
金の相続に相続税はかかる?
評価額の決まり方と申告をやさしく解説
【2026年7月更新】
親が遺した金の延べ棒や金貨、純金積立が出てきて、金の相続には相続税がかかるのか、いくらで評価してどう申告すればいいのかが気になり、調べ始めた方は多いのではないでしょうか。
ところが調べてみると、記事には見慣れない言葉が次々に出てきて、何のことかよく分からないまま画面を閉じてしまった、ということが起こりがちです。
この記事は、そうした言葉がよく分からないという方に向けても、やさしく解説しています。
最初の章で必要な言葉をまとめて押さえてから、金の話へ進みます。
先に結論をお伝えします。
金の延べ棒(金地金)も、金貨も、純金積立も、指輪や置物といった金製品も、すべて相続税の対象になる財産です。
種類によって扱いが変わることはありません。
ただ、「対象になる」と分かっただけでは、次に何をすればいいかは見えてきません。
手元にどの種類の金がどれだけあるかを確かめ、いくらとして数えるのかを知り、そのうえで税金がかかる家庭なのかどうかを見当づける、という順番があります。
「現物だから分からないのでは」と迷う方もいますが、金の売り買いには業者から税務署へ書類が届く仕組みがあります。
あとから申告漏れを指摘されると、本来の税金に加えて余分な税金がかかります。
慌てずに正しく数えて申告することが、結果として一番負担の少ない進め方になります。
この記事では、その順番どおりに、言葉の意味から順を追って整理しました。
金の種類ごとの数え方、税金がかかるかどうかの見当のつけ方、申告で気をつけたいことまで、専門的な計算をしなくても読み進められるようにしています。
読み終えるころには、まず何を確かめて、どこから手をつければいいのかが見えているはずです。
この記事を読んで分かること
- 書類を読むために必要な基本用語の意味
- 延べ棒・金貨・積立・装飾品の見分け方
- 税金がかかる家庭かどうかの見当のつけ方
- 税務署への伝え方と余分な負担を防ぐ順序
ぜひ最後までお読みください!
目次
まず押さえたい金の相続の言葉

相続の話を調べると、最初から「相続人」「控除」「評価額」といった言葉が当たり前のように出てきます。
これらの言葉が分からないまま読み進めると、途中で何の話をしているのか分からなくなってしまいます。
まずここで、この記事に出てくる言葉を5つだけ意味とあわせて並べておきます。
難しい定義は必要ありません。
「だいたいこういう意味か」と頭に入れておくだけで、この先がぐっと読みやすくなります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 遺産 | 亡くなった方が残した、お金に見積もれる財産のすべて |
| 相続人・法定相続人 | 遺産を受け取る人(法定相続人は法律で範囲が決められた人) |
| 控除 | 税金の計算から差し引けるお金 |
| 相続税評価額 | 相続税の計算に使う金の値段 |
| 申告 | 遺産の金額を計算して税務署に伝える手続き |
遺産は亡くなった方が残した財産のすべて
遺産とは、亡くなった方が残した「お金に見積もれる財産のすべて」のことです。
現金・預貯金・不動産はもちろん、株式や車、そして今回のテーマである金(金地金・金貨・純金積立・金製品)も含まれます。
「お金以外のものは関係ない」と思いがちですが、値段がつくものはすべて遺産として数えます。
相続人と法定相続人は遺産を受け取る人
相続人・法定相続人とは、遺産を受け取る人のことです。
「相続人」は遺産をもらう人全般を指し、「法定相続人」はそのうち法律で決められた範囲の人を指します。
配偶者・子・親・兄弟姉妹などが当てはまります。
後ほど出てくる基礎控除の計算で「何人いるか」を数える必要があるため、今の時点でご家族の人数を頭に浮かべておくと便利です。
控除は税金の計算から差し引けるお金
控除とは、税金の計算から差し引けるお金のことです。
「控除がある」というのは、「この金額までは税金を計算しなくていい」という意味だと考えると分かりやすくなります。
相続税には「基礎控除」という仕組みがあり、遺産の総額がこの金額より少なければ、相続税はかかりません。
詳しくは後の章で式を使って説明しますが、ここでは「一定額まで税金がかからない範囲がある」とだけ覚えておけば十分です。
相続税評価額は相続税の計算に使う金の値段
相続税評価額とは、相続税の計算に使う「金の値段」のことです。
市場で売れる価格とまったく同じではない場合もありますが、金の場合は「亡くなった日の時価(業者の買取価格が目安)」をもとに算出します。
「いくらの金を受け取ったか」ではなく、「亡くなった日に金がいくらの価値だったか」で税額が決まるという点が、金の評価の大切なポイントです。
申告は税務署に金額を伝える手続き
申告とは、遺産がいくらあったかを計算して、その内容を税務署に書類で伝える手続きのことです。
確定申告をしたことがない方にとっては、何をするのか像が浮かびにくい言葉かもしれません。
相続税の場合は、遺産の一覧と評価額をまとめた書類を作り、亡くなった方の住所地を管轄する税務署へ提出します。
書類の作成そのものは税理士が担う部分が大きいため、まずは「税務署に金額を伝える手続き」と理解しておけば十分です。
これだけ頭に入れておけば、この先の章は「知らない言葉ばかり」という状態にはなりません。
次の章からは、手元にある金がどの種類にあたるのか、どこに何があるかを確認する方法を見ていきます。
金を相続したらまず種類と保管場所を確かめる

「親が金を持っていたらしい」と分かっても、それが何なのか、どこにあるのかが分からなければ先に進めません。
相続の手続きでは、まず「何がどれだけあるか」を把握することが出発点になります。
金にはいくつかの種類があり、種類によって保管場所も、手がかりになる書類も異なります。
一つひとつ見ていきます。
金地金・金貨・純金積立・金製品の4種類
金地金(きんじがね)は、延べ棒の形をした純金の塊です。
板状や棒状のものが多く、重さはさまざまです。
自宅の金庫や貸金庫に保管されているケースが多く、購入時に発行された「保証書」や「品質証明書」が一緒に保管されていることがあります。
これらの書類は評価額を調べるときの根拠になるため、現物と一緒に見つけておくことが大切です。
金貨は、金でできた硬貨です。
コレクターズアイテムとして保管されていることもあれば、資産として購入されていることもあります。
自宅の引き出しや金庫、貸金庫に保管されているケースが多いです。
購入時の領収書や保管ケースが手がかりになります。
純金積立は、毎月少しずつ金を積み立てていく金融商品です。
現物の金が手元にあるわけではなく、証券会社や地金商(じがねしょう)との契約によって積み立てが行われています。
「取引残高報告書」や「口座の明細書」が毎年送られてくるため、親の郵便物や書類の中にこれらが含まれていないか確認してみてください。
通帳のような冊子タイプで管理されている場合もあります。
金製品は、指輪・ネックレス・ブレスレット・置物など、金を素材とした品物です。
日常的に身につけているジュエリーや、飾り棚に置かれた置物なども相続財産に含まれます。
見た目では金かどうか分かりにくいものもあるため、「18K」「24K」「K18」「K24」「999」といった刻印を確認してみてください。
これらの刻印がある場合、金が含まれている可能性が高いです。
書き出す項目は4つだけ
4種類の金が見つかったら、次のような観点で書き出しておくと後の作業が楽になります。
- 種類(金地金・金貨・純金積立・金製品のどれか)
- 数量・重さ(金地金なら何グラム、金貨なら何枚、金製品なら何点)
- 保管場所(自宅の金庫・貸金庫・引き出しなど)
- 関連書類の有無(保証書・取引残高報告書・領収書など)
一度に完璧に把握しようとしなくて大丈夫です。
まずは「どこに何があるか」を書き出すだけで、全体像がぐっと見えやすくなります。
貸金庫は金融機関に確認してから開ける
貸金庫がある場合は、金融機関に相続手続きの窓口を確認してから開けるようにします。
相続が始まったあとに無断で開けると、手続き上のトラブルになることがあります。
書き出した内容は、この後の「評価額の計算」や「申告の要否の判断」にそのまま使います。
メモ用紙でも構いませんので、種類と数量と保管場所をひとまとめにして手元に置いておくと、次の作業がスムーズに進みます。
金にも相続税がかかるかは基礎控除で見当がつく
前の章で、手元にある金の種類と数量を書き出しました。
次に気になるのは「これで相続税がかかるのか」という点ではないでしょうか。
実は、相続税がかかるかどうかは、一つの式を使うだけで見当をつけることができます。
難しい計算は必要ありません。
金も遺産に含めて総額を出す
金地金・金貨・純金積立・金製品は、すべて遺産に含まれます。
「現金や不動産と違って、金は別扱いになるのでは」と思う方もいますが、そうではありません。
最初の章でお伝えしたとおり、お金に見積もれる財産はすべて遺産です。
金の種類を問わず、相続税の対象として遺産総額に加える必要があります。
まず手元にある金以外の財産(預貯金・不動産・株式など)もあわせて、遺産の総額をざっくりと出してみてください。
金の正確な評価額はこの後の章で説明しますが、ここではおおまかな合計額が分かれば十分です。
基礎控除の式は3,000万円+600万円×人数
基礎控除の式は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
3,000万円は、法定相続人の人数に関係なく引ける定額の土台にあたる部分です。
600万円は、法定相続人が1人増えるごとに上乗せされていく部分です。
つまりこの式は、「動かない土台」と「人数で伸びる部分」を足し合わせたものだと考えると分かりやすくなります。
法定相続人の人数ごとの基礎控除額は、次のとおりです。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、3,000万円+600万円×3人=4,800万円が基礎控除額です。
この場合、遺産の総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。
4,800万円を超えた部分に対して、はじめて相続税が計算されます。
この基礎控除の計算式は、国税庁が公表している情報(No.4152 相続税の計算)に基づいています。
基礎控除そのものをもう少し詳しく知りたい方は、相続税はいくらから?基礎控除の計算と無税になる金額を解説もあわせてご覧ください。
遺産の総額と基礎控除額を見比べる
書き出した遺産の総額が基礎控除額より少なければ、相続税の申告は原則として不要です。
多ければ、申告が必要になる可能性があります。
ただし、これはあくまで「見当をつける」ための目安です。
実際には特例や控除が複数あるため、境界線に近い場合ほど、自分だけで判断するのは難しくなります。
また、「相続税の申告が不要」と「相続手続き全体が不要」は別の話です。
金融機関での名義変更や不動産の登記変更といった手続きは、相続税とは関係なく必要になる場合がありますので、混同しないようご注意ください。
基礎控除の計算で迷いやすいのが、法定相続人の数え方です。
たとえば、子どもがすでに亡くなっていてその子ども(孫)が代わりに相続する場合や、養子縁組がある場合などは、人数の数え方に注意が必要です。
「何人で計算すればいいか分からない」という場合は、無理に自分で判断しようとせず、専門家に確認するのが確実です。
相続税がかかるか見当をつける3つの手順
- 法定相続人が何人かを数える
- 基礎控除額(3,000万円+600万円×人数)を出す
- 金を含めた遺産のおおよその総額と見比べる
遺産の総額が基礎控除額をはっきり下回っていれば、ひとまず申告不要の目安が立ちます。
逆に上回っているか、境界線に近い場合は、次の章で説明する「金の正確な評価額の出し方」が重要になってきます。
金の相続税評価額は亡くなった日の時価で決まる
前の章で、遺産の総額と基礎控除額を見比べて「申告が必要かもしれない」と感じた方は、次に「金がいくらとして評価されるのか」を確認する必要があります。
評価額は購入時ではなく亡くなった日の時価
金の評価額は、購入したときの値段でも、今日の値段でもありません。
亡くなった日(相続開始日)の時価が基準になります。
金の価格は日々変動しています。
10年前に購入した金地金であっても、評価額は購入時の価格ではなく、亡くなった日にその金がいくらの価値だったかで決まります。
「買ったときより値上がりしている」という場合も、評価額はあくまで亡くなった日の価格です。
国税庁も、貴金属のような財産は原則として売買価額や専門家の意見などを参考にして評価するとしています。
金の場合、その手がかりになるのが業者の買取価格です。
金地金と純金積立は買取価格が目安
金地金と純金積立の評価額は、業者の買取価格が目安になります。
亡くなった日に、金の売買を取り扱っている業者が公表している買取価格を確認します。
買取価格は各社のウェブサイトや電話で確認できますが、過去の日付の価格を調べたい場合は、ウェブサイトの過去分の掲載や業者への問い合わせが必要になることがあります。
純金積立の場合は、証券会社や地金商から届く「取引残高報告書」に記載された残高と、亡くなった日の買取価格をもとに評価額を算出します。
書類が手元にあれば、まずその内容を確認してみてください。
金貨は種類によって調べ方が異なる
資産用として流通している金貨は、金地金と同様に亡くなった日の買取価格が目安になります。
