相続税の申告書と電卓・印鑑・現金など、相続の書類準備を表す写真

【2026年10月更新】

除籍謄本とはどんな書類で、どこでどうやって取ればいいのか。

親が亡くなって相続の手続きを任され、調べ始めたところではないでしょうか。

役所や銀行から「除籍謄本を取ってきてください」と言われても、その言葉を今日はじめて聞いたという方は少なくありません。

どこへ行けばよいのか、何を持っていけばよいのか、そもそも何のための書類なのかが分からないまま、時間だけが過ぎていきます。

しかも相続のことを調べていると、聞き慣れない言葉が次々に出てきて、何のことかよく分からないまま読み進めることになりがちです。

この記事は、そうした言葉がよく分からないという方に向けても、やさしく解説しています。

最初の章で必要な言葉をまとめて押さえてから、取り方の話へ進みます。

先に結論をお伝えします。

戸籍とは、いわば家族の名簿のようなものです。

除籍謄本とは、その名簿に載っていた人が全員いなくなって、使われなくなった名簿の写しのことです。

亡くなった方の家族関係を公的に証明するために、相続の手続きで必要になります。

請求先は、今住んでいる場所の役場ではなく、亡くなった方の本籍地の役場です。

ただ、これだけ知っていても途中で詰まることがあります。

亡くなった方が結婚などをきっかけに本籍地を移していると、1通では記録がつながらず、複数の役場から集めることになるからです。

取り方も役場へ出向くほかに郵送などがあり、それぞれ使える条件が違います。

集めた書類は、相続人が誰かをはっきりさせるだけでなく、相続税の申告が必要かどうかを確かめる場面など、そのあとの手続きでも使います。

この記事を読み終えるころには、何をどこに請求すればよいかが分かるようになっています。

この記事を読んで分かること

  • 戸籍と除籍のいちばん大きな違い
  • 請求先になる市区町村の調べ方
  • 3つの取り方と手数料の目安
  • 空振りを防ぐために知る制限

ぜひ最後までお読みください!

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まず押さえたい戸籍まわりの4つの言葉

戸籍・本籍地・除籍・被相続人という除籍謄本を理解するために必要な4つの言葉と意味をまとめた図解

相続の手続きを調べていると、「戸籍」「本籍地」「除籍」「被相続人」といった言葉がすぐに出てきます。

どれも日常ではほとんど使わない言葉なので、意味が分からないまま読み進めていくと、途中で「何の話をしているのかよく分からない」という状態になりがちです。

この章では、この記事を読むために必要な言葉を4つだけ、まとめて押さえておきます。

言葉 ひとことで言うと
戸籍 誰と誰が家族かを国が記録したもの
本籍地 その戸籍を管理している市区町村
除籍 その戸籍から人が抜けた状態
被相続人 亡くなった方のこと

戸籍とは、家族の関係を国が記録したもの

戸籍とは、「誰と誰が家族であるか」を国が公的に記録した書類のことです。

たとえば「この人は〇〇さんの子どもである」「この夫婦は〇年〇月〇日に結婚した」といった情報が、戸籍には記録されています。

日本では、原則として夫婦と未婚の子どもが同じ戸籍に入ります。

結婚すると親の戸籍から抜けて、夫婦で新しい戸籍を作ることになります。

住民票と混同されやすいのですが、住民票は「今どこに住んでいるか」を記録するもので、戸籍とは別物です。

本籍地とは、その戸籍を管理している市区町村のこと

戸籍は日本全国のどこかの市区町村が管理しています。

その市区町村のことを「本籍地」と言います。

大切なのは、本籍地は今住んでいる場所と違っていても構わないという点です。

出生地や昔住んでいた場所が本籍地になっている方も多く、現在の住所とまったく別の都道府県であることも珍しくありません。

除籍謄本を請求するとき、窓口になるのは「今住んでいる役場」ではなく「本籍地の役場」です。

この違いを知らないと、最初の一歩から空振りになります。

除籍とは、その戸籍から人が抜けた状態のこと

「除籍」という言葉は、戸籍から人が抜けることを意味します。

たとえば、子どもが結婚して親の戸籍から抜けるとき、その子どもは親の戸籍から「除籍」されます。

また、亡くなった方も戸籍から除籍されます。

戸籍に入っていた全員が除籍されると、その戸籍は閉じられます。

もう誰も載っていない名簿になるので、役所はそれを「役目を終えた戸籍」としてしまっておく、というイメージです。

この閉じられた戸籍の写しが「除籍謄本」です。

相続人と被相続人は、誰のことを指すか

「被相続人」とは、亡くなった方のことです。

財産を残した側の人を指します。

「相続人」とは、その財産を引き継ぐ人のことです。

一般的には配偶者や子ども、親などがあたります。

相続の手続きの書類や説明の中では、「被相続人の戸籍謄本を集めてください」といった表現がよく出てきます。

この場合の「被相続人」は亡くなった方のことなので、亡くなった方の本籍地の役場に請求しに行く、という意味になります。

これで、この記事を読み進めるための言葉が揃いました。

次の章からは、除籍謄本とはどういう書類なのかを、もう少し具体的に見ていきます。

除籍謄本は閉じられた戸籍の写し

戸籍謄本は今も使われている戸籍の写し、除籍謄本は全員が抜けて閉じられた戸籍の写しという違いを左右で比較した図解

前の章で「除籍とは、その戸籍から人が抜けた状態のこと」とお伝えしました。

この章では、その除籍と戸籍の関係をもう一段深めて、「除籍謄本とは結局何の書類なのか」をはっきりさせます。

戸籍と除籍謄本の違いはたった一つ

まず、いちばんかみくだいて言うと、除籍謄本は「もう誰も使っていない、古い家族の名簿のコピー」です。

戸籍は、その家族に誰がいるのかを役所が書いた名簿のようなものだと考えてください。

学校のクラス名簿を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。

クラス名簿にはそのクラスの全員の名前が並んでいますが、卒業したり転校したりすると、一人ずつ名簿から抜けていきます。

戸籍も同じで、そこに載っている人は、亡くなったり、結婚して自分たちの新しい名簿を作ったりして、少しずつ抜けていきます。

なお、ふだんの引っ越しで住所が変わっても、家族の名簿である戸籍はそのまま残ります。

そして、その名簿に載っていた人が最後の一人までいなくなると、その名簿はもう使う必要がなくなります。

役所はその名簿を「役目を終えた名簿」という扱いにして、大切にしまっておきます。

この、使われなくなった名簿のことを「除籍」と呼び、そのコピーが「除籍謄本」です。

言葉を正確に言い直すと、次のようになります。

現在も使われている戸籍の写しを「戸籍謄本」と言います。

これに対して「除籍謄本」は、すでに閉じられた戸籍の写しのことです。

違いはたった一つ、その戸籍がまだ使われているかどうかです。

戸籍に入っていた全員が亡くなったり、結婚や転籍などで別の戸籍に移ったりすると、その戸籍には誰も残らなくなります。

誰もいなくなった戸籍は閉じられ、「除籍」として保管されます。

この閉じられた戸籍を写したものが、除籍謄本です。

たとえば、父親が亡くなって母親も子どもも別の戸籍に移っていた場合、かつて父親が筆頭者だった戸籍は誰もいなくなって閉じられます。

その記録を写したものが、父親の除籍謄本にあたります。

相続の手続きで除籍謄本が必要な理由

除籍謄本が相続の手続きで必要になるのは、亡くなった方の家族関係を公的な書類で証明しなければならないからです。

銀行口座の名義変更や不動産の相続登記をするとき、窓口では「この方の相続人は誰ですか」と確認されます。

自己申告だけでは認められず、戸籍や除籍謄本という公的な書類で裏付ける必要があります。

具体的には、亡くなった方に子どもが何人いるか、過去に離婚歴があって認知した子どもがいないかどうか、といった事実を書類で確認します。

これは相続人を正確に特定するためです。

相続人が一人でも漏れると、その後の手続きがやり直しになる可能性があるため、書類による証明が欠かせません。

そのために必要になるのが、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍と除籍謄本です。

結婚・転籍などによって本籍地が変わっていると、複数の市区町村から取り寄せる必要が出てきます。

どの書類を何通そろえるかは遺産分割協議書の必要書類|誰の分を何通そろえるかやさしく解説でも整理しています。

請求先は本籍地の役場・取り方は3つ

除籍謄本がどういう書類かは分かりました。

次は「どこに、どうやって請求するか」です。

請求先を間違えると、役場まで出向いても「この役場では取れません」と言われて空振りになります。

まず請求先を押さえて、そのあとで取り方を見ていきます。

住んでいる場所の役場では取れない

除籍謄本を請求する窓口は、亡くなった方の本籍地の市区町村役場です。

「今自分が住んでいる役場」でも「亡くなった方が最後に住んでいた場所の役場」でもありません。

本籍地の役場が、唯一の窓口になります。

本籍地は住所とは別に登録されているものなので、亡くなった方が最後に住んでいた場所と、本籍地が同じとは限りません。

生まれ育った場所から離れて暮らしていた方の場合、本籍地が生まれ育った市区町村のままになっていることも多くあります。

「たぶん同じだろう」と思って近くの役場に行くと、空振りになる可能性があります。

請求する前に本籍地を確認しておくことが大切です。

本籍地が分からないときは、住民票で確認できる

「亡くなった方の本籍地が分からない」という場合は、住民票を取ることで確認できます。

住民票を請求する際に本籍の記載を希望すると、本籍地が記載された住民票が発行されます。

この住民票は、亡くなった方が最後に住んでいた市区町村の役場で取ることができます。

本籍地が分からないときの調べ方

  • 亡くなった方が最後に住んでいた市区町村の役場へ行く
  • 本籍の記載を希望して住民票の写しを請求する
  • 記載された本籍地を確認する
  • その本籍地の市区町村役場へ除籍謄本を請求する

本籍地が遠方の場合は、郵送での請求や、2024年3月から始まった広域交付という制度を使う方法もあります。

この2つの方法については、次の章でくわしく説明します。

なお、亡くなった方が転籍を繰り返していた場合、本籍地が複数の市区町村にわたることがあります。

その場合は、それぞれの役場から除籍謄本を集めることになります。

どこまで集めればよいかの見分け方は、あとの章でお伝えします。

請求先が分かったところで、次は「どうやって請求するか」です。

除籍謄本の請求方法は3つあります。

役場へ直接出向く方法、郵送で請求する方法、そして2024年3月から始まった広域交付という方法です。

どれを選んでもよいわけではなく、それぞれ使える条件が違います。

自分の状況に合う方法を選ぶことが、無駄足を防ぐ一番の近道です。

取り方 向いている状況
役場へ直接出向く 本籍地が近い・急いでいる
郵送で請求する 本籍地が遠方・平日に動けない
広域交付を使う 転籍が多く複数の市区町村から集める

役場へ直接出向く方法

本籍地の市区町村役場の窓口に行き、その場で請求する方法です。

書類の不備があってもその場で確認・修正できるため、確実に受け取りやすい方法といえます。

本籍地が自宅から近い場合や、急いで書類を手に入れたい場合に向いています。

窓口では、除籍謄本の請求書に必要事項を記入し、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を提示します。

手数料は1通750円です。

これは「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」が標準として定めている額で、多くの市区町村がこの額を基準にしています。

ちなみに、現在使われている戸籍謄本のほうは1通450円が標準額です。

本籍地が遠方の場合は、わざわざ出向くのが難しいこともあります。

そのような場合は、次に説明する郵送か広域交付が選択肢になります。

郵送で請求する方法

本籍地の役場に郵送で書類を送り、除籍謄本を郵送で受け取る方法です。

役場に出向く時間が取れない場合や、本籍地が遠方の場合に使いやすい方法です。

平日に動けない方にとっては、特に助かる手段になります。

  • 請求書(各役場のウェブサイトからダウンロードできることが多い)
  • 本人確認書類のコピー(運転免許証など)
  • 手数料分の定額小為替(ゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で購入する)
  • 返信用封筒(切手を貼ったもの)

郵送のやり取りには、書類が往復する日数がかかります。

手続きに期限がある場合は早めに動いておくと、あとの工程が窮屈になりません。

広域交付を使う方法

広域交付とは、2024年3月1日から始まった制度で、本籍地がどこにあっても最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できる仕組みです。

法務省は、この制度によって「本籍地が遠くにある方でも、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で請求できます」「ほしい戸籍の本籍地が全国各地にあっても、1か所の市区町村の窓口でまとめて請求できます」と案内しています。

たとえば、亡くなった方の本籍地が遠方の複数の市区町村にまたがっていても、自分が住んでいる近くの役場の窓口一か所で請求できます。

複数の役場に個別に連絡したり郵送したりする手間が省けるため、転籍が多かった方の書類を集める場面では特に便利な方法です。

ただし、広域交付には使える条件と使えない場合があります。

これについては次の章でくわしく説明します。

広域交付が使えない戸籍と請求できる人の範囲

前の章で、広域交付を使えば最寄りの窓口でまとめて請求できるとお伝えしました。

ただし、この制度には「使えない戸籍がある」「請求できる人の範囲が決まっている」「窓口に本人が行く必要がある」という制限があります。

知らずに窓口へ行くと「この戸籍は広域交付では取れません」と言われて空振りになります。

事前に確認しておくと安心です。

コンピュータ化されていない戸籍・除籍は対象外

法務省は広域交付の案内の中で、「コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍を除きます」と明記しています。

つまり、まだ紙のまま保管されている古い戸籍や除籍は、広域交付では受け取れません。

古い時代に閉じられた除籍は、紙の原本のまま各市区町村に保管されていることがあります。

こうした書類は、本籍地の役場に直接出向くか、郵送で請求することになります。

亡くなった方が高齢だった場合や、古い時代の記録まで遡る必要がある場合は、広域交付だけでは書類が揃わないことがあります。

窓口で「この分は対象外です」と言われたときは、該当する本籍地の役場に個別に請求する流れになります。

請求できるのは本人・配偶者・直系の親族に限られる

法務省が示している、広域交付で戸籍証明書等を請求できる人の範囲は次のとおりです。

  • 本人
  • 配偶者
  • 父母、祖父母など(直系尊属)
  • 子、孫など(直系卑属)

「直系」というのは、親子や祖父母・孫のように、まっすぐ上や下へつながる関係のことです。

この4つの中に兄弟姉妹やおじ・おばは入っていません。

相続の手続きの多くは子どもや配偶者が行うため、この範囲に当てはまる方がほとんどです。

ただし、兄弟が相続人になる場合など、状況によっては範囲外になることもあります。

自分が請求できる立場かどうかを事前に確認しておくと安心です。

郵送と代理人による請求には対応していない

広域交付には、もう一つ大切な制限があります。

法務省は「戸籍証明書等を請求できる方が市区町村の戸籍担当窓口にお越しになって請求する必要があります」「郵送や代理人による請求はできません」と案内しています。

つまり、広域交付を使うには請求する本人が窓口に出向く必要があります。

「忙しいので家族に頼みたい」「遠くて行けないので郵送で」という使い方はできません。

このとき、窓口では顔写真付きの本人確認書類の提示が必要です。

法務省は運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどを例として挙げています。

代理人に頼みたい場合や、窓口へ出向くのが難しい場合は、郵送での請求か、本籍地の役場に直接出向く方法を選ぶことになります。

広域交付の3つの制限

  • コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外
  • 請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属
  • 郵送と代理人による請求はできず、本人が窓口へ行く

この3点のどれかに当てはまる場合は、広域交付ではなく郵送か窓口での請求を選ぶことになります。

便利な制度ではありますが、これだけですべてが揃うとは限らない、と考えておくと安全です。

亡くなった方の戸籍がつながったか確かめる

除籍謄本を請求して手元に届いたら、次にやることがあります。

集まった書類で「亡くなった方の出生から死亡まで、記録がつながっているか」を確かめることです。

この確認を飛ばすと、書類が足りないまま銀行や法務局の窓口へ行くことになり、不足分を追加で取り寄せてから出直すことになります。

一度で済む手続きが二度手間になるため、手元に書類が揃った段階で確認しておくと安心です。

転籍があると1通では足りない

亡くなった方が生涯を通じて本籍地を一度も変えていなければ、1通の除籍謄本で記録がつながることがほとんどです。

問題になるのは、結婚などをきっかけに本籍地を変えていた場合です。

本籍地を変えることを「転籍」と言います。

転籍は住所を変える引っ越しとは別の手続きで、引っ越しをしても自動では変わりません。

転籍をすると、新しい本籍地で新しい戸籍が作られます。

新しい戸籍には転籍後の記録しか載らないため、転籍前の記録は以前の本籍地の役場にしか残っていません。

たとえば、亡くなった方が生まれた土地で育ち、結婚を機に別の市区町村へ転籍し、さらにその後もう一度転籍していた場合、記録は3か所の役場にまたがっていることになります。

最初に請求した除籍謄本だけでは、出生までさかのぼれません。

出生から死亡までつながっているかの見分け方

手元に届いた除籍謄本を開いたとき、どこを見れば「つながっているか」が分かるのでしょうか。

確認するポイントは、その除籍謄本に「以前の戸籍はどこか」が記載されているかどうかです。

転籍前の本籍地の情報が記載されている場合、その前の記録はまだ別の役場にあることを意味します。

その役場にさらに除籍謄本を請求し、同じ確認を繰り返します。

  • 亡くなった方が最後に在籍していた戸籍の除籍謄本を取る
  • その書類に転籍前の本籍地が記載されていないかを見る
  • 記載されていれば、その役場へ追加で請求する
  • 出生の記録が載った書類にたどり着くまで繰り返す

出生の記録が確認できれば、出生から死亡までの記録がつながったことになります。

広域交付を使えば、コンピュータ化されている範囲に限りますが、この作業をまとめて一か所の窓口で行えます。

一方、古い時代の書類については本籍地ごとに個別に請求することになります。

書類がつながったら、次の手続きへ進める

出生から死亡までの記録がつながった時点で、相続人を確定するための書類が揃ったことになります。

この作業は、慣れていないと「どこまで集めればよいのか」が分かりにくく感じるかもしれません。

書類を一枚受け取るたびに内容を確認しながら進めるため、すぐに終わるとは限らない作業です。

ただ、やることの順番は決まっています。

「届いた書類に前の本籍地の記録があれば、そこへ追加で請求する」これを繰り返すだけです。

焦らず一通ずつ確認していけば、必ずつながります。

集めた除籍謄本を相続の手続きで使う

出生から死亡までの記録がつながった書類が揃いました。

ここからは、集めた除籍謄本を実際の手続きでどう使うかの話です。

除籍謄本は「取ること」が目的ではなく、「相続の手続きを前に進めるための証明書類」として使うものです。

どこで何のために使うのかを把握しておくと、手続き全体の見通しが立ちやすくなります。

相続人が誰かを確定するために使う

除籍謄本の最初の役割は、相続人を確定することです。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本をすべて確認することで、子どもが何人いるか、過去に認知した子どもがいないか、といった事実を公的な書類で証明できます。

相続人が一人でも漏れると、その後の手続きがやり直しになります。

遺産分割協議は相続人全員の同意が必要なため、相続人の確定は最初に済ませておく最重要の作業です。

名義変更や遺産分割協議書に添える

相続人が確定したら、実際の手続きに書類を添えて提出します。

銀行口座の名義変更や解約の手続きでは、金融機関の窓口に除籍謄本を含む戸籍書類一式を提出します。

不動産の相続登記(名義変更)では、法務局に同様の書類を提出します。

遺産分割協議書を作成する際にも、相続人を証明する書類として添えます。

提出先によって必要な書類の範囲が微妙に異なることがあります。

銀行や法務局に事前に確認してから書類を揃えると、不足が生じにくくなります。

相続税の申告が必要かどうかの判断は税理士に委ねる

書類が揃って相続人が確定したら、相続税の申告が必要かどうかを確認する段階が来ます。

相続税には基礎控除があり、遺産の総額が基礎控除額以下であれば申告は不要とされています。

ただし、基礎控除額の計算には法定相続人の人数が関係するため、相続人が確定してはじめて考えられる内容です。

基礎控除の考え方は相続税はいくらから?基礎控除の計算と無税になる金額を解説でも解説しています。

この判断は、税理士に委ねるのが確実です。

相続財産の評価や控除の適用には専門的な知識が必要で、自己判断で「申告不要」と結論づけてしまうと、後から問題になることがあります。

除籍謄本を含む戸籍書類を揃えて相続人を確定するところまでは、自分で進めることができます。

そこから先の税額の計算や、申告が必要かどうかの判断は、税理士に相談するのが確実です。

書類が手元に揃った段階で、税理士への相談を一つのゴールとして考えておくと、手続き全体が整理しやすくなります。

除籍謄本を請求して相続の手続きを進めよう

除籍謄本とは、家族の名簿にあたる戸籍のうち、そこに載っていた人が全員いなくなって使われなくなったものの写しです。

請求先は、今自分が住んでいる役場ではなく、亡くなった方の本籍地の役場になります。

本籍地が分からないときは、本籍の記載を希望して住民票を取れば確認できます。

取り方は、役場へ直接出向く・郵送・広域交付の3つです。

転籍が多い場合は最寄りの窓口でまとめて請求できる広域交付が便利ですが、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外で、請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限られ、郵送と代理人による請求もできません。

この制限に当てはまるときは、郵送か窓口での請求を選ぶことになります。

書類が届いたら、出生から死亡まで記録がつながっているかを確かめます。

前の本籍地の記録があれば、そこへ追加で請求する。

これを繰り返せば、相続人を確定するための書類が揃います。

そこから先、相続税の申告が必要かどうかや、書類に過不足がないかの判断は、税理士でなければ断定的なアドバイスを行うことができません。

戸籍を集めて相続人が確定したら、判断に迷う点だけ専門家に確認しておくと確実です。

参考リンク:

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