。

ただし、ここで安心してはいけません。

実際、よかれと思って先に墓石の撤去を手配したものの、書類がそろわず作業日を組み直すことになった、という手戻りも起こりがちです。

そこで今回は、公営墓地ならではの手続きの流れ、行政手続き費・墓石撤去費・移転先費用という3要素で決まる費用相場の目安、そして遠方在住でも現地訪問を最小化できる最初の一歩を、順を追って整理してご紹介します。

読み終えるころには、ご自身のケースで「まず何から動けばよいか」がはっきり見え、自治体窓口の確認や霊園管理事務所への一本の電話に、落ち着いて踏み出せるようになるはずです。

この記事を読んで分かること

  • 役所(改葬許可申請)と霊園管理事務所(使用許可の返還)という2窓口の役割分担
  • 公営墓地とお寺の墓地では手続きの入口と進め方が異なる理由
  • 墓じまい費用は行政手続き費・墓石撤去費・移転先費用の3要素で決まる
  • 遠方在住でも順番を守れば現地訪問を最小化して進められる段取り

ぜひ最後までお読みください!

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公営・市営墓地の2つの窓口を知ろう

公営・市営墓地の墓じまいは、「役所」と「霊園管理事務所」という2つの窓口を軸に進めるのが基本です

この2つの役割を最初に理解しておけば、どこへ何を届け出ればよいかで迷うことが大きく減り、遠方からでも順序立てて手続きを完遂できます。

まず1つ目の窓口が、市区町村の役所です。

ここでは「改葬許可申請」と呼ばれる、お骨を別の場所へ移すための行政手続きを行います。

改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を発行してもらわなければ、お骨を取り出して移転先へ納めることが法律上できません。

墓じまいの中心となる、いわば公的な「許可」を得るための窓口だとイメージしてください。

2つ目の窓口が、霊園管理事務所です。

公営・市営墓地は自治体が運営主体ですが、現地での日々の管理は委託先の管理事務所が担っているケースが多く、墓じまいの意向を伝える最初の連絡先もここになります。

具体的には、墓じまいをしたい旨の事前相談、墓地を更地に戻して返還する原状回復、そして使用許可の返還といった、現地に関わる手続き全般を担当しています。

この2窓口を整理して進めるイメージは、次のとおりです。

2窓口の役割の使い分け

  • 役所:改葬許可申請書の入手・提出、改葬許可証の受け取り
  • 霊園管理事務所:墓じまいの事前連絡、原状回復の段取り、使用許可の返還

ここで注意したいのは、「どちらか一方だけ済ませれば終わり」ではないという点です。

役所で改葬許可証だけ取得しても、霊園側に返還の届出をしなければ、書類上は使用者のままになり続けてしまいます

逆に、管理事務所に「墓じまいします」と伝えただけでは、お骨を移すための法的な許可は下りません。

両方をきちんと往復させて初めて、墓じまいは完了するのです

遠方にお住まいの場合は、最初の一歩として、まず霊園管理事務所へ電話で意向を伝え、必要書類や原状回復の進め方を確認するところから始めるとスムーズです。

あわせて、墓地が所在する自治体のホームページで改葬許可申請窓口を調べておけば、現地に行かなくても全体の段取りが見えてきます。

役所手続きの全体像をもう少し詳しく押さえたい方は、墓じまいの役所手続きと必要書類がこれで分かる!申請から許可までの全手順もあわせてご覧ください。

「役所=許可を出す窓口」「霊園管理事務所=現地と契約の窓口」と役割を分けて捉えるだけで、これから何をどの順番で進めればよいかが、ぐっと整理されてくるはずです。

公営墓地はお寺の墓地と手続きが違う

ここで押さえておきたいのが、公営・市営墓地とお寺の墓地では、墓じまいの「入口」と「進め方」がそもそも違うという点です。

同じ墓じまいでも、運営主体が自治体なのか宗教法人なのかで、踏むべき手順が変わってきます。

ここを取り違えると、最初の一歩から迷子になりかねません。

公営墓地は自治体が運営主体のため、お寺の墓地で発生しがちな宗教的な調整が比較的少ないのが特徴です。

お寺の墓地では、檀家としての関係を解消する相談や、住職への墓じまいの意向の伝え方、お布施の金額感など、宗教的・人間関係的な配慮を要する場面が少なくありません。

場合によってはお寺を離れる際に求められることのある費用の話し合いが必要になることもあり、心理的な負担も大きくなりがちです。

一方、公営墓地ではこうした宗教法人とのやり取りが基本的に発生しません。

やり取りの相手は自治体と霊園管理事務所が中心となり、書類と手順に沿って淡々と進めていく、行政手続き寄りの色合いが強くなります。

「住職にどう切り出せばいいのだろう」という、お寺の墓地特有の悩みからは解放されるイメージです

そのため、最初に相談する相手も変わります。

お寺の墓地では、まず先祖代々のお寺の住職に墓じまいの意向を伝えるところからスタートするのが一般的ですが、公営墓地では霊園管理事務所への連絡から着手するのが基本の流れになります。

ここを「お寺の墓地のときと同じだろう」と思い込んで自治体の窓口にいきなり申請に行ってしまうと、「まずは霊園側で必要書類をそろえてきてください」と差し戻されてしまうこともあるのです。

また、公営墓地ならではの行政手続き特有のルールも知っておく必要があります。

代表的なものは次のような項目です。

公営墓地ならではの行政手続きのポイント

  • 墓地を更地に戻して返還する「原状回復」の義務
  • 使用許可(永代使用権)の返還手続き
  • 自治体ごとに定められた申請様式・提出期限・受付窓口
  • 公営墓地によっては、指定石材店制度がなく石材店を自分で選べるケースが多いこと

特に「原状回復」は、私営霊園やお寺の墓地でも基本的に必要になる作業ですが、公営墓地では返還手続きとセットでルール化されていることが多く、「いつまでに、どの状態にして返すか」が明確に定められています。

墓石を撤去して終わりではなく、区画を元の更地の状態に戻したうえで、霊園管理事務所の確認を経て初めて返還が完了する、という流れを押さえておきたいところです。

「公営墓地はお寺の墓地より手続きが手軽」と言われることもありますが、正確には「宗教的な調整が少ない代わりに、行政手続きのルールをきちんと踏む必要がある」というのが実態です。

違いを正しく理解しておけば、「うちは公営だから何から動けばいいのか」という疑問にも、落ち着いて答えを出していけるはずです。

なお、お寺の墓地での墓じまいと比較したい場合は、バチが当たらない浄土真宗の墓じまいの進め方|費用や注意点を解説が参考になります。

費用は3要素で総額の目安が決まる

公営・市営墓地の墓じまいで気になるのが、「結局、総額でいくらかかるのか」という費用面ではないでしょうか。

金額の感覚がつかめないまま業者に問い合わせると、提示された見積りが妥当かどうか判断できず、不安だけが膨らんでしまいます。

ここで押さえておきたいのが、墓じまいの費用総額は、大きく次の3要素で構成されるという考え方です。

費用の種類内訳の目安
行政手続き費改葬許可申請など役所関連の実費(数百円〜千円台が中心)
墓石撤去費墓石の解体・撤去・処分、区画の原状回復
移転先の費用永代供養墓・樹木葬・納骨堂などへの納骨費用

この3つに分けて捉えることで、「どこにいくらかかっているのか」が見えるようになり、予算計画と業者選びの判断軸を持てるようになります。

まず1つ目の行政手続き費は、改葬許可申請書の発行手数料や、必要に応じて取り寄せる埋葬証明書・受入証明書などの実費が中心です。

1通あたり数百円〜千円台で済むことが多く、総額に占める割合は小さく、墓じまいの費用全体の中ではごくわずかな比重に収まります。

書類の郵送費や、戸籍謄本などを取り寄せる場合の手数料も、ここに含めて考えておくとよいでしょう

2つ目の墓石撤去費が、総額の大半を占める要素の一つです

墓石を解体・撤去し、区画を更地に戻すまでの工事費用で、お墓の大きさ・立地・墓石の量・現地までの搬入路の条件などによって金額が変動します。

一般的には1平方メートルあたりの単価で見積もられるケースが多く、区画が広いほど、また墓地が山間部や狭い参道の奥にあるほど、撤去費用は上がりやすい傾向です。

3つ目の移転先の費用も、総額に大きく影響するパートです。

お骨をどこに納めるかによって金額のレンジが大きく変わり、永代供養墓・樹木葬・納骨堂・散骨など、選択肢ごとに費用感が異なります。

比較的費用を抑えやすい合葬・合祀タイプから、個別の区画を持つタイプまで幅があるため、ご家族の希望と予算のバランスで決めていくことになります。

ここで意識しておきたいのは、行政手続き費は固定的で動かしにくいのに対し、墓石撤去費と移転先の費用は、業者選びや移転先の選択次第で大きく上下するという点です。

つまり、予算計画の軸を置くべきは「墓石撤去費」と「移転先の費用」の2つだということになります。

特に墓石撤去は、複数の石材店から相見積りを取ることで、同じ条件でも数十万円単位で金額が変わるケースも珍しくありません

公営墓地は指定石材店の縛りがない場合も多く、自分で業者を比較しやすい環境にあるのは大きなメリットです。

また、自治体によっては墓じまいに関する補助金制度を設けているケースもあります。

お住まいの地域ではなく、お墓のある自治体側の制度になりますので、公式サイトで「墓じまい 補助金」と調べてみる、もしくは霊園管理事務所に問い合わせる際に確認してみるとよいでしょう。

「行政手続き費は実費ベースで小さく、撤去費と移転先費用が大きい」という3要素の構造さえつかんでおけば、見積書を受け取ったときに、どの項目が妥当でどこを比較すべきかが、自分の目で判断できるようになるはずです。

費用相場の詳細は、墓じまいの総費用はいくら?費用を10万円以上抑える方法を解説でも確認できます。

遠方でも順番を守れば現地訪問は最小化できる

遠方の実家にある公営・市営墓地の墓じまいで、多くの方が一番気にされるのが「現地に何度も足を運べないけれど、本当に進められるのか」という点ではないでしょうか。

結論からお伝えすると、着手する順番さえ正しく守れば、現地訪問は最小限に抑えながら進めることが可能です。

逆に、順番を間違えると手続きが途中で止まり、そのたびに往復が必要になってしまう、というのが遠方在住の方が最も避けたい事態です。

最初の一歩として動いていただきたいのが、次の2つです。

まず動く2つのこと(自宅から完結)

  • 霊園管理事務所への電話連絡(墓じまいの意向を伝え、必要書類と原状回復の流れを確認)
  • 墓地のある自治体ホームページで、改葬許可申請窓口と申請様式を確認

この2つは、どちらも自宅にいながら電話とインターネットで完結します。

先に霊園管理事務所へ一本電話を入れておけば、「公営墓地の使用許可の返還にはこの書類が必要」「原状回復はこの時期までに」といった現地ならではの段取りが見えてきます。

あわせて自治体のホームページで申請窓口と必要書類を確認しておけば、役所側の手順も先回りで準備できます。

ここで絶対に押さえておきたい注意点が、移転先(永代供養墓・樹木葬・納骨堂など)を先に決めないと改葬許可申請書が書けないという順番の問題です。

改葬許可申請書には「お骨を新しくどこに納めるか」を記入する欄があり、移転先から発行される「受入証明書」などの書類が必要になるためです。

そのため、進めるべき大まかな順序はこうなります。

手順内容対応方法
1霊園管理事務所への連絡・自治体窓口の確認自宅から電話・ウェブ
2移転先の検討・決定、受入証明書の取得自宅から問い合わせ・郵送でやり取り可
3改葬許可申請書の入手・記入・提出郵送対応の自治体も多い
4現地でお骨の取り出し・墓石撤去・原状回復現地訪問(1回が目安)
5霊園管理事務所へ使用許可の返還手続き現地または郵送

この順番を守れば、現地に行く必要があるのは原則として4のお骨の取り出しと墓石撤去の立ち会いタイミングだけ、というケースまで絞り込めます。

よかれと思って先に墓石撤去を手配してしまうと、改葬許可証が間に合わずに作業日を組み直すことになり、結局もう一往復することになりかねません

遠方ならではの段取りとして、覚えておきたいポイントもあわせて整理しておきます。

  • 戸籍謄本や埋葬証明書など、役所で取り寄せる書類は郵送で取得できる
  • 自治体によっては、改葬許可申請書の郵送提出に対応している
  • 移転先への問い合わせや受入証明書の発行依頼も、ほぼすべて郵送・オンラインで完結できる
  • 墓石撤去の見積りは、現地写真の送付や霊園管理事務所経由で複数社から取れる場合がある

「現地に何度も行けないから、墓じまいは無理かもしれない」と感じていた方も、順番さえ守れば、自宅にいながら大半の手順を進められるとわかれば、ぐっとハードルが下がるはずです。

まずは霊園管理事務所への一本の電話と、自治体ホームページの確認から、落ち着いて始めてみてください。

代行サービスを検討している方は、墓じまい代行は何をしてくれる?サービス内容や費用内訳を徹底解説も確認できます。

自治体窓口の確認と管理事務所への連絡から始めよう

公営・市営墓地の墓じまいは、「役所(改葬許可申請)」と「霊園管理事務所(使用許可の返還)」の2窓口を軸に進め、費用は行政手続き費・墓石撤去費・移転先の費用の3要素で決まります。

この骨格さえつかんでおけば、遠方在住でも着実に完遂できます。

公営墓地はお寺の墓地と違い宗教的な調整が少ない一方で、原状回復や使用許可の返還という行政手続き特有のルールがあります。

「住職への相談から」ではなく「霊園管理事務所への連絡から」始めるのが基本の流れだと押さえておけば、最初の一歩で迷うことはありません。

今日からでも動ける具体的な行動は2つです。

実家のある自治体のホームページで「改葬許可申請」窓口と申請様式を確認する。

そして霊園管理事務所へ電話を入れ、墓じまいの意向と必要書類・原状回復の流れを確認する。

「いきなり申請書を書く」のではなく、まず「窓口を確認する」「連絡を入れる」というごく小さな一歩で構いません

「親から受け継いだお墓を、自分の手できちんと整理してあげたい」という気持ちを大切にしながら、まずは今日、霊園管理事務所の電話番号を調べることから落ち着いて踏み出してみてください。

墓じまいの段取りで不安なことがあれば、【全国対応】墓じまいの無料相談窓口【らくサポ】への相談も選択肢の一つです。

参考リンク:

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