一方、記念硬貨や古銭としての価値があるコレクター向けの金貨は、金としての価値だけでなく希少性や状態なども評価に影響することがあります。
この場合は、業者の買取価格だけでは正確な評価が難しくなるため、専門家への相談が必要です。
金製品の評価は専門家が必要な場合がある
指輪やネックレス、置物といった金製品は、金としての価値(金の重さ×買取価格)だけでなく、デザインや宝石の有無、製造元のブランドなども評価に影響することがあります。
また、金製品には純粋な金以外の金属が混ざっているものが多く、刻印(18Kや24Kなど)から金の含有率を確認したうえで計算する必要があります。
こうした計算は専門家でなければ正確に行うことが難しく、自分で評価額を出そうとすると誤りが生じやすい部分です。
金製品が複数ある場合や、高価なジュエリーが含まれる場合は、相続税専門の税理士や鑑定士に評価を依頼することを検討してみてください。
評価額の根拠になる書類を揃える
種類ごとに、評価額の根拠として使える書類をまとめると次のようになります。
- 金地金:購入時の保証書・品質証明書、業者の買取価格(亡くなった日付のもの)
- 純金積立:取引残高報告書、業者の買取価格(亡くなった日付のもの)
- 金貨:購入時の領収書、業者の買取価格(亡くなった日付のもの)
- 金製品:購入時の領収書・鑑定書、刻印の確認、専門家による鑑定
書類がすべて揃わない場合でも、まず手元にあるものを集めておくことが大切です。
何が揃っていて何が足りないかを把握しておくと、専門家に相談するときにも話が進みやすくなります。
評価額の確認で自分でできること・任せること
- 自分でできる:金の種類と数量を書き出し、亡くなった日の買取価格からおおよその評価額を出す
- 税理士に任せる:金製品やコレクター向け金貨の評価、申告が必要かどうかの最終判断
正確な評価額の算定や、評価をもとにした申告書の作成は、相続税専門の税理士が担う領域です。
「自分で計算した金額が正しいか不安」「書類が一部見当たらない」という場合は、電話やLINEで税理士の無料相談を利用するのが確実です。
相続した金の分け方には3つの方法がある
金の評価額が分かったら、次に考えるのは「この金を誰がどのように受け取るか」という分け方の問題です。
現金であれば人数で割るだけで済みますが、金は物として形があるため、分け方に工夫が必要になることがあります。
相続した金の分け方には、大きく3つの方法があります。
現物のまま受け継ぐ方法
金地金や金貨、金製品をそのままの形で相続人が受け取ります。
相続人が1人であれば、この方法がいちばん分かりやすい進め方です。
相続人が複数いる場合でも、たとえば「金地金はAが受け取り、預貯金はBが受け取る」というように、財産の種類ごとに分担して受け継ぐことができます。
ただし、金の価値と他の財産の価値が均等になるよう調整しないと、相続人の間で不公平感が生まれることがあります。
また、受け取った金を将来売却する場合には、売却益に対して所得税がかかる場合があります。
これは相続税とは別の税金です。
現物を受け継ぐ際は、この点も頭に入れておくと安心です。
売ってお金にして分ける方法
金を業者に売却して現金化し、その金額を相続人で分けます。
「換価分割(かんかぶんかつ)」とも呼ばれる方法です。
現金は額面どおりに分けられるため、相続人の間で不公平が生まれにくく、話し合いが進みやすいという利点があります。
一方で、売却のタイミングによって受け取れる金額が変わるという点には注意が必要です。
金の価格は日々変動しているため、「もう少し待てばよかった」という結果になることもあります。
また、売却益が出た場合には所得税の申告が別途必要になる場合があります。
1人が受け継ぎ代わりのお金を払う代償分割
代償分割とは、金を1人の相続人が受け継ぎ、その代わりに他の相続人へ自分のお金(代償金)を支払う方法です。
たとえば、親が遺した金地金の評価額が300万円で、相続人がAとBの2人であれば、Aが金地金をそのまま受け継ぎ、BにAの手元から150万円を支払うというイメージです。
金を手元に残しながら、相続人間の公平を保つことができます。
ただし、代償金を支払う側に十分な現金がなければ成立しません。
代償分割を選ぶ場合は、支払いが可能かどうかを事前に確認しておく必要があります。
3つの方法のどれを選ぶかは、相続人の人数・金額の大きさ・ご家族の意向によって変わります。
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 現物のまま受け継ぐ | 相続人が1人、または財産ごとに分担できる場合 |
| 売ってお金にして分ける | 相続人が複数いて、均等に分けたい場合 |
| 代償分割 | 金は手放したくないが、他の相続人にも公平に分けたい場合 |
どの方法を選ぶにしても、相続人全員が合意した内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめておくことが大切です。
口約束だけでは後々トラブルになることがあります。
金は申告漏れを指摘されやすいので正しく申告する
「現物だから、黙っていても分からないのでは」と思う方がいるかもしれません。
しかし、金の取引には税務署が把握しやすい仕組みが整っています。
この章では、なぜ金が申告漏れを指摘されやすいのか、そして正しく申告するために何をすればいいのかを整理します。
金地金の売買では税務署へ支払調書が出る
金地金を業者に売却した場合、売却金額が一定以上になると、業者は税務署に「支払調書」という書類を提出することが義務づけられています。
支払調書には、売った人の氏名・住所・売却金額などが記載されます。
つまり、金地金を売却すると、税務署はその取引を把握できる状態になります。
「現物だから記録が残らない」という認識は、実際とは異なります。
純金積立についても、証券会社や地金商は顧客の取引情報を管理しており、税務調査の際に取引履歴が確認される可能性があります。
相続後に純金積立を解約・売却した場合も、同様に記録が残ります。
申告漏れには加算税と延滞税がかかる
申告漏れや少なく申告していたことが税務調査で指摘された場合、本来支払うべき相続税に加えて、次の2つの税金がかかります。
- 加算税:申告しなかった、または少なく申告した税額に対して一定の割合でかかる税金です。意図的に隠したと判断された場合は、より高い割合の「重加算税」がかかることもあります
- 延滞税:申告期限を過ぎた期間に応じてかかる税金です。申告が遅れるほど金額が増えていきます
正しく申告するほうが、結果として負担が少なくて済みます。
分からないまま放置するより、早めに手をつけるほうが選べる道も多く残ります。
種類と数量を書き出すことが第一歩
申告に必要な情報は、難しいものではありません。
前の章までに確認してきた内容を整理するだけです。
- 金地金:何グラムあるか、保証書や品質証明書はあるか
- 純金積立:取引残高報告書に記載された残高はいくらか
- 金貨:何枚あるか、種類は何か
- 金製品:何点あるか、刻印(K18・K24など)は確認できるか
これらを書き出したものに、亡くなった日の買取価格をかけ合わせると、おおまかな評価額が出てきます。
評価額の計算や申告書の作成は税理士が行いますが、「何がどれだけあるか」を書き出しておくことは、依頼前にご自身でできる準備です。
申告期限は亡くなった日の翌日から10か月
相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
この期限を過ぎると延滞税の対象になるため、早めに動き始めることが大切です。
「申告が必要かどうか分からない」という段階でも、専門家への相談は早いほど選択肢が広がります。
金の評価額の算定・申告書の作成・申告要否の最終判断は、相続税専門の税理士の領域です。
正確な情報を揃えて正しく申告することが、余分な税金を払わずに済む最も確実な方法です。
金の相続は種類と評価額の確認から始めよう
この記事では、親が遺した金の相続について、言葉の意味から順を追って整理してきました。
お伝えしてきたことは3点です。
金地金・金貨・純金積立・金製品はすべて遺産に含まれ、種類を問わず相続税の対象になること。
金の相続税評価額は購入時の価格ではなく、亡くなった日の時価が基準になること。
そして金の取引には業者から税務署へ支払調書が出される仕組みがあり、正しく申告することが結果として最も負担の少ない進め方になることです。
これから取り組む順番は、手元の金の現物と書類を引っ張り出して種類と数量を書き出し、法定相続人の数から基礎控除額を出して遺産の総額と見比べる、という流れです。
ここまではご自身で進められます。
そこから先、金の正確な評価額の算定や申告書の作成は、税理士でなければ断定的なアドバイスを行うことができません。
判断に迷う点があれば、電話またはLINEから相続税専門の税理士の無料相談に問い合わせて確認してみてください。
相続手続きは、動き出すまでが一番不安です。
まず手元の金を書き出すところから始めてみてください。
参考リンク:

