
相続税の納付書はどこでもらう?
書き方・納付方法・期限を解説
【2026年7月更新】
相続税の納付書はどこでもらえるのか、何を書いて、いつまでに納めればいいのか。
そう思って調べ始めた方も多いのではないでしょうか。
ところが相続税の納付について調べていると、「申告納税方式」「延滞税」といった聞き慣れない言葉が次々に出てきて、何のことかよく分からない。
言葉の意味があいまいなまま手順だけを読んでも、結局「自分は何をすればいいのか」がつかめないままになりがちです。
この記事は、そうした専門用語がよく分からないという方に向けても、やさしく解説しています。
最初の章で必要な言葉をまとめて押さえてから、手順の話へ進みます。
先にお伝えすると、相続税の納付書は、原則として自動では送られてきません。
相続税は、自分で税額を計算して申告し、自分で納める「申告納税方式」という仕組みだからです。
だから、納付書も自分で用意するところから手続きが始まります。
ただ、「届かない」と分かっただけでは、まだ半分です。
どこで納付書をもらい、何を書き、どの方法で・いつまでに納めるのか。
この一連の流れをつかんで初めて、税務署に何度も足を運ばずに済みます。
この記事では、納付書にまつわる言葉の意味から、入手する場所・記入する項目・納付の方法・納める期限までを、初めての方が迷わず動けるよう順番に整理しました。
なお、納める税額そのものや、そもそも申告が必要かどうかといった判断は税理士の領域です。
この記事が担うのは、納付書を自分で用意して期限内に納めるための道案内までになります。
読み終えたあとには、最寄りの税務署を調べて、納付書を受け取りに動き出せるはずです。
この記事を読んで分かること
- 納付書・申告・納付など基本の言葉
- 納付書を自分で用意する理由
- 納付書に書く5つの記入項目
- 5つの納付方法と10か月の期限
ぜひ最後までお読みください!
目次
まず押さえたい納付書まわりの4つの言葉

手順を読み進める前に、この記事に何度も出てくる言葉の意味を先に整理しておきます。
「申告」「納付」「申告納税方式」「納付書」。
この4つです。
ひとつでも意味があいまいなままだと、手順を読んでいる途中で「あれ、これはどういう意味だっけ」と立ち止まることになります。
逆に4つを押さえておけば、この後の説明がすっと入ってきます。
まず4つの意味を表でまとめ、そのあとで一つずつ説明します。
| 言葉 | 一言で言うと |
|---|---|
| 納付書 | 税金を納めるときに使う専用の用紙 |
| 申告 | 自分で計算した税額を税務署へ報告すること |
| 納付 | 税金を実際にお金で払うこと |
| 申告納税方式 | 申告と納付をどちらも自分で行う仕組み |
納付書は税金を納めるための専用の用紙
納付書とは、税金を納めるときに必要な専用の用紙のことです。
銀行や郵便局の窓口でお金を払うとき、あるいはコンビニで支払うとき、この用紙がなければ「どこの誰が、何の税金を、いくら払うのか」を受け付けてもらえません。
「請求書」に近いイメージを持つ方もいますが、少し違います。
請求書は相手から届くものですが、納付書は自分で用意するものです。
この違いが、後の章で大切なポイントになってきます。
申告は税額を自分で報告すること
申告とは、自分で計算した税額を税務署へ報告する手続きのことです。
相続税の場合は、亡くなった方の財産をもとに相続人が自ら税額を計算し、その内容を記載した申告書を税務署へ提出します。
この「書類を出す」という行為が申告にあたります。
申告と納付はセットで進めるものですが、「書類を出すこと」が申告、「お金を払うこと」が納付、と分けて覚えておくと混乱しません。
納付は税金を実際に納めること
納付とは、税金を実際にお金で払うことです。
申告書を提出しただけでは、税金の支払いは完了しません。
申告で「いくら払います」と報告したうえで、さらに納付という行為でお金を実際に払って初めて、手続きが終わります。
「申告=払う」ではなく、「申告=報告、納付=支払い」という2段階があると理解しておくと、後の手順が整理しやすくなります。
申告納税方式は申告も納付も自分で行う仕組み
申告納税方式とは、申告も納付も、どちらも自分で行う仕組みのことです。
税金の種類によっては、税務署や自治体が金額を計算して通知書を送ってくれるものもあります(固定資産税や自動車税など)。
ところが相続税は違います。
自分で財産を洗い出して税額を計算し、申告書を作って提出し、お金を払うところまで、すべて自分で動かさなければなりません。
この「申告納税方式」という仕組みが、相続税の納付書が自動で届かない根本の理由です。
4つの言葉の意味が整理できたところで、次の章から具体的な手順に進みます。
相続税の納付書は原則、自分で用意する

結論をあらためて確認します。
相続税の納付書は、原則として自動では送られてきません。
待っていても届かないため、自分で動き出す必要があります。
相続税は「申告納税方式」だから届かない
なぜ届かないのか。
前の章で説明した「申告納税方式」がその理由です。
相続税は、財産の内容も税額も、すべて自分で計算して申告する仕組みになっています。
税務署は最初から「あなたがいくら払うのか」を把握していないため、納付書を送るという行為が原則として発生しません。
固定資産税や自動車税のように「納税通知書が郵便で届いて、それを持って払いに行く」という流れとは、根本的に異なります。
相続税は、通知を待つのではなく、自分から動き出す税金です。
「ご案内」が届いても納付書は別に用意する
ただし、例外が一つあります。
税務署が相続の発生を何らかの形で把握した場合、「相続税の申告等についてのご案内」という書類が送られてくることがあります。
これは申告を促すお知らせであり、納付書そのものではありません。
この書類が届いたからといって、納付書まで自動で用意されるわけではありません。
納付書は、やはり自分で入手する必要があります。
「ご案内」が届いても納付書ではない点に注意
- 税務署が相続を把握すると「相続税の申告等についてのご案内」が届く場合があるが、これは申告を促すお知らせ
- 納付書そのものは同封されないため、やはり自分で入手する必要がある
「届くと思っていた」誤解が焦りを生む
「届くものだと思っていた」という誤解は、相続手続きをはじめて経験する方のあいだで非常によく見られます。
誤解が生まれるのは無理もないことです。
固定資産税や国民健康保険料のように、普段の生活で目にする税金や保険料の多くは、通知書や納付書が自動で送られてくる仕組みになっています。
その感覚のまま相続税の手続きに臨むと、「まだ届いていないから待とう」という状態に入ってしまい、気づいたときには期限まで残りわずか、という事態になりかねません。
この誤解を早めに解いておくことが、相続税の手続きで躓かないための第一歩です。
納付書は届くものではなく、自分でもらいに行くもの。
この前提を持ったうえで、次の章から「どこへ行けばもらえるか」「何を書けばいいか」を順番に確認していきます。
納付書は税務署の窓口でもらえる
納付書をもらいに行く場所は、税務署の窓口です。
最寄りの税務署の窓口で無料で受け取れる
窓口で「相続税の納付書をください」と伝えれば、その場で受け取れます。
費用はかかりません。
記入前の白紙の状態で渡されるため、自分で必要事項を書き込んでいく形になります。
「どこの税務署へ行けばいいのか」と迷う方もいますが、納付書を受け取るだけなら住所地の制約はありません。
最寄りの税務署へ行けば受け取れます。
わざわざ管轄の税務署まで出向く必要はないため、自宅や職場から通いやすい場所を選んで問題ありません。
相続税の手続きをはじめて進める方の中には、税務署に行くこと自体に緊張を感じる方もいます。
ただ、納付書の受け取りは窓口で一言伝えるだけの簡単なやり取りです。
難しい説明をその場で求められることはないため、身構えずに足を運んでいただいて大丈夫です。
記入の仕方が不安なら、受け取る際に記入例も一緒にもらっておくと安心です。
一部の金融機関にも置いてある場合がある
また、税務署だけが入手できる場所ではありません。
銀行や郵便局などの金融機関の窓口にも、納付書が置いてある場合があります。
相続税の納付をその金融機関の窓口で行う予定であれば、受け取りと支払いをまとめて済ませられる可能性があります。
ただし、すべての金融機関に必ず置いてあるとは限りません。
事前に電話で確認してから足を運ぶと、空振りを防げます。
確実に入手したいのであれば、記入例まで一度に受け取れる税務署の窓口へ行くのがもっとも確実です。
納付書の記入は項目を順に埋めるだけ
納付書を受け取ったら、次は記入です。
難しく構える必要はありません。
納付書には記入する項目が決まっており、その順番に沿って埋めていくだけで完成します。
「何を書けばいいか分からない」という不安は、項目の意味を一つずつ確認すれば解消できます。
税務署で納付書を受け取る際に記入例も一緒にもらっておくと、見比べながら進められて迷いにくくなります。
記入する主な項目
主な記入項目は、次の5つです。
| 記入項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 年度 | 納付する年度(国の会計年度は4月〜翌年3月) |
| 税目番号 | 相続税は「050」 |
| 税務署名 | 亡くなった方の住所地を管轄する税務署 |
| 住所・氏名 | 納める本人(相続人)の住所と氏名 |
| 本税額 | 申告書で計算した相続税額 |
年度の欄には、納付する年度を記入します。
国の会計年度は4月から翌年3月までを1年度としているため、相続が発生した時期に応じた年度を確認します。
迷ったときは、税務署の窓口で「この相続の場合、年度はどれを書けばいいですか」とたずねるのが確実です。
税目番号とは、どの種類の税金かを示す番号です。
相続税の税目番号は「050」です。
税務署に「相続税の納付書」と伝えて受け取った場合は、はじめから印字されていることもあります。
印字がなければ、相続税を納める欄として「050」を記入します。
税務署名の欄には、申告先となる税務署の名前を記入します。
相続税の申告先は、亡くなった方(被相続人)の住所地を管轄する税務署です。
どこが管轄か分からない場合は、国税庁のウェブサイトで住所から管轄税務署を調べられます。
住所・氏名の欄には、納付する本人、つまり相続人自身の住所と氏名を記入します。
亡くなった方の住所や氏名ではなく、お金を払う側である相続人の情報を書く点に注意が必要です。
本税額の欄には、実際に納める相続税の金額を記入します。
申告書で計算した税額が、そのまま本税額になります。
合計額の欄は金額の先頭に「¥」を付け、書き直しができない欄のため、記入前に金額をよく確かめておくと安心です。
提出前に税目番号と本税額を照らし合わせる
記入が終わったら、提出前にもう一度、記入例と見比べておくと安心です。
特に確かめておきたいのは、税目番号(050になっているか)と本税額(申告書の数字と一致しているか)の2点です。
金額の転記ミスは起きやすいため、落ち着いて照らし合わせておくとよいでしょう。
書き損じた場合は、新しい納付書をもう一枚もらえば問題ありません。
税務署の窓口で「書き間違えてしまったので、もう一枚いただけますか」と伝えれば、快く対応してもらえます。
納付の方法は自分に合わせて選べる
納付書の記入が終わったら、いよいよ支払いです。
相続税の納付方法は一つではありません。
金融機関の窓口、税務署の窓口、コンビニ、クレジットカード、スマホアプリと、複数の方法から選べます。
自分の生活スタイルや納める金額に合わせて、使いやすい方法を選べます。
5つの納付方法とそれぞれの特徴
まず、それぞれの上限額と特徴を一覧で整理します。
| 納付方法 | 納められる上限 | 特徴 |
|---|---|---|
| 金融機関の窓口 | 上限なし | 高額でも確実・領収印が残る |
| 税務署の窓口 | 上限なし | 受け取りと納付を一度で完結 |
| コンビニ | 30万円以下 | バーコードやQRコードが必要 |
| クレジットカード | 1,000万円未満 | 24時間対応・決済手数料がかかる |
| スマホアプリ納付 | 30万円以下 | 24時間対応・外出不要 |
金融機関の窓口は、銀行や郵便局などの窓口で、記入済みの納付書を持参して支払う方法です。
納付額に上限がなく、どの金額でも対応できます。
相続税は高額になるケースも多いため、金額を問わず確実に払いたい方にとって、もっとも安心感のある方法です。
支払い後に領収印を押してもらえるため、納付済みの記録として手元に残せます。
税務署の窓口でも直接納付できます。
納付書を受け取りに行くついでに、その場で支払いまで済ませられるため、一度の外出で完結させたい方に向いています。
コンビニでは、納付書にバーコードが付いている場合や、国税庁のサイトで作成したQRコードを使う場合に納付できます。
ただし、納付できる金額は30万円以下です。
相続税の金額が30万円を超える場合はコンビニでは対応できないため、金融機関や税務署の窓口を利用することになります。
クレジットカードは、「国税クレジットカードお支払サイト」を通じて納付する方法です。
24時間対応しているため、平日の窓口時間に縛られずに手続きできます。
ただし、納付額に応じた決済手数料がかかり、金融機関やコンビニ、税務署の窓口ではカード払いはできません。
手数料は金額が大きいほど増えるため、相続税のように金額が大きくなりやすい税目では、事前に手数料の目安を確認してから判断するとよいでしょう。
スマホアプリ納付は、国税庁が指定するスマホ決済サービスを使って、スマートフォンから納付する方法です。
こちらも24時間対応で外出も不要ですが、納められる金額は30万円以下です。
普段からスマホ決済を使い慣れている方には手軽な選択肢になります。
金額とスケジュールで選ぶ目安
どの方法を選ぶかは、納める金額と自分のスケジュールを基準に考えると整理しやすくなります。
- 金額に制限なく確実に払いたい:金融機関または税務署の窓口
- 平日に時間が取りにくい:クレジットカード
- 金額が30万円以下でサッと済ませたい:コンビニまたはスマホアプリ納付
なお、いずれの方法を選んだ場合も、納付後は領収書や支払い完了の記録を手元に残しておくと安心です。
相続手続きには複数の書類管理が伴うため、納付済みの記録もまとめて保管しておくと、後から確認が必要になったときに慌てずに済みます。
納付の期限は申告と同じ10か月以内
納付には期限があります。
期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月
相続税の納付期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。
「相続の開始があったことを知った日」とは、原則として亡くなった方が亡くなったことを知った日を指します。
申告の期限も同じく10か月以内であるため、申告書の提出と納付は同じタイミングで行うのが基本の流れです。
申告だけ済ませて納付を後回しにしていると、期限を過ぎてしまう可能性があります。
申告と納付はセットで完結させると覚えておくと安心です。
期限を過ぎると、延滞税が発生します。
延滞税とは、納付が遅れた日数に応じて加算される税金で、遅れるほど金額が膨らんでいきます。
「少し過ぎても大丈夫だろう」という判断は禁物で、期限内に納付を終えることが余計なコストを生まない最善の方法です。
一括で納めるのが難しいときは延納・物納
事情によっては、期限内に一括で納付することが難しい場合もあります。
そのような場合に備えて、延納と物納という制度が用意されています。
延納とは、相続税を分割して複数年にわたって納める方法です。
相続税額が10万円を超えるなど一定の要件を満たす場合に申請でき、利子税がかかる点と、担保が必要になる場合がある点を頭に置いておく必要があります。
物納とは、現金ではなく不動産や有価証券などの財産そのもので納める方法です。
延納によっても金銭で納めることが難しい場合に認められる制度で、申請できる条件や受け付けられる財産の種類に細かいルールがあります。
一括で納めるのが難しいときの延納・物納
- 延納=相続税を分割して納める方法。相続税額が10万円を超えるなどの要件があり、利子税がかかる(国税庁タックスアンサーNo.4211)
- 物納=現金の代わりに相続財産で納める方法。延納でも難しい場合に限られる(国税庁タックスアンサーNo.4214)
- 延納・物納はいずれも申告期限までに申請手続きが必要で、期限を過ぎてからの申請は認められない
一括納付が難しいと感じた時点で、早めに動き出すことが大切です。
10か月という期間は一見長く感じるかもしれませんが、実際には遺産の調査、相続人の確定、遺産分割の協議、申告書の作成と、やるべきことが次々と積み重なります。
気づいたときには残り日数が少なくなっていた、というケースは珍しくありません。
納付書の入手と記入は、時間に余裕があるうちに早めに済ませておくことをおすすめします。
納付書を用意して、納付までの手順を確認しよう
相続税の納付書は、原則として自動では送られてきません。
相続税が「申告納税方式」という、申告も納付も自分で行う仕組みだからです。
まずは納付書を自分で用意するところが出発点になります。
手順そのものは複雑ではありません。
最寄りの税務署の窓口で納付書を受け取り、年度・税目番号(相続税は050)・税務署名・住所氏名・本税額を記入例と照らし合わせて埋め、金融機関やコンビニ、クレジットカード、スマホアプリなどから金額に合った方法を選んで納めれば完了です。
期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内。
一括が難しいときは延納・物納もありますが、いずれも期限内の申請が必要です。
一方で、納める税額そのものがいくらになるのか、そもそも申告が必要なのかどうかといった判断は、税理士でなければ行えない専門的な領域です。
迷いが残る部分は専門家に確認するのが確実です。
らくサポでは、電話・LINEから相続税を専門とする税理士への取り次ぎを行っています。
「自分の場合はいくら納めればいいのか」という段階でも、気軽に問い合わせていただけます。
まずは最寄りの税務署を調べて、納付書を受け取りに動き出すところから始めてみませんか。
参考リンク:

