相続税の申告書と電卓・印鑑・現金など、相続の書類準備を表す写真

【2026年7月更新】

遺産分割協議書の必要書類を調べ始めたものの、何をどこまで集めればいいのかが分からず、手が止まっていないでしょうか。

親が亡くなって、気持ちの整理もつかないうちに「書類をそろえてください」と言われた。

何から手をつければよいか分からないまま検索した。

そんな状況の方も少なくないと思います。

先に結論をお伝えします。

集める書類は「亡くなった方の分」と「相続人全員の分」の2つに分けて考えると、ぐっと整理しやすくなります。

誰の分を・どこで・何通取るのかを先に決めておけば、窓口への往復は最小限で済みます

ただし、それだけでは足りない点があります。

提出先によって、求められる書類の組み合わせが変わるからです

実家の名義変更を扱う窓口と、銀行と、税務署とでは、必要なものがそれぞれ違います。

この記事では、その違いまで含めて順番に整理しました。

あわせて、多くの方が気にする「集めた書類に期限はあるのか」「コピーではだめなのか」という点も、公的な窓口が公開している情報をもとに、根拠を示しながらまとめています。

なお、この手続きに出てくる書類の名前には、初めて見ると戸惑うものが少なくありません。

この記事は、そうした言葉がよく分からないという方に向けても、やさしく解説しています。

最初の章で必要な言葉をまとめて押さえてから、書類の話へ進みます。

読み終えるころには、手元のメモに「誰の分の・何という書類を・どこで・何通取るか」を書き出せる状態になっているはずです。

そこから本籍地の市区町村役場へ戸籍を請求する、という最初の一手を踏み出せます。

遠方の場合に郵送で取り寄せる方法も、あわせて紹介します。

この記事を読んで分かること

  • 戸籍謄本と除籍謄本などの違い
  • 亡くなった方の分と相続人の分の区分
  • 提出先ごとに変わる書類と期限
  • 原本を返してもらう手続き

ぜひ最後までお読みください!

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はじめに知っておきたい必要書類の言葉

戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍・戸籍の附票・原本還付という遺産分割協議書の必要書類で知っておきたい5つの言葉と意味をまとめた図解

相続の手続きを進めようとすると、初めて見る言葉がいくつも出てきます。

意味が分からないまま先へ進もうとすると、何を集めればよいのかを判断できなくなります。

ここでは、この記事を読むうえで知っておきたい言葉をまとめて整理します。

言葉ひとことで言うと
戸籍謄本今の戸籍の写し
除籍謄本全員が抜けて閉じられた戸籍の記録
改製原戸籍様式が変わる前の古い戸籍の記録
戸籍の附票住所の移り変わりを記録したもの
原本還付提出した原本を返してもらう手続き

戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違い

「戸籍」とは、生まれてから亡くなるまでの家族関係の記録を、国が管理している書類のことです。

現在有効な戸籍の写しを「戸籍謄本」と呼びます

一方、結婚や転籍などによって全員がその戸籍から抜けた場合、その記録は「除籍謄本」という形で保存されます。

除籍謄本は「過去の戸籍の記録」と理解すると分かりやすいです

「改製原戸籍(かいせいはらこせき)」は、さらに古い時代の記録です。

法律の改正によって戸籍の様式が変わるたびに、古いものが「改製原戸籍」として保存されています

この3種類は、別々の書類として別々に請求することになる場合があります。

亡くなった方の相続手続きでは3種類をまとめて集める必要が生じることが多いため、「戸籍謄本を1枚取れば終わり」とはなりません

戸籍の附票はいつ使うのか

戸籍の附票(ふひょう)は、その戸籍に入っている期間中に住所がどのように変わってきたかを記録した書類です。

住民票とは別のものです

相続手続きで必ず提出を求められるわけではありませんが、亡くなった方の住所の移り変わりを証明する必要がある場面で使います。

戸籍謄本とセットで請求できることが多く、本籍地の市区町村役場に問い合わせると案内してもらえます。

印鑑証明書と実印がセットで必要な理由

印鑑証明書は、「この印鑑は確かにこの人が登録したものです」と市区町村が証明する書類です。

相続では、遺産分割協議書に相続人全員が署名・押印します。

このとき、ただの認印(三文判)ではなく、市区町村に届け出た「実印」を押すことが求められます

そして「その実印が本物であること」を証明するために、印鑑証明書が必要になります。

実印を持っていない場合は、市区町村役場で登録の手続きをしてから印鑑証明書を取得する流れになります。

原本還付と法定相続情報証明制度とは

書類を提出する際は、原則として原本(実際の書類そのもの)を提出します。

コピーで足りるわけではない、というのがまず基本です

ただし、原本をそのまま提出先に預けてしまうと、別の窓口へも同じ書類を出したいときに困ります。

そこで使えるのが「原本還付」という手続きです。

提出した原本を、手続きの完了後に返してもらえます。

もうひとつ、「法定相続情報証明制度」という仕組みもあります。

集めた戸籍の束をもとに1枚の図を作り、法務局に認証してもらった写しを無料で交付してもらえる制度です

この写しは戸籍の束の代わりとして使えます。

どちらも後の章でくわしく説明します。

必要書類は亡くなった方の分と相続人の分に分かれる

必要書類を亡くなった方の分と相続人全員の分の2つのグループに分けて整理した図解

遺産分割協議書を作って各窓口へ提出するために集める書類は、大きく2つのグループに分かれます。

「亡くなった方(被相続人)に関する書類」と「相続人全員に関する書類」です。

この2つを混同したまま集めようとすると、何が足りていて何が足りていないかが把握しにくくなります

最初にグループを分けて考えることが、書類集めを効率よく進めるための出発点です。

亡くなった方に関する書類

亡くなった方について必要になる主な書類は、次のとおりです。

  • 出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍(一式)
  • 住民票の除票、または戸籍の附票(最後の住所を証明するもの)

このうち、戸籍に関する書類は1枚では足りません。

亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの間に、戸籍の様式が変わっていたり、転籍によって本籍地が変わっていたりすることがあるからです。

その理由と集め方は、次の章でくわしく説明します。

相続人全員に関する書類

相続人全員それぞれについて必要になる主な書類は、次のとおりです。

  • 戸籍謄本(相続人であることを証明するもの)
  • 印鑑証明書(遺産分割協議書に押した実印に関するもの)
  • 住民票(不動産を新しく取得する方に必要)

相続人の戸籍謄本は、亡くなった方が亡くなった日以降に発行されたものである必要があります

亡くなる前に発行されたものは使えません

この点は見落としやすいので、取得のタイミングに注意が必要です。

印鑑証明書については、まず実印の登録が済んでいることが前提になります。

まだ登録していない相続人がいる場合は、お住まいの市区町村役場で先に登録手続きを行うことになります。

法務局が公開している必要書類の一覧

法務局は、相続による不動産の名義変更(相続登記)に必要な書類と、それぞれの取得先を一覧で公開しています。

遺産分割協議による相続の場合、次のように整理されています。

誰の分か書類の名称入手先
亡くなった方戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍本籍地の市区町村
亡くなった方住民票の除票 又は 戸籍の附票住所地/本籍地の市区町村
法定相続人戸籍謄本(抄本)本籍地の市区町村
法定相続人印鑑証明書住所地の市区町村
法定相続人固定資産課税明細書毎年4月頃に市区町村から送付
新しく所有者になる方住民票住所地の市区町村

3つ目のグループにあたる「新しく所有者になる方の住民票」は、相続人の中でも不動産を受け取る方にだけ必要になるものです。

全員が用意するものではないため、誰が不動産を相続するかが決まってから準備します

このほかに、作成する書類として登記申請書・遺産分割協議書・相続関係説明図があり、代理人が申請する場合は委任状も加わります。

協議書そのものの書き方は、遺産分割協議書の書き方|ひな形の入手先と記載項目をやさしく解説で記載例に沿って整理しています。

なお、この一覧はあくまで相続登記(法務局への手続き)を想定したものです。

銀行や税務署への手続きでは、求められる書類が一部異なります。

亡くなった方の戸籍は出生までさかのぼって集める

相続手続きで最も手間がかかるのが、亡くなった方の戸籍を集める作業です。

「戸籍謄本を1枚取れば終わり」と思っていた方は、ここで見通しを立て直すことになります。

なぜ1枚では足りないのか。

その理由と、具体的な集め方をこの章で見ていきます。

出生から死亡までの一式が必要な理由

相続手続きでは、亡くなった方に法律上の相続人が何人いるかを証明する必要があります。

そのためには、亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの間にどのような家族関係があったかを、すべて確認できる書類が要ります。

たとえば、現在の戸籍だけを見ると、今の家族構成しか分かりません。

過去に結婚・離婚があった場合や、認知した子がいる場合など、現在の戸籍には記載されていない相続人が存在する可能性があります

それを漏れなく確認するために、出生までさかのぼった戸籍の一式が求められます。

法務局の一覧にも「出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍謄本が必要です」と明記されています。

本籍地が変わっている場合は複数の市区町村へ請求する

戸籍は、本籍地を管轄する市区町村役場が管理しています。

亡くなった方が生涯を通じて一度も本籍地を変えていなければ、1か所の役場へ請求するだけで済みます。

ただし、結婚や転籍によって本籍地が変わっていた場合は、それぞれの時代の本籍地を管轄していた市区町村役場に対して、別々に請求することになります。

たとえば、出生時の本籍地がA市、結婚後にB市へ転籍、その後C市へ再度転籍した場合は、A市・B市・C市のそれぞれに請求が必要です

どこからどこへ本籍が移ってきたかは、直近の戸籍を取得すると記載されている場合があります。

そこに記されている前の本籍地をたどりながら、出生時の記録にたどり着くまで順番に請求していきます。

本籍地以外の窓口でも請求できる場合がある

戸籍は原則として本籍地の市区町村役場に請求しますが、本人・配偶者・直系尊属(父母、祖父母など)・直系卑属(子、孫など)の戸籍等については、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます

ただし、法務局の案内にも「コンピュータ化されていない一部の戸籍等を除く」と注記があり、すべての戸籍が対象になるわけではありません。

利用する前に窓口へ確認しておくと確実です。

郵送でも請求できる

本籍地が遠方にある場合でも、窓口まで出向く必要はありません。

多くの市区町村では、郵送による戸籍の請求を受け付けています。

郵送で戸籍を請求するときに同封するもの

  • 請求書(各市区町村のウェブサイトからダウンロードできることが多い)
  • 本人確認書類のコピー(運転免許証など)
  • 手数料分の定額小為替(郵便局の窓口で購入する)
  • 返信用封筒(切手を貼ったもの)

手数料は、現在の戸籍謄本が1通450円、除籍謄本と改製原戸籍が1通750円です

定額小為替は郵便局の窓口で購入でき、購入時に1枚あたりの発行手数料が別にかかります。

請求先の市区町村のウェブサイトで、必要額と請求方法を先に確認しておくと安心です。

亡くなった方の戸籍をすべて集めるには、複数の市区町村への請求と、書類が手元に届くまでの日数がかかります。

早めに着手しておくと、その後の手続き全体が進めやすくなります。

法務局・銀行・税務署で必要な書類が違う

遺産分割協議書を使う提出先は、1か所だけではありません。

不動産があれば法務局、預貯金があれば銀行、相続税の申告が必要な場合は税務署と、それぞれ別に手続きをします。

そして、それぞれの窓口が求める書類の組み合わせは、完全には一致しません。

法務局で通った書類一式をそのまま銀行に持っていけばよい」とはならないのです。

法務局(相続登記)で必要な書類

不動産を相続した場合、法務局に対して名義変更の申請(相続登記)をします。

必要な書類は前の章の一覧のとおりで、法務局が公式に公開しているため、確認しやすい窓口だといえます。

不明な点があれば、管轄の法務局に事前相談の予約を入れることができます。

なお、相続登記は令和6年(2024年)4月1日から申請が義務化されました。

法務省によると、相続によって不動産を取得した相続人は「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内」に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります

銀行(預貯金の払い戻し・名義変更)で必要な書類

預貯金の払い戻しや名義変更は、口座がある金融機関それぞれに対して手続きをします。

銀行が求める書類は、法務局の一覧とは異なります。

また、金融機関ごとに独自のルールや書式があるため、必要書類は事前に各銀行へ直接確認することになります。

一般的に求められることが多いのは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書、遺産分割協議書、銀行所定の相続手続き依頼書、そして通帳やキャッシュカードです。

法務局と大きく異なるのは、銀行が独自に「発行から○か月以内」といった有効期限の条件を設けている場合があるという点です。

この条件は銀行によって違うため、事前の確認が欠かせません。

口座が複数の銀行に分散している場合は、それぞれの銀行に対して個別に手続きが必要です。

まずは通帳やキャッシュカードを手がかりに、どの銀行に口座があるかを確認するところから始めると進めやすくなります。

税務署(相続税の申告)で必要な書類

相続税の申告が必要かどうかは、受け取った財産の総額が基礎控除額を超えるかどうかによって決まります。

基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算し、原則としてこの金額を超えなければ申告は不要とされています。

申告が必要な場合の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。

亡くなった日そのものからではない点に注意が必要です

税務署への申告では、戸籍一式や遺産分割協議書に加えて、不動産の評価に関する書類や預貯金の残高証明書など、財産の内容に応じた書類が必要になります。

財産の中身によって変わるため、一覧で示しきることが難しい領域です。

申告に向けた書類集めの全体像は、相続税を自分で申告する方法|書類の集め方と手順・実費をやさしく解説で手順ごとに整理しています。

申告が必要かどうかの判断や、書類の過不足の確認は、税理士の専門領域です

「自分の家で申告が必要かどうか分からない」「集めた書類で足りているか確認したい」という場合は、税理士へ相談する場面になります。

3か所に共通して必要になるもの

3つの提出先に共通して必要になるのは、「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式」と「相続人全員の戸籍謄本」です。

これらは手続きの土台となる書類なので、まずここから集めることが全体の効率につながります

一方で、書類の有効期限の考え方や、原本の扱いは提出先によって異なります。

その点は次の章で整理します。

同じ書類でも有効期限の扱いは提出先で異なる

「せっかく集めた書類が期限切れで使えなかった」という事態は、できれば避けたいところです。

この章では、提出先ごとに有効期限の扱いがどう違うのかを整理します。

法務局は「有効期限なし」が基本

法務局が公開している相続登記の必要書類一覧では、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍・住民票の除票・印鑑証明書・住民票のいずれも、有効期限の欄が「なし」とされています

つまり法務局への相続登記の申請では、何年前に発行された戸籍謄本や印鑑証明書であっても、原則として使えます

書類を集めてから申請まで時間がかかってしまった場合でも、取り直す必要はありません。

ただし、同じ一覧の備考欄に条件が示されているものが2つあります。

ひとつは固定資産課税明細書で、登記申請をする日の属する年度のものが必要です

もうひとつは相続人の戸籍謄本で、亡くなった方の死亡日以降に発行されたものである必要があります。

銀行は独自の期限条件を設けていることがある

銀行の場合は、法務局とは考え方が異なります。

多くの銀行では、提出する書類に対して「発行から○か月以内」といった独自の条件を設けています。

具体的な月数は銀行によって異なるため、この記事では断定した数字をお伝えできません

手続きを進める前に、口座がある銀行へ直接確認するのが確実です。

書類をすべて集め終えてから銀行窓口へ出向いたところ、印鑑証明書の発行から期間が経ちすぎていて使えなかった、ということも起こり得ます。

銀行への手続きを予定している場合は、書類を集める順番と提出のタイミングを意識して進めると、余計な手間を防げます。

税務署については事前の確認が確実

税務署への相続税申告で必要な書類の有効期限は、財産の内容や書類の種類によって異なります。

この記事で一律に断定することは難しいため、詳細は税理士または税務署に直接確認する形になります。

有効期限の考え方を提出先ごとに整理

  • 法務局=戸籍謄本・印鑑証明書などは有効期限なし。ただし固定資産課税明細書は申請年度のもの
  • 銀行=金融機関ごとに独自の条件あり。事前に各行へ確認する
  • 税務署=書類の種類や財産内容によって異なるため、税理士または税務署に確認する
  • 3か所に共通=相続人の戸籍謄本は亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの

3か所すべてに共通して言えるのは、相続人の戸籍謄本は「亡くなった方が亡くなった日以降に発行されたもの」でなければ使えないという点です。

この条件だけは、どの窓口でも変わりません。

取得のタイミングを間違えないよう、最初に押さえておくと安心です。

原本は返してもらえるので何通も取り直さなくてよい

ここまで読んで、「法務局にも銀行にも税務署にも書類が必要なら、同じものを何通も取り寄せなければいけないのでは」と感じた方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、工夫しだいで取り直しの手間は大きく減らせます。

この章では、その仕組みを見ていきます。

まず前提として、提出するのは原則として原本

最初に押さえておきたいのは、各窓口へ提出する書類は、原則として原本だという点です。

コピーを持っていけば代わりになる、というわけではありません。

戸籍謄本であれば、市区町村役場が発行した書類そのものを提出します

法務局も、申請書と併せて提供する書類は原則として還付されない、と案内しています。

この前提を知らないまま「コピーを何枚か取っておけばよい」と考えて動いてしまうと、窓口で受け付けてもらえず、あらためて原本を取り直すことになります。

原本還付の手続きを使えば提出した原本が戻ってくる

原本を提出する一方で、提出した原本を手元に取り戻せる手続きがあります。

それが「原本還付」です。

法務局の案内によると、他の登記所への申請に使用するなどの理由で書類の返還が必要な場合、原本のコピーを作り、そのコピーに「原本に相違ない」旨を付記して署名することで、原本の返還を請求できます

登記官が原本とコピーを照らし合わせ、一致を確認したうえで原本を返してくれる仕組みです。

原本還付を請求できる主な書類には、住民票などの住所を証明する書類のほか、遺産分割協議書や亡くなった方の住民票の除票といった相続を証明する書類が含まれます。

返ってきた原本は、次の提出先で再び使えます

戸籍謄本は相続関係説明図とセットで返してもらえる

戸籍謄本・除籍謄本については、「相続関係説明図」という書類を一緒に提出することで、原本還付を請求できます。

相続関係説明図とは、亡くなった方を中心に相続人全員の関係を図で示した書類です。

決まった書式はなく、手書きで作成することもできます

法務局の必要書類一覧でも、戸籍・除籍謄本の原本の還付を希望しない場合は不要、と説明されています。

裏を返せば、原本を返してほしいなら添えておく書類だということです。

相続登記の申請では、戸籍の束が多くなりがちです。

相続関係説明図を活用すると束ごとまとめて原本還付を受けられるため、手間が大きく省けます

法定相続情報証明制度を使えば戸籍の束が1枚になる

戸籍の原本還付とは別に、戸籍の束そのものを持ち回らずに済む方法もあります。

それが「法定相続情報証明制度」です。

この制度では、集めた戸籍の束と一緒に「法定相続情報一覧図」を法務局へ提出すると、登記官が内容を確認し、認証文を付した写しを無料で交付してくれます。

この写しは戸籍の束の代わりとして相続登記に使えるほか、預金の払い戻しや相続税の申告、年金の手続などにも利用できます

ただし実際に使えるかどうかは提出先の機関によるため、事前の確認が必要です

写しは複数枚の交付を受けられるため、提出先の数に合わせてまとめて取得しておくと効率的です

戸籍の束を何度も持ち回る手間が省けるうえ、交付は無料です。

提出先が複数ある場合は、利用を検討する価値があります。

書類の一覧を書き出して戸籍の請求から始めよう

必要書類を集める作業は、一度に全部そろえようとすると混乱しやすいものです。

まず「何が必要か」を書き出してから、取得できるものから順に動いていく進め方が現実的です。

最初にやることは、手元の紙かスマホのメモを開いて、「亡くなった方の分」と「相続人全員の分」に分けて、書類名・取得先・通数を書き出すことです。

そのうえで、亡くなった方の戸籍の請求に取りかかります。

ここが最も時間のかかる作業なので、他の書類より先に着手しておくと全体が進みます

本籍地が遠方なら郵送でも請求できます。

戸籍を集めながら、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書の準備を並行して進めると、待ち時間を無駄にせずに済みます。

書類がそろってきたら、原本還付や法定相続情報証明制度を使って、1セットの原本を複数の窓口で使い回せないかを検討してみてください。

進めるなかで「申告が必要かどうか分からない」「この書類で足りているか不安が残る」と感じる場面も出てきます。

とくに相続税の申告が必要かどうかの判断や書類の過不足の確認は、税理士でなければ断定的なアドバイスを行うことができません

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