すぐ分かる むずかしい言葉が分からなくても大丈夫
- 「遺産の金額」と「ご家族の人数」を選ぶだけ
- 相続税がかかるか・おおよそいくらか、その場で目安が出ます
- 専門用語は、シミュレーターの下でひとつずつ解説します
おおよその相続税(ご家族全体の合計)は
(概算・法定相続分どおりに分けた場合)
計算の内訳を見る
また、「0円」と表示された場合でも、財産の評価しだいで実際には相続税がかかることがあります。個別の金額や、申告が必要かどうかは、税理士や税務署などの専門家にご確認ください。
相続税は自分の家ならいくらかかるのか、そもそもかかるのか?おおよその金額は見えたでしょうか。
このシミュレーターは、遺産のおおよその金額と、ご家族の人数を選ぶだけで、相続税がかかりそうか、かかるならおおよそいくらかの目安を出すものです。
一方で、実際どう税務署に手続きをすべきなのか、不動産の評価や特例が使えるかどうかの判断など、
一つ間違えると手順や税額が大きく変わる部分があり、そこはご自身での判断がむずかしいところです。
もっと詳しく把握したい方は、相続税を専門とする税理士に確認するのが確実です。
目次
まず押さえたい相続税の4つの言葉

相続税のことを調べていると、「基礎控除」「法定相続人」といった専門用語が次々に出てきて、途中で分からなくなってしまう。
そんな声をよく聞きます。
この記事は、そうした言葉がよく分からないという方に向けて、意味からひとつずつやさしく解説していきます。
まず言葉を押さえてから、上のシミュレーターが出した数字がどう計算されるのかへ進みますので、順番に読んでいけば大丈夫です。
相続税の話でつまずくのは、たいてい計算そのものではなく言葉のところです。
逆にいえば、この先に出てくる言葉を先に知っておくだけで、計算の話は驚くほど分かりやすくなります。
授業でいう「今日習う言葉」だと思ってください。
まずは、この記事で使う言葉を4つだけまとめておきます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 遺産 | 亡くなった方が残した財産のすべて |
| 相続人 | 遺産を受け取る人 |
| 法定相続人 | 法律で相続人になると決められている人 |
| 控除 | 差し引くこと |
遺産は亡くなった方が残した財産のこと
遺産とは、亡くなった方が残した財産のことです。
現金や預貯金だけではありません。
家や土地といった不動産、株式や投資信託、亡くなったことで受け取る生命保険金なども遺産にふくめて考えます。
反対に、借入金や未払いの費用といったマイナスの財産があれば、その分は差し引きます。
相続税の話に出てくる「遺産の総額」とは、これらを合計した金額のことだと思ってください。
相続人と法定相続人のちがい
相続人とは、遺産を受け取る人のことです。
亡くなった方(この方を「被相続人」、ひとことで言えば「亡くなった方」と呼びます)のご家族が中心になります。
そのうち「法定相続人」は、法律で相続人になると決められている人を指します。
「相続人」とほぼ同じ意味ですが、法律で決まっていることを示すために「法定」が付きます。
配偶者は必ず法定相続人になり、そのほかは子ども、いなければ親、それもいなければ兄弟姉妹、という順番で決まります。
この法定相続人が何人いるかは、このあとの計算にそのまま効いてきます。
相続税の話で法定相続人という言葉が何度も出てくるのは、そのためです。
控除は差し引くという意味
「控除」とは、差し引くという意味の言葉です。
税金の話では「◯◯控除」という言葉が何度も出てきますが、どれも「ここまでは差し引いてよい」という枠のことだと考えれば大丈夫です。
難しい言葉に見えて、やっていることは引き算です。
この記事の主役になる「基礎控除」も、その控除のひとつです。
次の章から、いよいよ本題に入ります。
相続税がかかるかどうかを決める基礎控除

相続税がかかるかどうかは、遺産の総額が「基礎控除」を超えるかどうかで決まります。
難しそうな名前ですが、中身は「遺産の総額から差し引ける非課税の枠」のことです。
この枠に収まれば相続税はかからず、税務署への手続き(申告)も原則いりません。
実は、相続が起きても相続税がかかるのは全体のごく一部で、多くのご家庭はこの基礎控除の範囲におさまります。
基礎控除の計算式は、次のひとつだけです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
とはいえ、この式だけを見せられても、3,000万円や600万円がどこから出てきた数字なのか分かりにくいところです。
まずはこの式の中身を、ひとつずつ見ていきます。
3,000万円は人数に関係なく引ける土台の部分
式の前半にある3,000万円は、法定相続人が何人であっても変わらない定額の部分です。
相続人が1人でも4人でも、まずこの3,000万円が土台として引けます。
言い換えれば、基礎控除は最低でも3,000万円ある、ということです。
600万円は法定相続人1人につき増える部分
式の後半にある「600万円×法定相続人の数」は、法定相続人1人あたりに加わる部分です。
法定相続人が1人増えるごとに、基礎控除の枠が600万円ずつ広がります。
つまり「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という式は、動かない土台の3,000万円と、人数の分だけ伸びる600万円ずつの部分を足したもの、と読めます(国税庁タックスアンサーNo.4152)。
相続する家族が多いほど差し引ける金額が増えて、相続税はかかりにくくなる仕組みです。
人数ごとの基礎控除の早見
人数ごとの基礎控除は、次のとおりです。
まずは「自分の家の遺産が、この金額を超えそうかどうか」を見てみてください。
| 法定相続人の数 | 基礎控除の額 | 計算 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 3,000万+600万×1 |
| 2人 | 4,200万円 | 3,000万+600万×2 |
| 3人 | 4,800万円 | 3,000万+600万×3 |
| 4人 | 5,400万円 | 3,000万+600万×4 |
| 5人 | 6,000万円 | 3,000万+600万×5 |
たとえば法定相続人が3人なら、遺産が4,800万円までは相続税がかからない、ということになります。
ご自宅(土地・建物)と預貯金を合わせても、この金額を超えないご家庭は少なくありません。
相続税がかかるのは、相続が起きたご家庭のうち、ごく一部にとどまります。
だからこそ、まずは自分の家がどちら側なのかを知ることが大切で、そのための第一歩が、遺産のおおよその総額と基礎控除を見比べることになります。
ここだけ押さえれば大丈夫
- 相続税がかかるかどうかは、まず「遺産の総額」と「基礎控除」を比べるだけ
- 遺産のほうが少なければ、相続税の心配はいらず、申告も原則いらない
- 相続を放棄した人がいても、基礎控除の計算では放棄がなかったものとして人数に含める(国税庁No.4152)
法定相続人を数えるときの2つの注意
法定相続人が何人かは、基礎控除の額にそのままひびきます。
数えるときに見落としやすいのが、次の2点です。
ひとつは養子です。
養子も法定相続人になりますが、基礎控除の計算に入れられる人数には上限があり、実の子がいる場合は1人まで、実の子がいない場合は2人までとされています(国税庁タックスアンサーNo.4170)。
もうひとつは相続放棄です。
相続を放棄した人がいても、基礎控除の計算では放棄がなかったものとして人数に数えます。
実際に遺産を受け取るかどうかと、基礎控除の計算に使う人数は別の話だと考えてください。
相続税の計算は「引く・分ける・かける」の3ステップ
遺産が基礎控除を超えていた場合は、次の流れで相続税を計算します。
少し長く見えますが、やっていることは「引く → 分ける → かける」の3つだけです。
ひとつずつ見ていきます。
- 引く:遺産の総額から基礎控除を差し引く(残った金額を「課税遺産総額」といいます)
- 分ける:その金額を、法定相続人が「法定相続分」どおりに分けたと仮定して割り振る
- かける:割り振った金額ごとに、速算表の税率をかけて、全員分を合計する
ステップ1「引く」課税遺産総額とは
遺産の総額から基礎控除を差し引いた、残りの金額を「課税遺産総額」といいます。
名前はむずかしそうですが、要は「基礎控除を引いたあとの、税金の対象になる金額」のことです。
ここがマイナス、つまり遺産が基礎控除以下なら、相続税は0円です(国税庁タックスアンサーNo.4152)。
ステップ2「分ける」法定相続分とは
「法定相続分」とは、それぞれの相続人がどのくらいの割合で受け取るかの、法律上の目安のことです。
字が似ていますが、「法定相続人」は“人”のこと、「法定相続分」は“割合”のことだと区別すると分かりやすくなります。
相続税は、実際にどう分けたかにかかわらず、まずこの割合で分けたものとして計算する決まりになっています(国税庁タックスアンサーNo.4132)。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者の割合 | もう一方の割合 |
|---|---|---|
| 配偶者と子ども | 1/2 | 子ども全員で1/2を等分 |
| 配偶者と親 | 2/3 | 親で1/3を等分 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 3/4 | 兄弟姉妹で1/4を等分 |
たとえば配偶者とお子さん2人なら、配偶者が1/2、お子さんは1/2をふたりで分けて1/4ずつ、という具合です。
ステップ3「かける」速算表の使い方
割り振った金額ごとに、次の「速算表」で税率をかけ、そこから「控除額」を引きます。
ここで出てくる控除額は、基礎控除とは別のもので、税率をかけたあとの金額を調整するための数字です。
金額が大きいほど税率が高くなる仕組みになっています(国税庁タックスアンサーNo.4155)。
| 法定相続分で分けた1人分の金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | ― |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
計算例で見てみる
言葉だけでは分かりにくいので、実際の数字で追ってみます。
まずは、ご家庭で多い「配偶者とお子さん」のケースです。
金額別のより詳しい計算例は、相続税はいくらかかるかの記事でも整理しています。
例1は、遺産1億円、配偶者と子ども2人(法定相続人3人)の場合です。
- 引く:基礎控除=3,000万+600万×3人=4,800万円。課税遺産総額=1億円−4,800万=5,200万円
- 分ける:配偶者2,600万円、お子さん1,300万円ずつ
- かける:配偶者2,600万×15%−50万=340万、お子さん1,300万×15%−50万=145万ずつ
- 合計(相続税の総額)=340万+145万+145万=630万円
さらに、このあと説明する配偶者の税額軽減を使い、配偶者が半分を受け取ると、配偶者にかかる分は軽くなり、実際に納める相続税はお子さん2人分の約315万円まで下がります。
つまり、同じ遺産1億円でも、配偶者がどのくらい受け取るかによって、家族全体で納める相続税は変わってきます。
ここは、次に配偶者が亡くなったときの相続(二次相続)まで見据えて考えるのが理想で、迷う場合は税理士に相談しながら決めるのが安心です。
もう1つ、配偶者がいないケースも見てみます。
例2は、遺産5,000万円、子ども2人だけ(法定相続人2人)の場合です。
- 引く:基礎控除=3,000万+600万×2人=4,200万円。課税遺産総額=5,000万−4,200万=800万円
- 分ける:お子さん400万円ずつ
- かける:400万×10%=40万ずつ
- 合計(相続税の総額)=80万円
同じ「相続税」でも、遺産の額と家族の人数で大きく変わることが分かります。
まず「自分の家の法定相続人は何人か」を数えることが、相続税を考える出発点になります。
細かな金額まで正確に出すには専門的な評価が必要ですが、大きさの見当をつけるだけなら、遺産のおおよその総額と人数さえ分かれば十分です。
ご自身の数字は、ページの上にあるシミュレーターで確かめられます。
遺産に「含まれるもの」と「引けるもの」
相続税を考えるうえで意外と迷うのが、「何を遺産に入れるのか」という点です。
とくに、亡くなった方が住んでいた自宅などの不動産は、その金額をどう決めるのかが分かりにくいところです。
不動産の金額は相続税評価額で見る
土地や建物は、売買の値段ではなく、「相続税評価額」という相続税専用の金額で計算します。
これは、市区町村から届く固定資産税の金額とも、実際の売値とも異なることが多く、専門的な調べ方が必要になります。
ここは自己判断がむずかしい部分なので、正確に知りたいときは税理士に確認するのが安心です。
生命保険金には非課税の枠がある
亡くなったことで受け取る生命保険金は遺産にふくめますが、「500万円×法定相続人の数」までは相続税がかかりません(受け取る人が相続人の場合。
国税庁タックスアンサーNo.4114)。
たとえば法定相続人が3人なら、1,500万円までの保険金は税金の対象から外れます。
受け取る保険金が2,000万円だった場合は、1,500万円を差し引いた残りの500万円だけが相続税の計算に入る、という具合です。
保険金を受け取ったからといって、その全額に相続税がかかるわけではない、という点は見落とされがちなところです。
借金や葬式費用は遺産から引ける
住宅ローンの残りや未払いの費用などの借金、いわばマイナスの財産は、遺産から差し引けます。
葬式にかかった費用の一部も、同じように差し引けます。
たとえば、亡くなった方に3,000万円の預貯金があっても、住宅ローンが1,000万円残っていれば、差し引いた2,000万円で考えます。
プラスの財産だけを見て「基礎控除を超えそう」と早合点せず、マイナスの財産も忘れずに差し引くことが大切です。
相続税を軽くする代表的な2つの仕組み
相続税には、条件に当てはまると税額を大きく減らせる仕組みがあります。
よく使われる2つを紹介します。
ただし、どちらも使うには税務署への申告が必要で、当てはまるかどうかの判断もむずかしいため、実際の適用は税理士に相談するのが確実です。
特例を使うときに気をつけたいこと
- 特例を使って税額が0円になる場合でも、申告そのものは必要(国税庁No.4158)
- 当てはまるかどうかの判断はむずかしく、自己判断は避けて税理士に確認するのが確実
配偶者の税額軽減
配偶者が受け取った遺産のうち、1億6,000万円までか、配偶者の法定相続分までであれば、配偶者に相続税はかかりません(国税庁タックスアンサーNo.4158)。
多くのご家庭で、配偶者の相続税が0円になる、とても大きな仕組みです。
小規模宅地等の特例
亡くなった方が住んでいた自宅の土地などは、一定の面積(居住用は330平方メートル)まで評価額を最大80%減らせる場合があります(国税庁タックスアンサーNo.4124)。
先ほどの相続税評価額そのものを大きく下げられるため、相続税に与える影響がとても大きい特例です。
ただし、誰が土地を受け継ぐか、住み続けるかといった条件があり、当てはまるかどうかの判断はむずかしいところです。
この特例が使えるかどうかで、そもそも相続税がかかるかどうかまで変わることもあるため、自宅の土地がある場合はとくに、税理士に確認しておくと安心です。
一次相続と二次相続のバランス
配偶者の税額軽減は大きな仕組みですが、使い方には少し注意が必要です。
最初の相続(一次相続)で配偶者が多くを受け取って軽減を大きく使うと、その配偶者が次に亡くなったとき(二次相続)に、今度はお子さんの相続税の負担が増えることがあります。
どちらの相続も見据えて遺産の分け方を考えることになるため、迷う場合は税理士に相談しながら決めるのが安心です。
相続税の申告と納税の期限は「10か月」
ここで、これまで何度か出てきた「申告」という言葉を、あらためて説明します。
申告とは、「相続税がこれだけかかります」と自分で計算して書類にまとめ、税務署に提出する手続きのことです。
会社勤めの方は税金を勤務先が代わりに手続きしてくれることが多いため、なじみが薄いかもしれませんが、相続税は基本的に自分(相続人)で申告し、納税するものです。
この申告と納税には期限があります。
亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内が原則です(この数え始める日を起算日といいます。
国税庁タックスアンサーNo.4205)。
期限を過ぎると、遅れたことへの追加の税金である加算税や延滞税がかかることがあります。
前の章で紹介した特例を使う場合も、この10か月の期限内に申告することが条件です。
相続税の申告には、戸籍や預貯金の残高証明書、不動産の評価に必要な書類など、集めるものが多くあります。
とくに不動産の評価には手間がかかるため、10か月という期限は、思っているよりも余裕がありません。
何から手をつければよいか分からないという段階でも、早めに一度相談しておくと、その後の見通しが立てやすくなります。
なお、期限までに遺産の分け方が決まらない場合でも、いったん法定相続分で分けたものとして申告し、あとで分け方が決まってから修正するという方法もあります。
いずれにしても、期限が迫ってから慌てることのないよう、早めに全体像をつかんでおくことが大切です。
迷ったら、まず税理士に相談を
相続税は、言葉さえ分かってしまえば、全体の流れはそれほど複雑ではありません。
まず「遺産・相続人・法定相続人・控除」という4つの言葉を押さえ、基礎控除を超えるかどうかで、かかる家庭かどうかが分かれます。
超えていても、引く・分ける・かけるの3つの手順を知っていれば、おおよその見当はつけられます。
一方で、不動産の評価や特例が使えるかどうかの判断など、一つ間違えると税額が大きく変わる部分があり、そこはご自身での判断がむずかしいところです。
だからこそ、かかりそうかどうかの見当は上のシミュレーターでつかみ、正確なところは専門家に確かめる。
この二段構えが安心です。
らくサポでは、ご相談の内容をおうかがいし、相続税を専門とする提携税理士へおつなぎしています。
相談は無料です。
まずは上のシミュレーターで概算を出してから、気になる点をお電話またはLINEでお気軽にお問い合わせください。
参考リンク:


